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親会社 Exor のエルカン会長からユベントスに「人件費7000万ユーロ削減」の勅命が下される?

 ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、ユベントスが親会社 Exor のエルカン会長から「人件費7000万ユーロの削減」を命じられたとのことです。

 このニュースは「マロッタ GM 時代の決算書と今の決算書を比較したことがあるか」で印象が変わってくるでしょう。

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人件費はマロッタGM時代より7000万ユーロの増加

 ユベントスが発表している決算書の事業費を「人件費」と「その他」に分割してグラフ化すると以下のようになります。

 パラティチ CFO 時代の 2018/19 シーズン以降は年間の人件費が3億1000万ユーロほど。

 この水準から人件費を7000万ユーロ削減すると『マロッタ GM 時代の水準』である2億3500万ユーロ前後に “戻る” のです。したがって、マロッタ GM 時代の決算書を知っていれば衝撃的なニュースとはならないでしょう。

 

“実質的なサラリーキャップ” の導入が有力

 「人件費の削減」が厳命されたのであれば、中長期的には『サラリーキャップの導入』が敢行されるはずです。その基準は下表のものがベースになるでしょう。

表: ユベントスが設けるべきサラリーキャップ
Rk 役割 年齢要件 年俸上限
S バンデイラ
(= チームの顔)
26〜30歳 €5m +
A 各ポジションのリーダー
(GK, DF, MF, FW に1人ずつ)
€5m
B レギュラー格 €4m
C トップチームの必要戦力 €2.5m
Y 若手有望株 U-23 €1m

 現所属選手で『サラリーキャップ』との費用対効果が見合っている選手は評価が高いはずです。(ダニーロ選手やロカテッリ選手が代表例)

 その一方で『サラリーキャップ』の水準を超過している選手への風当たりは強くなることは避けられません。これは「上述した『サラリーキャップ』を厳格に適用してもユベントスの予算額がセリエAでトップ」となるからです。

  • チーム総年俸(※ 税抜き):€100m
    1. €5m +
    2. €5m x 4 = €20m
    3. €4m x 10 = €40m
    4. €2.5m x 10 = €25m
    5. €1m x 5 = €5m

 税込でもトップチームの人件費は2億ユーロ弱に留めることが可能なのです。“費用対効果が優れない高給取りの選手” が立場的に苦しくなることは避けられないと考えられます。

 

始まりの合図は「ベテラン選手の契約満了での退団」

 ただ、サラリーキャップを導入するには「選手と契約合意に至ること」が必要であり、サラリーキャップ導入の効果が会計に現れるまでには時間を要します。

 したがって、まずは「今夏や来夏で現行契約が満了する選手の退団」が起きることでしょう。契約満了を迎える選手のほとんどがサラリーキャップを超過する年俸水準だからです。

表: ユベントス所属選手の推定年俸と契約期間
22/23 23/24 24/25
監督 Allegri €7m €7m €7m
合計 €7m €7m €7m
WB Cuadrado (34) €5m Ake / Barbieri
DF A.Sandro (31) €6m Pellegrini / Cambiaso
MF Rabiot (27) €7m Fagioli
MF Paredes (28) €5m Rovella / Nicolussi
FW Di Maria (34) €7m Soule
FW Milik (28) €3.5m (€3.5m)
合計 €33.5m
GK Szczesny (32) €6.5m €6.5m Perin
CB Bonucci (35) €6.5m €6.5m
DF Danilo (30) €5m €5m
CB Rugani (27) €3.5m €3.5m Huijsen
MF Rovella (20) (Mon)
合計 €21.5m €21.5m

 現行水準以上の延長オファーを受け取ると思われるのはミリク、ダニーロ、ロヴェッラの3選手。その他の選手は「年俸ダウン」か「契約満了での退団」のどちらかを迫られることになるでしょう。

 

 「予算の使い方があまりに下手だった」と決算資料で示されているのです。親会社から「是正」を命じられるのは当然ですし、財政難とは少し事情が異なるとの見方で十分だと思われます。