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【採点】 2024/25 セリエA第8節 ユベントス対ラツィオ

 2024/25 セリエA第8節が行われ、ホームにラツィオを迎えたユベントスは試合終了間際のオウンゴールが決勝点となり、1-0 で辛くも勝利しました。

 先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

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表1:先発メンバー(2024/25 セリエA第8節 ラツィオ戦)
  Juventus FC
[4-1-4-1]
SS Lazio
[4-2-3-1]
GK 29: ディ・グレゴリオ 94: プロヴェデル
DF 37: サヴォナ
4: ガッティ
15: カルル
32: カバル
77: マルシッチ
34: ヒラ
13: ロマニョーリ
30: タヴァレス
MF 5: ロカテッリ 8: ゲンドゥージ
6: ロヴェッラ
27: カンビアーゾ (C)
19: テュラム
26: D・ルイス
10: ユルディズ
18: イサクセン
19: ディア
10: ザッカーニ (C)
FW 9: ヴラホヴィッチ 11: カステジャーノス

 ユベントスのチアゴ・モッタ監督は 4-1-4-1 を選択。カンビアーゾ選手を右 WG に配置し、左 SB にはカバル選手を先発起用。コープマイネルス選手の代役をD・ルイス選手に託して試合に臨みます。

 対するラツィオのバローニ監督は 4-2-3-1 を選択。こちらはラッザリ選手に代わってパルシッチ選手が先発した右 SB 以外は前節エンポリ戦と同じスタメンで試合を迎えます。

 

 試合は両チームともが速攻で相手の守備ブロックの穴を探す緊迫した展開で始まる。

 この構図が崩れたのは22分。ユベントスはヴラホヴィッチのポストプレーに反応して抜け出したカルルがペナルティーエリア寸前でロマニョーリに倒され、VAR での確認後に決定機阻止でロマニョーリは一発退場となる。

 1人少なくなったラツィオはトップ下のディアを下げてパトリを投入。4-4-1 からのロングカウンターに懸ける姿勢を示す。

 対するユベントスは41分にカンビアーゾのクロスにガッティが合わせたが、シュートは枠を捉えず。前半は 0-0 で終了する。

 後半も攻め続けるのはユベントス。57分にカンビアーゾの折り返しを受けたテュラムがシュートを放つも、これは相手 DF がブロック。こぼれ球にヴラホヴィッチが反応したが、シュートはクロスバーを叩いてしまう。

 直後の59分には途中出場のT・ウェアからのクロスにフリーのD・ルイスがヘディングで合わせたが、シュートは枠のわずかに左。この試合でも流れの中からの1点が遠い展開が続く。

 決め手に欠く時間帯が続く中でチアゴ・モッタ監督は72分にダニーロとアジッチも投入。攻撃のカードを使い切って点を取りに行く姿勢を鮮明にする。

 ユベントスの攻め続けた姿勢が実ったのは85分。左サイドのカバルが入れた低く鋭い軌道のクロスをニアサイドでヒルが右足で跳ね返し切れずにオウンゴール。ユベントスに幸運の女神が微笑む。

 先行したユベントスは87分に高い位置でのボール奪取からアジッチが強烈なミドルシュートを枠内に飛ばすが、シュートは GK プロヴェデルが冷静に対処。追加点とはならず。

 それでも1人多いユベントスはリードを守り切ることに成功。試合は 1-0 で終了し、ユベントスは超過密日程の初戦を勝利で終えることに成功した。

 

 なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。

GK: ディ・グレゴリオ 6.0
  良い入りをしていたとは言い難いが、相手が1人少なくなったことで出番がほとんどない平穏な夜となった。

DF: サヴォナ 6.0
  個人スキルや意識面の向上で防げたであろう技術的なミスがあったことは反省点。その中でも及第点を出し続けており、この実績は純粋に評価される必要がある。

DF: ガッティ 6.0
  ピンチの芽を摘み取り続けた集中力が素晴らしかった。カスティジャーノスを上手く封じていたし、自らに訪れた決定機を決め切れていれば、主将としても完璧な夜になっていたことは否めない。

DF: カルル 6.5
  思い切った攻撃参加でロマニョーリの一発退場を誘発し、試合の優位性を大きく手繰り寄せた。守備面でも安定したパフォーマンスでチームに貢献。

DF: カバル 6.0
  決勝点になるオウンゴールを誘発したクロスは素晴らしかったが、流れの中でのポジショニングが的確だったとは言い難く、この点が出場機会を満足に得ることができていない要因なのだろう。

DMF: ロカテッリ 5.5
  アンカーとして良い振る舞いだったものの、相手が1人少ない状態だったことを踏まえると攻撃面でのタクトに不満が残ることは否めない。

OMF: カンビアーゾ 6.5
  右サイドをスタートポジションにしても攻撃関与による高い貢献度をプレーで示していた。守勢に転じた際に右と左のどちらにいた方が貢献できるかでポジションが定まることだろう。

OMF: テュラム 6.5
  フィジカルを活かしたボール奪取や推進力でチームに活力を与える。足元の技術による貢献もあり、プレー時間を伸ばしていくコンディションが整っているかがポイントだ。

OMF: ドウグラス・ルイス 5.5
  59分のヘディングシュートを決めることができていれば、すべてが好転していたことだろう。試合最終盤の危ないタックルなど苦しむ時間はまだまだ続きそうだ。

OMF: ユルディズ 5.5
  右サイドと比較して左サイドの整備が後回しになっている感が否めず、そのしわ寄せがプレーに影響している。消耗だけが続くのは厳しい。

FW: ヴラホヴィッチ 6.0
  決定機を演出するポストプレーやこぼれ球への反応など FW に要求される地味な仕事を献身的に行なったが、自身の得点は生まれなかった。それでもチームが勝利したことが精神安定剤にはなるだろう。

 

【交代選手など】

DF: ティモシー・ウェア 6.0
  54分にサヴォナとの交代で出場。左足首の負傷が癒えたことを質の高いクロスで証明。過密日程の初戦で復帰できたことは選手層を厚くする上でも大きい。

DMF: ファジョーリ 6.0
  ロカテッリに代わって54分から出場する。1人少ないラツィオから得点を奪うためにピッチ中央から配球役として尽力していた。

DF: ダニーロ 6.0
  72分にガッティとの交代で出場。CB として安定感のあるプレーをする。

OMF: アジッチ 6.0
  72分にテュラムに代わって出場し、ユベントスでのデビューを果たす。思い切ったミドルシュートなど本職であるトップ下に近いエリアで持ち味を発揮していた。

 

チアゴ・モッタ監督 6.0
  オウンゴールによる1点と言えど、招集メンバー19選手で勝点3を持ち帰った結果に大きな意味がある。中2日でチャンピオンズリーグのシュトゥットガルト戦が控えているだけに「次戦は流れの中での得点を決めて勝つ」と目的が一致してればチームの状態は一気に上がるだろう。

サッキ主審 6.0
  ロマニョーリの一発退場は妥当だが、後半にカードが乱れ飛ぶような試合展開はもう少し上手くコントロールできたのではなかろうか。退場者が1人で済んだのは不思議だった。