ユベントスの公式サイト上でスカナヴィーノ CEO が『Radio TV セリエA』に出演したことを取り上げていましたので番組内での発言の概要を紹介いたします。
マウリツィオ・スカナヴィーノ CEO:
「カルチョと出版には親和性があります。どちらも魅力的な産業ですし、製品への情熱が基本という側面を持っています。
特別な注意が求められる非常に特別なスキルが存在します。しかし、芸術のディレクターと編集のディレクターが商品開発には欠かせないことは事実です。
俳優・プレゼンテーター・アーティストはサッカー選手に近いですし、この親和性はクラブの相互関係を感じさせます。そして、人材管理における人的要素は非常に重要です。
フットボールのビジネスモデルはメディア産業から派生した広告業と様々な親和性があります。また、デジタル分野での親和性も高まっています。
株主総会で言及したように私達は約2億ユーロの赤字を計上しました。
しかし、分析をすると昨季は UEFA 主催大会に不参加でした。そして、約1億5000万ユーロの赤字は通常経営で生じたものではありません。
赤字額は実質的に7000万ユーロと考えるべきであり、前年度の半分にまで圧縮されています。スポーツ面のパフォーマンスや過去の出来事による予測不能な要素が存在するとしても将来への軌道は良好です。
持続可能性と競争力のバランスを維持することが目標です。ですから、スポーツ面で常に投資ができるリソースを見付けることが重要なのです。
私達はチーム総年俸と減価償却費が極めて高額という特殊な状況から来ています。予算削減や微調整を行なったとしても、ユベントスはスポーツ面で最も高額な予算を投じられるクラブであり続けるでしょう。
これによって偉大な競争力は保証されます。正しい選択、正しい移籍市場、そして少しの運を持っていなければなりません。
しかし、最大目標のための競争力を喪失する衰退のみを想定した経営戦略は正しくありません。
サッカー選手への投資に対する不均衡の現象は年俸と移籍金のインフレを引き起こしており、これは非常に興味深いことです。一定の制限を超えることは好ましくないと思います。
カンピオーネが違いを生むことは事実です。しかし、サッカーはチームスポーツであり、考慮すべき要素は多数存在します。
ジュントリとモッタによるスポーツ部門はチームを形成する強いチームを擁し、ギャップを埋めて違いを作ろうと懸命に取り組んでいます。カンピオーネのコレクションは存在しますが、維持は困難が普通です。
この状況に対してサラリーキャップのような解決策を見出すことは全チームに対して有益となるでしょう。今日ではそれほど裕福ではないチームも競争力が上がるはずです。
インフラ、資産、ブランド、商品計画の観点から状況は非常にポジティブです。私達はスタジアムで素晴らしい仕事をしたと思います。
スタジアムは並外れたレベルのホスピタリティを兼ね備えた特別な資産です。体験と収益の向上を目指したアイデアもあります。
過去2年間で私達はデジタル・コミュニケーションに取り組んで来ました。その結果、ソーシャル面で大きく成長しています。このプロジェクトは私達が “クリエーター・ラボ” と呼んでいるものの中にあり、日々コンテンツが制作されています。
世界で2億人のフォロワーを有していますし、これは非常にパワフルなツールです。スポンサーの投資収益率の価値にも関わりますし、このこと自体が収益化の要素にもなり得るのです。
FIFA クラブW杯はクラブと選手にとって世界的な経験を積む素晴らしい機会だと信じています。
ユベントスが世界で認知されていることから来た機会だと思っていますし、ポジティブな収益に結び付くでしょう。ECA に加盟する他のクラブと共に FIFA と交渉をい行なっており、最終段階にあります。
胸スポンサーは具体的な交渉を行っており、シーズン終了時までには妥結すると想定しています。
クラブW杯は4年後も開催されますし、スポンサー契約は複数年。私達は長期契約に関心があります。戦術的な決断を下していれば、胸スポンサーはすでに見付かっていたでしょう。
胸スポンサーが決定するまでの間、私達は熱心に取り組んでいることを視覚化する決断をしました。セーブ・ザ・チルドレンとのコラボレーションには非常に満足しています。
私達が行った評価は若い才能には時間と自分自身を表現する適切な環境が必要というものです。
若い選手達のパフォーマンスは常にコンスタントとは限りません。非常に強力な選手であっても、自分自身を正しい方法で表現できずに成長を機会を逸してしまう場合があります。これが期限付き移籍で出した場合のリスクです。
その一方でセリエCを戦う Next Gen はクラブ内で育った選手に競争力と成長の機会を与え、短期間での要求を除く形でパフォーマンスが評価されると私は信じています。
経済的な観点で見ますと、投資はあります。高額です。移籍市場で若手選手を獲得することとはトレードオフであり、長期的視点で見なければなりません。しかし、全体的には正しいと思っています」