2022/23 セリエA第19節が行われ、ホームにアタランタを迎えたユベントスは両チームが点を取り合うシーソーゲームの末、3-3 の引き分けで終了しました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-1-1] |
Atalanta BC [3-4-2-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ムッソ |
DF | 6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
2: トロイ (C) 6: パロミノ 42: スカルヴィーニ |
MF | 8: マッケニー 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
33: ハテブール 15: デ・ローン 13: エデルソン 3: メーレ |
FW | 22: ディ・マリア 14: ミリク |
11: ルックマン 10: ボガ 17: ホイルンド |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-1-1 を選択。マッケニー選手が右 WB で先発し、コンディションが不安視されたラビオ選手もスタメンに名を連ね、前節ナポリ戦とほぼ同じ先発メンバーで試合に臨みます。
対するアタランタのガスペリーニ監督は 3-4-2-1 を選択。こちらはホイルンド選手を1トップに配置し、ルックマン選手とボガ選手が2列目に入る予想された攻撃的な布陣で試合を迎えます。
先行したのはアタランタ。4分に縦パスを受けたボガがドリブルで前進して右サイドにスルーパス。これを受けたルックマンがシュチェスニーのブロックを弾き飛ばす強烈なシュートでニアを射抜き、先制に成功する。
対するユベントスは22分にディ・マリアの縦パスを起点に波状攻撃を仕掛けると2次攻撃を仕掛けたファジョーリが倒されて PK を獲得。これをディ・マリアがゴール右に決め、1-1 の同点に追い付く。
流れを取り戻したユベントスは34分にラビオのボール奪取からカウンター返しを発動させると、ディ・マリアとのコンビで右サイドを突破したファジョーリのクロスにミリクが右足で合わせ、2-1 と逆転に成功する。
逆転にして前半を折り返したユベントスだったが、後半の入りに失敗してしまう。
アタランタは46分に左サイドのスカルヴィーニの縦パスが引っかかってボールロストをしてしまうが、ダニーロからの縦パスをスカルヴィーニ自身がインターセプトをしてボール奪還に成功。ルックマンからのスルーパスに反応したメーレが決めて、スコアは 2-2 の振り出しに戻る。
気落ちしたユベントスを尻目にアタランタは53分に左サイドのスペースでボールを引き出したボガがダニーロのマークを外してクロス。これを中央でルックマンが高い打点で合わせて 2-3 と再びリードを奪う。
対するユベントスは65分にゴール正面やや左で FK を獲得するとディ・マリアがフリックでリスタート。これに反応したダニーロが低い弾道のミドルシュートをゴール左下に決め、3-3 の同点に追い付く。
3度目の勝ち越しを狙うアタランタは73分にトロイのロングシュートが枠を捕らえたが、これは GK シュチェスニーが横っ飛びセーブ。一方のユベントスは79分にケーンの突破からミレッティが狙ったものの GK ムッソがストップ。
結局、両チームともに4点目を奪うことができずに試合終了のホイッスル。試合は 3-3 で終了し、両チームが勝点1を分け合った。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.0
立ち上がりの1失点目は明らかにミスだった。立ち上がりにチームを出鼻を挫いたプレーは残念だった。
DF: ダニーロ 6.0
後半の立ち上がりに縦パスを引っ掛けられて同点に追い付かれたことはマイナス。ただ、値千金の同点ゴールを決めるなど思わぬ苦境に立たされたチームをプレーで鼓舞した貢献は計り知れない。
DF: ブレメル 6.5
前節での反省を活かし、3バックの中央で安定感のあるプレーを披露。ナポリ戦での教訓をシーズン後半戦で活かせるかが注目点だ。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
機動力のあるルックマンとのマッチアップに苦戦。逆転ゴールを許した場面では相手を見失うなど守備に回った際の限界が露呈していた。
WB: マッケニー 5.5
上位勢を相手にするとポジショニングやデュエルの細かい部分での差で劣勢に立たされてしまっている。急造の WB のため止むを得ないが歯がゆいことは否めない。
MF: ファジョーリ 6.5
PK を獲得したペナルティーエリアへの侵入やミリクへのお膳立てなど自信を持ったプレーを継続していることがプラス。フィジカルの強いアタランタを相手にしても持ち味が消えなかったことは大きい。
MF: ロカテッリ 6.0
レジスタとして中盤に秩序をもたらす。持ち場を大きく離れていた相手 CB のインターセプトから失点を喫した後半開始直後の場面での指示が的確だったのかは見直す必要のあるポジションだ。
MF: ラビオ 6.0
中盤で期待されたクオリティーのプレーを90分に渡って披露し、コンディションの不安を一掃した。
WB: コスティッチ 5.5
ハテブールの背後を起点にしたチャンスメイクが期待されたが持ち味を発揮できず。消耗戦の状態で試合から消えてしまっていた。
FW: ディ・マリア 7.0
中盤からボールを引き出し、ファイナルサードでは攻撃に変化を加えるなどチームの攻撃を牽引。期待されたクオリティーをピッチ上で体現していた。
FW: ミリク 6.5
マンツーマンで張り付くアタランタの CB 陣とのバトルを展開しながら攻撃時には深さを生み出すことでチームに貢献。勝ち越しとなるチーム2点目を決める勝負強さも示した。
【交代選手など】
FW: キエーザ 6.0
61分にコスティッチとの交代で出場。左サイドを制圧することを期待されたがモンツァ戦ほど強烈な存在感を発揮するまでには至らなかった。
MF: ミレッティ 5.5
74分にディ・マリアとの交代で出場機会を得る。大きな存在感を発揮していたディ・マリアと比較すると苦戦していることは否めず。それでも開花の時期を辛抱強く待つべきだろう。
FW: ケーン 6.0
ミリクに代わって74分から出場。スピードで縦方向の深みを出すことに注力し、ボールチェイスからチャンスを作るなどチームのために汗を流した。
WB: クアドラード ー
81分にファジョーリとの交代で久しぶりの出場を果たす。右 WB を本職とする選手が不在だっただけに選手層に厚みをもたらしてくれることが期待される。
アッレグリ監督 6.0
劣勢でも諦めずに同点に追い付いて勝点1を持ち帰ったことは評価されるべきだろう。ただ、前後半にそれぞれベテラン選手のミスで1失点ずつした現実は直視して反省しなければならない。シーズン後半戦を良い状態で戦い抜くことが期待されている。
マリネッリ主審 5.5
ユベントスが PK を得た22分の判定は的確だったが、ミリクがトロイに踏み付けられたプレーに対する判定には疑問符が付くと思われる。良い判定とは言い難いレフリングだった。