ユベントスは公式サイト上でシュチェスニー選手との契約を双方合意の下で解消したと発表いたしました。“退職金” への言及はありませんが、トゥット紙は「400万ユーロほどが支払われた」と報じています。
クラブから発表されたプレスリリースは以下のとおりです。
選手シュチェスニーとの双方合意の契約解除
トリノ、2024年8月14日 ー ユベントス・フットボールクラブは選手ヴォイチェフ・トマシュ・シュチェスニーと選手登録権契約を双方合意の下で解消したことを報告いたします。
この行為により、選手登録権の残存簿価であった160万ユーロが 2023/24 シーズンにマイナスの経済効果を及ぼすことになります。
シュチェスニー選手は1990年4月生まれの34歳。アーセナルの下部組織などで育成されたポーランド人 GK でローマで2シーズンに渡ってプレーした後の2017年夏にユベントスに加入しました。
ユベントスでは通算252試合に出場。通算103回のクリーンシートを達成しています。
シュチェスニー選手のユベントスでのキャリアで特筆すべきは「 “クラブ史上に名を残すブッフォン選手” の後任であったにも関わらず、能力やパフォーマンスを疑う声が出なかったこと」でしょう。
レジェンドである前任者に勝るとも劣らない貢献を続けていたからです。
今回、シュチェスニー選手の退団では「フロント陣(=ジュントリFD)の対応の不味さ」が浮き彫りとなりました。
- 見切り発車でディ・グレゴリオを獲得
- シュチェスニーが余剰戦力に
- 選手がアル・ナスル移籍に個人合意も、クラブが移籍金に固執して交渉決裂
- 移籍金500万ユーロがあれば、残存簿価(160万ユーロ)を解消できる
- 移籍金なしだと、残存簿価(160万ユーロ)を赤字計上
GK は “買い手市場” なのです。だから、ジュントリ FD の『手荒な交渉』でもディ・グレゴリオ選手をモンツァから(ユベントス側の意向に沿った金額で)獲得できたのです。
当然、“GK を売る側” に回った際は立場が弱くなります。「このことを理解せずに自らの交渉力を過信した見通しの甘さがシュチェスニー選手のケースを招いた」と言わざるを得ないでしょう。
契約解消によって「残存簿価を赤字計上する」ことを余儀なくされた上に「2024/25 シーズンに受け取るはずだった年俸を “退職金” として支払う」ことになったからです。
シュチェスニー選手に落ち度は何もありません。現役生活を続けるのであれば、キャリアの最終盤にもう一花咲かせて欲しいと思います。
Grazie Tek. 今後の人生にも幸運を。