2022/23 セリエA第24節が行われ、ホームにトリノを迎えたユベントスは2度のリードを許すもブレメル選手のゴールで逆転に成功して 4-2 で勝利しました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus FC [3-5-1-1] |
Torino FC [3-4-2-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 32: ミリンコヴィッチ |
DF | 6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
26: ジジ 3: スクールス 4: ボンジョルノ |
MF | 11: クアドラード 44: ファジョーリ 45: バッレネチェア 25: ラビオ 17: コスティッチ |
17: シンゴ 77: リネティ 8: イリッチ 13: R・ロドリゲス (C) 59: ミランチュク 7: カラモウ |
FW | 22: ディ・マリア 9: ヴラホヴィッチ |
9: サナブリア |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-1-1 を選択。出場停止のロカテッリ選手の代役にバッレネチェア選手を抜擢し、前線はディ・マリア選手とヴラホヴィッチ選手の2トップでダービー戦に臨みます。
対するトリノのユリッチ監督は 3-4-2-1 を選択。サナブリア選手を1トップに配置し、2列目にはミランチュク選手とカラモウ選手を起用する予想された布陣で大一番を迎えます。
先行したのはトリノ。2分に右 CK からゴール前でシンゴがヘディングで競り合ったボールがファーサイドで待つカラモウへと渡る。これをカラモウがトラップから右足を振り抜き、トリノが先手を取る。
対するユベントスは16分に左サイドに陣取ったディ・マリアが縦パスを供給。縦に仕掛けたコスティッチが折り返したボールは逆サイドにまで流れたがクアドラードが豪快に蹴り込んで 1-1 の同点に追い付く。
だが、トリノは前半終了間際の43分にイリッチが左サイドからグラウンダーのクロスを入れると走り込んだサナブリアが右足アウトサイドで合わせてゴール左下にシュートを決め、再び1点のリードを手にする。
しかし、ユベントスも前半アディショナルタイムにディ・マリアが入れた左 CK をゴール中央でダニーロがヘディングシュート。これが右ポストに当たってゴールに吸い込まれ、2-2 の振り出しに戻して前半を折り返す。
後半で先に決定機を手にしたのはユベントス。49分にA・サンドロのロングフィードをヴラホヴィッチが左サイドに展開すると回収したファジョーリが持ち上がってリターンのクロス。だが、ヴラホヴィッチのシュートはクロスバーを叩いてしまう。
一方のトリノも67分にA・サンドロからの縦パスをカットしたリネティがミランチュクとのワンツーから決定機を手にしたが、こちらもシュートはクロスバーに嫌われてしまう。
勝利を欲するユベントスは69分にポグバとキエーザを投入すると、直後の71分に右 CK からキエーザが入れたクロスにブレメルがヘディングで合わせて 3-2 と逆転に成功する。
ユベントスは80分に左サイドで FK を獲得するとコスティッチが GK と DF ラインの間にクロスを供給。これを最後は走り込んだラビオが押し込み、4-2 とリードを2点に広げて試合終盤を迎える。
意地を見せたいトリノだったが、残された時間でユベントス守備陣を脅かすことはできずに試合終了のホイッスル。後半の2得点で突き放したユベントスがダービー戦を制して勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
失点は防ぎようがなかったがそれ以外の場面では守護神としてチームに貢献していた。
DF: ダニーロ 7.0
前半アディショナルタイムに値千金の同点ゴールを決め、挫けそうになっていたチームに活力を与える。攻守両面において頼もしいキャプテンだった。
DF: ブレメル 6.5
先制点を許した場面でシンゴに易々とヘディングシュートを打たれたことは反省点。サナブリアによる2点目は相手が上手かった。それでもセットプレーで “お返し” をしたことによる貢献度は高かった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
リネティにインターセプトを許した67分のプレーは肝を冷やした。だが、危なかったのはその場面のみ。試合全体としては信頼できる安定した選手だった。
WB: クアドラード 6.0
流れたクロスを逆サイドから押し込む勝負強さを発揮。その一方でトリノの左サイドからの攻撃への対応には苦労していた。
MF: ファジョーリ 6.5
コンスタントなプレー機会で成長が促進される良いスパイラルを描いている。肉弾戦が想定されたダービー戦でも消されずにチームに貢献していたことは大きい。
MF: バッレネチェア 6.0
抜擢に対して気後れすることなく初先発を飾る。シンプルなプレーを心がけ、ラドニッチのドリブル突破を防ぐなど一定の役割を担えるとアピールできた部分が収穫だった。
MF: ラビオ 7.0
若手2人の組んだ中盤をケアしつつ、ゴール前に侵入してクロスに合わせようとする高い献身性を発揮。試合の行方を決定付けるチーム4点目を奪取するなど大きな存在感を発揮した。
WB: コスティッチ 7.5
シンゴの背後にあるスペースを突くなど縦への突破でチームに推進力をもたらすと共に得意のクロスから2得点を演出。ダービー戦で真価を見せ付けた。
FW: ディ・マリア 6.5
持ち前のチャンスメイクでチームメイトをお膳立て。要所で攻撃にアクセントを加えていた。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
後半開始直後の決定機がクロスバーに阻まれてしまったことが悔やまれる。スクールスなどによるマークに苦しみ、持ち味を発揮できなかったことは事実だ。
【交代選手など】
WB: デ・シリオ 6.0
68分にクアドラードとの交代で出場。期待された役割を堅実に遂行した。
MF: ポグバ 6.0
バッレネチェアに代わって69分から出場し、ユベントス復帰後の公式戦初出場を記録する。当面は交代出場になるだろう。コンディションを上げつつチームに恩返しができるかが注目点だ。
FW: キエーザ 6.5
69分にディ・マリアとの交代で出場する。ブレメルの逆転ゴールをアシストしたことで気分は上々だろう。高いモチベーションは喜ばしいが、疲労の蓄積による離脱回数が減るようケアにも気を配って欲しい。
FW: ケーン ー
86分にヴラホヴィッチに代わって出場機会を得る。
DF: ボヌッチ ー
90分にブレメルとの交代で出場。
アッレグリ監督 6.5
2度のリードを許す苦しい前半だったが同点に追い付いて折り返せたことが大きかった。ハーフタイムでチームに積極的な姿勢を思い起こさせ、攻撃的な交代カードで勝負に出て勝利という結果を持ち帰れたことは大事な試合が続く3月の5試合に向けた弾みとなるだろう。
キッフィ主審 6.5
2つのテクノロジーを活用し、荒れてもおかしくないダービー戦を上手く対処していた。主役の座に躍り出ることはなく、試合を円滑に遂行していたことがプラス。