2020/21 セリエA第34節ウディネーゼ戦は1点を先制されるも、試合終盤のロナウド選手のドッピエッタで 1-2 の逆転勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Udinese Calcio [3-5-2] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 96: スクフェット | 1: シュチェスニー |
DF | 50: ベカン 14: ボニファツィ 17: ナイティンク |
13: ダニーロ 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: A・サンドロ |
MF | 16: モリーナ 10: デ・パウル 11: ワラセ 22: アルスラン 19: ラーセン |
16: クアドラード 30: ベンタンクール 14: マッケニー 33: ベルナルデスキ |
FW | 7: オカカ 37: R・ペレイラ |
10: ディバラ 7: ロナウド |
ウディネーゼのゴッティ監督は 3-5-1-1 を選択。オカカ選手を1トップにR・ペレイラ選手が2列目でサポート。中盤ではデ・パウル選手が舵取りを担う予想された布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。ベルナルデスキ選手が久しぶりの先発を果たし、4-2-3-1 が基本形となる選手の配置で試合に臨みます。
立ち上がりにペースを握ったのはウディネーゼ。6分に持ち上がったラーセンがR・ペレイラを囮で使ってミドルシュート。しかし、シュチェスニーの正面で難なく処理されてしまう。
それでも10分にウディネーゼはマッケニーに倒されたデ・パウルが試合を素早くリスタート。右サイドでフリーだったモリーナが縦に抜け出してから強烈な右足シュートを決め、ウディネーゼが1点を先行する。
ウディネーゼの守備陣に手を焼くユベントスは27分に右 CK からマッケニーがダイビングヘッドもシュートは枠のわずかに左。
34分にはベンタンクールの縦パスを受けたディバラが右足で狙うが、DF に当たってコースが変わったシュートはスクフェットがキャッチしてゴールとはならず。結局、前半は 1-0 とウディネーゼがリードを保って折り返すこととなる。
ハーフタイムで気合を入れ直して前線からのプレッシングに積極的になったユベントスだが、相手 GK スクフェットを脅かすまでには至らない。逆にウディネーゼは52分にオカカのキープから最後はアルスランが狙うなど追加点の雰囲気を漂わせる。
ただ、試合は動かずに残り10分となった80分にユベントスはクアドラードが右サイドを突破し、中央にクロス。これをクルゼフスキが狙うも、シュートは相手 DF のブロックに阻まれてしまう。
それでも直後の81分にクアドラードがゴール正面で倒されると、直接狙ったロナウドの FK を壁に入ったデ・パウルが左肘に当てたことをユベントスは PK を奪取。この PK をロナウドがゴール左に決め、ユベントスが同点に追い付く。
勢いを取り戻したユベントスは89分に左サイドを突破したラビオからのクロスを逆サイドで走り込んだロナウドが頭で合わせて逆転に成功。この後は約6分のアディショナルタイムを守り切り、終盤の2得点で勝点3を持ち帰ることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
失点を防ぐのは無理だろう。奇襲された挙句に強烈な枠内シュートを放たれても防いでくれる GK がいるなら、守備陣の中で最高給を与えた方が良い。
DF: ダニーロ 6.0
右 SB をスタートポジションに『偽ボランチ』としてマルチロールを担っていたが、攻撃面で効いていたとは言えず。低調と評すべき内容だった。
DF: デ・リフト 5.5
ラーセンやアルスランがユベントスから見た右サイドから頻繁に侵入して決定機を手にしており、守備が機能していたとは言い難い。この後の3連戦に不安を残すパフォーマンスだった。
DF: ボヌッチ 5.0
味方に文句を言う暇があるなら、デュエルでオカカと互角に渡り合う必要がある。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
どちらかと言えば不得手である『CB 兼 SB』の役割を担う時間が多かったが、顔を出したどのポジションでも効果的だった。(ピルロは信用していないが)中盤を任せる場合の適任者だ。
MF: クアドラード 6.0
古巣との対戦でやや気負いがったのは否めない。ただ、持ち味は存分に発揮し、勝点を呼び込むための推進力は最後まで衰えなかったことは評価されるべきだろう。
MF: ベンタンクール 6.0
中盤での守備タスクを実質的に1人で担い、機を見てディバラなど前線の攻撃陣に縦パスを入れるなど必死に働き続けた。孤軍奮闘だった。
MF: マッケニー 5.0
27分のダイビングヘッドが決まっていれば、攻守に乗った好プレーを見せてくれていただろうか。今日の試合ではボールハンティングも期待されていたはずだが、その部分での存在感は見当たらなかった。
MF: ベルナルデスキ 5.0
先発に抜擢された理由や60分過ぎまでプレー時間が与えられた理由を示すパフォーマンスを見せることはできなかった。渋滞の発生源と化していれば、攻撃が停滞するのは当たり前だろう。
FW: ディバラ 5.5
セカンドトップ的なポジションで中盤からボールを引き出し、自らも積極的にシュートを担うなど持ち味を発揮するプレーを見せれていた。ただ、ピルロの志向スタイルと合致している様子はない。それがすべてだった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
自らの評価が毀損され続けることに終止符を打つドッピエッタだった。この試合での解任を免れたピルロも安堵していることだろう。来週の3連戦でも真価を発揮してくれることが期待される。
【交代選手など】
MF: クルゼフスキ 6.0
59分にベルナルデスキとの交代で出場。役割をそのまま引き継ぎ、F・コレイアが投入された後は右サイドに主戦場を移す。上手く試合に入り、要所要所に顔を出していた。
FW: モラタ 5.5
ディバラとの交代で66分から出場。中央のスペースが徹底して消されていたことで大仕事をするまでには至らなかった。
MF: ラビオ 6.5
マッケニーに代わり、84分から出場する。ウディネーゼが若干ガス欠気味だったこともあり、持ち前のフィジカルと推進力で中盤に活力を与える。試合終了間際も持ち上がりからピンポイントのクロスを供給し、逆転勝利に大きく貢献した。
FW: フェリックス・コレイア ー
84分にダニーロに代わって出場機会を得る。Bチームで主戦場とする左ウィングの位置に入り、冷静なプレーを披露。フィジカルが未完成であることを感じさせる場面もあったので、ここが宿題と言えるだろう。
ピルロ監督 6.0
勝点3を持ち帰るという結果は合格に値するが試合内容は落第。どちらを重視するかで合格点に達したかが判断されているだろう。ウディネーゼのフィニッシュ精度の低さに救われたこともあり、不安が残ったことも事実である。
キッフィ主審 6.0
フィジカルバトルを容認したことはウディネーゼにとって有利だったが、ファールの判定などでは微妙な部分があったことは事実。デ・パウルのハンドは誤魔化しようがない意図的なものであり、審判団としては及第点の出来だった。