ユベントスは公式サイト上で取締役およびクラブオフィスが『決算資料の虚偽記載など』を理由にトリノ裁判所の検察官による家宅捜索を受けたと発表いたしました。クラブは「法に基づき適切に対処したと信じている」と表明しています。

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ユベントスの嫌疑は「決算資料への虚偽記載」です。具体的には「収支報告書の『選手登録権益』の数値に虚偽がある」というものです。
ユベントスは『交換トレード』で『選手登録権益』を “水増し” した容疑がかけられており、株式会社であることから(決算書を承認した)取締役の責任も問われているのです。
虚偽記載が疑われているのは「2018/19 シーズンから 2020/21 シーズンまでの3シーズン分」です。
パラティーチ CFO が実権を握った時期から疑いの目が向けられており、『拡大路線』を進めていた原動力が「粉飾決済」というシナリオも現時点では捨て切れないでしょう。
ちなみに、その頃にユベントスが行なった主な交換トレードは下表のとおりです。
年 | シーズン | 放出した選手 | 獲得した選手 |
---|---|---|---|
'17 夏 | 2017/18 | ロマーニャ 【760万ユーロ】 |
デル・ファブロ 【450万ユーロ】 |
'18 夏 | 2018/19 | カルダーラ 【3500万ユーロ】 |
ボヌッチ 【3500万ユーロ】 |
'19 夏 | スピナッツォーラ 【2950万ユーロ】 |
ペッレグリーニ 【2200万ユーロ】 |
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2019/20 | カンセロ 【6500万ユーロ】 |
ダニーロ 【3700万ユーロ】 |
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'19 冬 | M・ペレイラ 【OP: 800万ユーロ】 |
A・マルケス 【820万ユーロ】 |
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'20 夏 | ピアニッチ 【6000万ユーロ】 |
アルトゥール 【7200万ユーロ】 |
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P・モレノ 【1000万ユーロ】 |
F・コレイア 【1050万ユーロ】 |
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'21 冬 | 2020/21 | トンギャ 【800万ユーロ】 |
M・アケ 【800万ユーロ】 |
ポルタノーバ 【1000万ユーロ】 |
ロベッラ 【1800万ユーロ】 |
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ペトレッリ 【800万ユーロ】 |
シントトロイデンからボローニャに加入した冨安選手の移籍金が「800万ユーロ前後」でしたから、評価額が高すぎると見なされることは止むを得ません。
“20歳前後でセリエAのクラブに即戦力と見なされたイタリア初挑戦の選手” に付いた値段が「800万ユーロ前後」なのです。3部に該当するセリエCを戦うBチームの選手にその価格が付くことは疑われる理由になるでしょう。
ユベントスは「法に基づき適切に処理を行ったと信じている」との見解を出していますが、どのような結末を迎えるのかに注目です。