2024/25 セリエA第1節が行われ、ホームにコモを迎えたユベントスはムバングラ選手のゴールを皮切りに3得点を奪い、3-0 で快勝しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-2-3-1] |
Como 1907 [4-4-2] |
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GK | 29: ディ・グレゴリオ | 25: レイナ |
DF | 27: カンビアーゾ 4: ガッティ (C) 3: ブレメル 32: カバル |
18: A・モレノ 5: ゴルダニーガ 93: バルバ 3: サーラ |
MF | 5: ロカテッリ 19: テュラム |
7: ストレフェッツァ 27: ブラウネーダー 8: バゼッリ 33: ダ・クーニャ |
22: T・ウェア 10: ユルディズ 51: ムバングラ |
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FW | 9: ヴラホヴィッチ | 11: ベロッティ 10: クトローネ (C) |
ユベントスのチアゴ・モッタ監督は 4-2-3-1 を選択。新戦力のD・ルイス選手はベンチスタートとなり、ユルディズ選手がトップ下で先発。左サイドにはムバングラ選手を抜擢して初戦に臨みます。
対するコモのセスク・ファブレガス監督は 4-4-2 を選択。こちらは MF/ FW 陣の顔ぶれは戦前の予想どおりに配置。A・モレノ選手を右 SB に回し、サーラ選手を左 SB で起用する布陣で試合を迎えます。
試合は両チームがサイド攻撃で相手ゴールに迫る展開で始まる。ユベントスはT・ウェアのクロスでチャンスメイクすると、コモは10分にクロトーネを狙った右からのクロスで応戦。ここはガッティが寸前でクリアに成功する。
地力で勝るユベントスは20分にカンビアーゾからのクロスにヴラホヴィッチがニアに飛び込んだが、ヘディングシュートは枠のわずかに右へと逸れてしまう。
試合が動いたのは23分。左サイドでサイドチェンジをパスを受けたムバングラが前進。中央にカットインを仕掛けた後に右足を振り抜き、意外な伏兵の一発でユベントスが先制に成功する。
前半の内に2点差のリードが欲しいユベントスは40分にヴラホヴィッチが FK を直接狙うも枠のわずかに右。43分には GK レイナのビルドアップを引っ掛け、ユルディズからもラストパスを受けたヴラホヴィッチがシュートも右ポストに当ててしまう。
それでも前半アディショナルタイムの46分にユルディズが左サイドを突破してクロスを上げると、スルーをしたヴラホヴィッチの背後に潜んでいたT・ウェアが左足で合わせて2点目を奪取。
前半は 2-0 と2点のリードを持って折り返したユベントスだが、太もも裏を痛めた様子だったT・ウェアが前半だけで途中交代。懸念材料である選手層の薄さが不安をよぎらせて後半を迎える。
後半で先に決定機を得たのはユベントス。53分にテュラムのボール奪取からショートカウンターを発動すると最後はカンビアーゾからボールを得たヴラホヴィッチがシュート。しかし、GK レイナに阻まれてゴールを決めれない。
一方、最後まで失点のリスクを背負って攻勢を貫くコモは79分にストレフェッツァが左足での強烈なミドルシュートを放つも、ボールは枠のわずかに右へと逸れてノーゴール。
対照的にユベントスは90分にムバングラがカンビアーゾにサイドチェンジのパスを届けると、カンビアーゾが左足でのミドルシュートを突き刺して3点目。
試合はこのまま 3-0 で終了し、ユベントスのチアゴ・モッタ監督が公式戦の初陣を勝利で飾ることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 6.0
平穏な夜を過ごすことができた。プレシーズンマッチで不安定さが顔を見せていたハイボールの処理を強いられなかったことにも救われたと言えるだろう。
DF: カンビアーゾ 7.0
仕上げの3点目を奪取。先制点には結びつかなかったが、ヴラホヴィッチへのピンポイントクロスなど攻撃面で強い存在感を発揮していた。それだけに強豪との大一番での守備力が問われるはずだ。
DF: ガッティ 6.0
ゴール前で相手のクロスを弾き返す CB としての役割に終始。持ち場を離れることなく、無難に試合をクリーンシートで終えた。
DF: ブレメル 6.0
ペナルティーエリア手前に壁を設置し、コモの攻撃陣がエリア内に侵入することを阻み続ける。今後の対戦では相手チームは “壁” を動かしたり、“壁” の上を通過するクロスで攻撃してくるだろう。チームとしての対策が必要になる。
DF: カバル 6.0
初出場・初先発の試合を無難に終えることに成功した。ただ、この試合ではサイドバックとしてのスプリントスピードが不足していることは否めず。この点をどうするかがシーズンを通じて貢献するための課題だ。
DMF: ロカテッリ 6.5
プレシーズンマッチではブーイングだったが、開幕節ではスタンディングオベーションを浴びた。前後左右に巧みにボールを配球し、DF ライン前でボール回収に成功すればそうなるのは当然のこと。強豪との対戦でも “チームとして” 機能するかが鍵だ。ヴラホヴィッチに限ったことではない。
DMF: テュラム 6.5
フィジカルを活かした出足の鋭さと強さでボール奪取を行い、カウンターの起点として何度も機能していた。特長を発揮した良いデビュー戦だったと言えるだろう。相手が対策を講じてからが本番だ。
OMF: ティモシー・ウェア 7.0
プレシーズンマッチで披露していた躍動感を開幕戦でも発揮する。仕掛けを成功させてチャンスメイクをし、クロスに合わせて得点を決めるなど素晴らしい内容だっただけに負傷交代が悔やまれる。
OMF: ユルディズ 7.0
背番号10を背負っての初戦でアシストの結果を残す。ムバングラのサポートを行う気配りも見せており、チームだけでなく個人としても上々の滑り出しとなった。
OMF: ムバングラ 7.5
“初物” で相手チームの対応が定まらない間隙を突いて先制点を奪取。その後も落ち着いたプレーを継続し、最後はカンビアーゾへのアシストで締めくくった。チアゴ・モッタはモンテーロとブランビッラにディナーをご馳走すべきだ。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
ストライカーとして得点機に顔を出し続けた嗅覚は素晴らしい。だが、自ら得点できなければ評価を得られることはない。すべてはエース・ストライカーである自分次第だ。
【交代選手など】
DF: サヴォナ 6.0
後半開始46分から(負傷した疑いが強い)T・ウェアに代わって出場。ユベントスでの公式戦デビューを果たす。2点リードの展開だったことで浮つかず、攻守両面で懸命にプレーすることができていた。
MF: ファジョーリ 6.0
66分にテュラムとの交代で出場する。
MF: ドウグラス・ルイス ー
ロカテッリに代わって79分から出場。ユベントスでのデビューを果たす。
チアゴ・モッタ監督 7.0
昇格組のコモを相手に 3-0 と結果を残したことは素晴らしい。その一方で(多くのファンなどが指摘していた)選手層の薄さが早くも問題化したことは否めない。立て直し策や修正策の有効性がシーズン全体への評価に大きく影響するだろう。
マルチェナーロ主審 6.5
オフサイド関係のジャッジを的確に判断し、イエローカードを出すべき場面でしっかり提示していた。良いレフリングだったと評されるだろう。実力が拮抗したチーム同士の対戦を担当した際でも今日のようなレフリングをすることが期待される。