2022/23 セリエA第29節が行われ、アウェイでラツィオと対戦したユベントスは2度のリードを許し、2-1 で敗れました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SS Lazio [4-3-3] |
Juventus FC [3-5-1-1] |
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GK | 94: プロヴェデル | 1: シュチェスニー |
DF | 77: マルシッチ 15: カザーレ 13: ロマニョーリ 23: ヒサイ |
15: ガッティ 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
MF | 21: ミリンコヴィッチ 32: カタルディ 10: L・アルベルト |
11: クアドラード (C) 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
FW | 7: F・アンデルソン 17: インモービレ (C) 20: ザッカーニ |
22: ディ・マリア 9: ヴラホヴィッチ |
ラツィオのサッリ監督は 4-3-3 を選択。CF のインモービレ選手が攻撃陣を牽引する予想どおりの先発メンバーで試合を迎えます。
対するユベントスのランドゥッチ監督代行は 3-5-1-1 を選択。ダニーロ選手がベンチスタートとなり、A・サンドロ選手が先発に復帰した以外はベストメンバーと目される選手が予想どおりの配置で試合に臨みます。
最初にフィニッシュまで持ち込んだのはホームの声援を受けるラツィオ。5分にL・アルベルトのミドルシュートが枠を捉えるが、これは GK シュチェスニーが真正面でキャッチする。
主導権を握ったラツィオは29分にF・アンデルソンの浮き球によるラストパスに反応したインモービレが右45度の位置からジャンピングボレーを放ったが、GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで反応。ゴールは許さない。
試合が動いたのは38分。ラツィオは左サイドに展開し、ザッカーニがクロスを入れると競り合ったA・サンドロの大げさなアクションを尻目にミリコンヴィッチ=サヴィッチがトラップからの左足シュートを決めて先制に成功する。
対するユベントスは42分にディ・マリアの右 CK からブレメルがヘディングシュート。これは GK プロヴェデルが右足で止めたが、こぼれ球をラビオが押し込んで 1-1 の同点に追い付いて前半を折り返す。
後半でも先行したのはラツィオ。53分に右サイドを突破したF・アンデルソンが折り返すと、L・アルベルトがシュートでなくヒールパスを選択。フリーでラストパスを受けたザッカーニが決め、2-1 とラツィオが再びリードを手にする。
ラツィオは直後の56分にミリンコヴィッチ=サヴィッチのスルーパスに反応したザッカーニが抜け出してワンタッチシュートを決めるもオフサイドで認められず。ユベントスは命拾いをする。
追い付きたいユベントスは62分にA・サンドロのクロスからヴラホヴィッチがヘディングシュートもボールはクロスバーの上。84分には左サイドを突破したキエーザのクロスに合わせたファジョーリの左足ボレーもクロスバーの上を通過する。
88分にはミレッティからのクロスをディ・マリアがエリア内での正確なトラップから素早く左足を振り抜いたが、ミリンコヴィッチ=サヴィッチがスライディングブロックでシュートを阻止。
結局、試合はこのまま 2-1 で終了。ラツィオに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
堅実なシュートストップでチームに貢献していたが、フリーで放たれたシュートを止める術はなかった。
DF: ガッティ 5.5
守備で最善を尽くすために奔走したことでビルドアップなど攻撃に転じた際の貢献度が物足りなかった。ザッカーニ相手で止むを得ない面はあるものの、今後の課題として精進すべきだろう。
DF: ブレメル 6.0
担当エリアでインモビーレに仕事をさせず。火曜日の試合でのミスを取り返すプレー内容だった。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
ミリンコヴィッチ=サヴィッチのプッシングを主張したいのだろう。だが、自ら前傾姿勢になった状態で飛んでしまったのだからファールを取ってもらえるとは思えない。手痛いミスだった。
WB: クアドラード 5.0
ザッカーニとの対応で後手に回るのは計算内。そのためにガッティやファジョーリのサポートが準備されていたからだ。2失点目の場面でザッカーニのマークを捨ててL・アルベルトに食い付いた判断ミスが大きな代償となった。
MF: ファジョーリ 5.5
マッチアップしたL・アルベルトのパフォーマンスの前に霞んでしまう。善戦はしたが、84分の枠を捉えなかったシュートが試合の内容を物語っている。
MF: ロカテッリ 5.0
ラツィオの MF 陣(や FW 陣)から徹底マークを受けて持ち味を発揮できず。厳しい内容の試合となった。
MF: ラビオ 6.5
場違いや別格と言うべき内容を示していた。セリエAでは MF として唯一の2桁得点を決めており、今夏の争奪戦は避けられないだろう。
WB: コスティッチ 5.0
左アキレス腱痛が再発したのではないかと思ってしまうほど存在感が薄かった。当初の予定を変更してBチームに合流しているイリングを呼び戻すべきだ。
FW: ディ・マリア 6.0
前半は失踪状態だったが、後半は攻撃陣を牽引しようと奮起したものの結果は得られなかった。
FW: ヴラホヴィッチ 5.0
序盤での接触で右足首を痛めて出鼻をくじかれ、そのままカザディとロマニョーリの CB コンビの前に沈黙。スペースを与えてくれない相手との対戦で苦労し続けている。
【交代選手など】
MF: パレデス 6.0
ロカテッリとの交代で63分から出場。久しぶりに良い入りを見せ、中盤で持ち味を発揮していた。
FW: キエーザ 6.0
63分にコスティッチとの交代で出場機会を得る。4-3-3 の左 WG を本職に守備時には WB としてブロックの形成にも参加。持ち味のスピードで左サイドで縦への存在感を放っていた。
FW: ミリク 5.5
ヴラホヴィッチに代わって63分から出場する。局面に変化をもたらすような存在とはなれず。脅威は少なかった。
DF: ダニーロ 6.0
70分にクアドラードとの交代で出場。4-3-3 の右 SB として攻勢に出るチームを支え続けた。
MF: ミレッティ ー
ファジョーリとの交代で86分から出場する。
ランドゥッチ監督代行 5.5
パレデスを投入して 4-3-3 でリスクを背負って攻め立てるという『挽回策』は良かったが、先発で起用したベテラン勢の手痛いミスが絡んで許した2失点が最後まで響いた試合となってしまった。苦境に陥る前に対処できるかが鍵になるだろう。
ディ・ベッロ主審 6.0
ミリコンヴィッチ=サヴィッチのA・サンドロへのプッシングを取らなかった判定は正しい。クロスボールに対して手前にいたA・サンドロは “通常の対応” でクリアが可能であり、シミュレーション的な小細工の必要はなかったからだ。