ユベントスが本拠地アリアンツ・スタジアムの駐車場を「新型コロナウイルスのドライブスルー検査場」として提供を開始していましたので紹介いたします。トリノの都心部から少し離れた立地であることが要因と言えるでしょう。
1日あたり3万人強の陽性反応者が確認されているイタリアですが、ユベントスの本拠地トリノがあるピエモンテ州は「イタリアの全人口の 7.2%」で「新型コロナ陽性反応者の 10% 強」を記録する状態が続いています。
そのため、隣接するロンバルディア州と共に『レッドゾーン』に指定されているのは妥当と言えるでしょう。ただ、医療リソースは有限であるため、検査は中等症以上の患者にできるだけ振り分けたい事情があります。
だから、「初期の振り分け」を行う狙いで『ドライブスルー検査場』を設置することになったのでしょう。
なぜ、アリアンツ・スタジアムなのかと言いますと、車移動での交通の便が良いからです。
アリアンツ・スタジアムのあるコンティナッサ地区はトリノ中心部から北西に少し離れている上、近くには高速のインターチェンジがあるなど(車両での)アクセス性は悪くありません。また、駐車場というスペースがあり、無観客試合で使う目処もない状況です。
そのため、ユベントスは「駐車場を使う分には全く問題はない」との姿勢を採ることが可能です。しかも、『パラトリノの跡地』を取得する上で(土地の保有権を持つ)トリノ市にも恩を売れるのですから、一石二鳥と言えるでしょう。
ちなみに運用は現地13日(金)から予約者を対象にした検査が8時から14時まで行われ、問題がなければレーンが増設されて時間も終日に変更される予定が立てられています。
スタジアム建設では「公共交通機関のアクセスが良い都心部」を日本サッカー協会(や一部のファン)は強くプッシュしていますが、立地が思わぬ形で貢献することもあります。
都市部に建設できない条件を逆手にとる意味があることを知っておいて損はないと思われます。