アッレグリ監督が復帰したユベントスですが、チーム作りは「道半ば」の状況にあります。2021年11月時点で採用されているシステムとチーム内の序列を整理することにしましょう。
守備時の基本形は 4-4-2 で攻撃時は 4-3-3 で得点力アップを狙っている状況
最適な組み合わせを模索中のアッレグリ監督ですが、「得点力アップを念頭に前線 FW 陣の配置に修正を加えていること」がシーズン序盤からの変更点になっています。
大きな違いはディバラ選手の仕事内容でしょう。
ディバラ選手は「右サイドのライン際」に流れる “悪癖” がありますが、中央(や右ハーフスペース)に留まらせてフィニッシャーとして貢献させようとしています。この配置が機能するかでチームの得点力が変わって来るはずです。
「左 WG を兼任する CF」と「偽9番のディバラ」との役割分担が鍵
ディバラ選手を “ファイナルサードでは” 基本的に中央で陣取らせることで右サイドの目詰まりは解消へと向かうことが期待されます。それによりキエーザ選手やクアドラード選手の縦への突破力を活かせるのですから悪くはないでしょう。
一方で「ディバラ選手と2トップを組む CF は左 WG としての攻撃タスクの比重が増える」ことになります。
- これまで
- ゴール正面での “フィニッシャー” としての仕事がメイン
- これから
- 左サイドに陣取って幅を取ることがスタートポジション
- 縦に突破してからのクロス
- 中央にカットインしてシュート
- 右サイドからのクロスに合わせる斜めの動き
- フィニッシャーとして働く選手(≒ディバラなど)へのお膳立てがより求められる
- 左サイドに陣取って幅を取ることがスタートポジション
キエーザ選手をできるだけゴール近くに配置して(守備面での消耗度を最小限にして)得点に直結する仕事をさせたいことを考えると、『左 WG を兼任する CF』にはキエーザ選手も候補になり得ると思われます。
アルトゥールやクルゼフスキの適性ポジションを見極められるか
「得点力アップ」の課題と並行して取り組む必要があるのは「アルトゥール選手やクルゼフスキ選手を戦力として組み込むことができるか」です。
両選手は若手有望株に分類されるため、戦力として組み込めないなら「換金」した方が合理的です。その方が選手は出場機会を、クラブは移籍金を手にすることができるからです。
アルトゥール選手は「(ロカテッリ選手を休ませる)控えレジスタ」の使われ方をしていますが、左インサイドハーフとして計算できるなら『ラビオ選手のタスク』を担わせることも選択肢です。
密集を苦にしないボールタッチは “ライン間” で味方からの縦パスを引き出せる要素ですし、この能力を上手く活用できるかがアッレグリ監督の課題の1つとなるでしょう。
同様に「クルゼフスキ選手をどう活かすのか」もテーマです。スピードを活かした突破力を武器にするタイプではないため、サイドライン近くではなく中央付近で体躯を活かしたプレーによる貢献を期待したい選手です。
ただ、周囲の選手との連携が成熟し切っていないことから「燻っている」との印象を抱かれるのは止むを得ないでしょう。
アッレグリ監督がチームを上手く上昇気流に乗せることができるのかに注目です。