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コラム: アッレグリ監督によるチーム作り、負傷者の関係で修正を余儀なくされる 【2021年12月時点】

 11月中旬に「アッレグリ監督によるチーム作りの現状」を記事として掲載しましたが、それが半月も経たない内に方向転換を強いられることとなりました。その原因は「負傷離脱した選手の存在」ですから流動的な状況は続くことになるでしょう。

画像:指示を出すアッレグリ監督
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■ 2021年11月時点での構想

 得点力不足に悩むユベントスのアッレグリ監督が2021年11月時点で計画していたのは「ディバラ選手を『9番』として最前線に配置する布陣」でした。

画像:ユベントスの攻撃時の布陣(2021年11月時点)

 それを前提とし、攻撃時に各ポジションの役割は以下のように割り当てられていたと予想されます。

役割
ディバラ 最前線(かつゴール正面)で決定機を仕留める仕事がメイン
CF 決定機に顔を出す仕事はディバラに譲り、左 WG として「チャンスメイク」や「決定機の演出」に重きを置く
右 OMF 右サイドの大外レーンがスタートポジション。「縦への突破」を相手に意識させ、サイド攻撃の起点となる
左 OMF 攻撃時には中央に絞り、左インサイドハーフとしての仕事を遂行する

 しかし、この計画は程なく破綻しました。理由は「右サイドのアタッキングハーフが不在となったから」です。デ・シリオ選手とダニーロ選手が負傷離脱したため、クアドラード選手は右 SB に下げざるを得ず、キエーザ選手も年明けまで起用不可です。

 この事情が続くのですから、計画の変更は止むを得ないと言えるでしょう。

 

■ 2021年12月時点での新構想

 新たな構想がお目見えとなったのは11月30日に行われたセリエA第15節サレルニターナ戦です。攻撃時の配置は下図のように変更されていました。

画像:ユベントスの攻撃時の布陣(2021年12月時点)

 攻撃の中心はディバラ選手ですが、役割が変更されています。

役割
ディバラ 最前線(かつゴール正面)で得点が求められる9番
ポジションの制約がないトップ下
CF 左サイドを主戦場とするウィンガー
最前線でのポストプレーが期待される9番[
右 OMF 右サイドの大外レーンをスタートポジションにする『縦への突破力』が持ち味のウィンガー
相手 CB と SB の間を狙えて、縦パスを収められるフィジカルもある選手
左 OMF 左インサイドハーフとしての仕事を遂行できる中盤の選手
相手 CB と SB の間を狙えて、縦パスを収められるフィジカルもある選手

 CF と中央に絞らせた両サイドのアタッキングハーフに相手 DF ラインを “ピン止め” し、トップ下のディバラ選手に「時間」と「空間」を与えることで得点力を向上させる目的が見て取れます。

 ロカテッリ選手などのボランチが相手の中盤を引きつけることで「中央の空間」は生まれやすくなるため、アメフトでいう “ポケット” を作ろうとしているのでしょう。

 サイド攻撃に欠かせないキエーザ選手などの復帰時期は「早くても年明け1月」です。したがって、4-2-3-1 をベースにした攻撃を成熟させようとする動きは現実的と評されるはずです。

 

■ アルトゥールの起用方法が見えて来ない

 今回のシステム変更で出場機会を伸ばすのはクルゼフスキ選手でしょう。ライバルが負傷離脱中との追い風もありますが、相手チームの SB とフィジカル勝負に持ち込めるポジションでの起用がプラスに作用すると考えられるからです。

 一方で忘れられた存在となっているのがアルトゥール選手です。

 ダブルボランチはビルドアップ時に「CB のラインにまで下がって3バックを構成」して相手のプレスを回避するボールの動かし方(や運び方)をしているため、ある程度の守備力がないとアッレグリ監督は起用を躊躇うと思われます。

 アルトゥール選手の特長を考えると「トップ下に配置して相手守備陣のライン間でボールを引き出して得意のテクニックで攻撃に変化を付ける」も選択肢になるはずですが、『ディバラ選手を中心としてチーム作り』に勤しむアッレグリ監督の下ではチャンスが巡って来るかは微妙です。

 カイオ・ジョルジ選手のトップ下としての適性を評価しているなら別ですが、そうでないなら “負傷しがちなディバラ選手” の代役1番手としてアルトゥール選手のテストはしておくべきでしょう。

 

 内容の伴った結果を残し、攻撃時の骨格を作ることができるのかに注目です。