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トリノ検察庁、キャピタルゲイン問題に関連するユベントスへの新たな捜査を開始

 ラ・スタンパ』によりますと、ユベントスの粉飾決算問題を捜査しているトリノ検察庁が “オペレーション・プリズマ” に関連する新たな捜査を開始したとのことです。容疑は「負債への計上漏れ」と報じられています。

画像:会計不正問題が尾を引くユベントス
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 ユベントスはパラティーチ CFO 時代に拡大路線を進め、多額の赤字を計上していました。

 ただ、赤字を計上したままでは UEFA の FFP (Financial Fair Play) に抵触してしまいます。これを回避するためには収益を改善する必要があるのですが、その際に用いた手法が「キャピタルゲインによる水増し」と疑われて捜査が現在進行形で行われている状況です。

 

 ラ・スタンパが報じた「新たな捜査」は上述した “オペレーション・プリズマ” とは別件です。具体的には「選手や監督・コーチ陣と合意した給与削減の会計処理はどうした?」という疑惑です。

 ユベントスは2020年3月末に「コロナ禍によるリーグ中断で収入がストップしたことを理由に選手や監督・コーチ陣と給与カットで合意」したと発表しています。

 ただ、「リーグ戦が再開された際は給与を支払う」との “但し書き” があり、これが新たな捜査を招く要因になりました。なぜなら、場合によっては会計操作をしていることになるからです。

  • 2020年4月〜6月分の給与は選手や監督・コーチ陣に支払われたのか?
    1. 対象者が「給与放棄」を選択 → 決算書への記述は不要
    2. 給与は支払われている → 決算書への記述は必須
      • 支払われた給与額は?
      • 支払い時期は?

 簡単に言うと、当時のサッリ監督や選手たちが「該当期間の給与放棄」を選択していれば当局の捜査はすぐに終結します。しかし、カンピオナートは打ち切りにならなかったのですから、給与は遅れて支払われていることでしょう。

 その場合は「該当の給与が支払われたシーズンに『(事業費の中の)賃金』として計上」するか「支払いが完了するまで各決算ごとに『負債』として計上」するかのどちらが採られているはずです。

 しかし、決算書を当局がチェックした限りでは確証が得られなかったのでしょう。それにより、新たな捜査が行われることになったと考えられます。

 

 ユベントスとしては「当該期間の給与に関しては合意に基づく支払いが行われ、また適切に決算書に計上されている」と当局に “説明” すれば済むことです。後ろめたいことがないなら、影響は限定的なものとなるでしょう。