グループGの注目の一戦となった 2020/21 UEFA チャンピオンズリーグ第2節バルセロナ戦はデンベレ選手とメッシ選手のゴールでバルセロナが 0-2 の勝利を手にしました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
FC Barcelona [4-2-3-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 13: ネト |
DF | 16: クアドラード 28: デミラル 19: ボヌッチ 13: ダニーロ |
20: セルジ・ロベルト 4: アラウホ 15: ラングレ 18: ジョルディ・アルバ |
MF | 30: ベンタンクール 25: ラビオ 44: クルゼフスキ 10: ディバラ 22: キエーザ |
8: ピアニッチ 21: デ・ヨング 11: デンベレ 7: グリーズマン 16: ペドリ |
FW | 9: モラタ | 10: メッシ |
ユベントスのピルロ監督は 4-2-3-1 を選択。ボヌッチ選手が最終ラインで先発し、2列目には右からクルゼフスキ、ディバラ、キエーザの3選手が並ぶ布陣で試合に臨みます。
対するバルセロナのクーマン監督も 4-2-3-1 を選択。クラシコ直後ということもあり、ピアニッチ、デンベレ、グリーズマンに先発の機会を与えて試合を迎えます。
試合は立ち上がりの2分にバルセロナのピアニッチが強烈なミドルシュート。シュチェスニーがセーブしたこぼれ球をバルサが拾い、グリーズマンが狙うも左ポストを叩く展開で始まる。
ユベントスのプレスが期待したほど機能しない中、試合は14分に動く。バルセロナはメッシがサイドチェンジをすると、受けたデンベレがカットインしてシュート。これがキエーザの足に当たってロブショットとなりゴールイン。バルセロナが先制する。
対するユベントスは16分に DF ラインを抜け出したモラタがゴールネットを揺らすがオフサイド。30分にはクアドラードのクロスにモラタがスライディングで合わせたが、これもオフサイド。
バルセロナは35分にメッシへの縦パスからデンベレとグリーズマンに決定機が訪れたが、これはシュチェスニーが果敢な飛び出しでゴールを死守。前半は 0-1 とバルセロナが1点のリードで折り返す。
ポゼッションが機能していたバルセロナだったが、後半開始からブスケツを投入して 3-4-3 に変更。よりピッチ幅を活用する狙いで後半を迎える。
相手にボールを持たれたユベントスは55分に左サイドを突破したキエーザのクロスをクアドラードがスライディングで折り返し、モラタがボレーで合わせる。しかし。これも VAR が介入してオフサイドとなり、ゴールは認められず。
一方のバルセロナは62分にメッシ。75分にメッシのスルーパスに反応したグリーズマンが決定機を迎えるが、シュートはどちらも枠のわずかに外で追加点を得ることはできない。
するとユベントスは85分にドリブルで持ち上がったデミラルがボールロストからピアニッチを倒してしまい、2枚目のイエローカードで退場。1人少ない状態で試合最終盤を迎えることになる。
優位となったバルセロナは90分にメッシからのパスを受けたアンス・ファティがペナルティーエリア内で倒されて PK を獲得。これをメッシがゴール左に決めて2点目を奪取。ユベントスは一矢報いることはできず、試合はこのまま 0-2 で終了した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
ピアニッチのオープニングシュートをストップしたことを皮切りに好セーブを続ける。失点は味方に当たって高く弾んだ軌道と PK であり、守護神としての働きは申し分なかった。
DF: クアドラード 6.0
ペドリとのデュエルでは劣勢な場面が多かったが、攻撃面でチャンスメイクに顔を出して帳尻を合わせる。サイドでの攻防は攻め手が優位で結果は互角だった。
DF: デミラル 5.5
持ち前の身体能力でバルセロナの攻撃を防いでいたことは評価ポイント。一方で試合最終盤でのドリブルでボールロストし、2枚目のイエローで退場となったことが大きなマイナス。
DF: ボヌッチ 5.5
右ももの不安からラインを上げれず、精度の高いロングフィードが出ることもなく淡々としたプレー内容だった。昨シーズンのボヌッチを目撃したと考えれば、受け入れられるパフォーマンスだろう。
DF: ダニーロ 5.5
デンベレやセルジ・ロベルトのプレーを制限することはできず、ボール奪取ではなくチャージによる反則が目立った試合だった。守備が評価されている選手ではないだけに厳しい現実に直面する結果となった。
MF: ベンタンクール 5.0
与えられたレジスタ役を遂行しようとはしたものの、周囲がパスコースを作れておらず沈黙。守備においても1人でカバーが強いられるなど不味いチーム戦術の犠牲になっていた。
MF: ラビオ 5.0
広範囲をカバーする積極性は見せていたが、ダブルボランチなのに中央のスペースを空けるという諸刃の剣になっていた。この欠点は選手個人よりもチーム戦術の問題だろう。監督の能力が疑われるべきだ。
MF: クルゼフスキ 6.0
序盤から前線でプレスをかけてのボール奪取やモラタとのワンツーで決定機を得るなど持ち味のアピールに成功。違いを作れる存在であるだけにシーズンを通したフル稼働に重きを置く途中交代は妥当と言える。
MF: ディバラ 5.0
ゴールに近い位置での決定的な役割が期待されたが、厳しいプレッシャーを受けるライン間でボールを引き出してバルサの守備陣を混乱させるようなプレーはなかった。本調子まではまだまだ遠いようだ。
MF: キエーザ 5.5
サイドでボールを引き出してはいたが、すぐにセルジ・ロベルトなど複数人に囲まれてボールロスト。持ち味である突破力を影を潜めたままだった。また、ボックス内で空中戦要員となるなど疑問符が残った。
FW: モラタ 6.5
オフサイドで3度もゴールを取り消されたのは不運以外の何物でもない。ただ、前線からプレスをかけ、守備の人数が足りない時は最終ライン近くまで戻って相手の攻撃を遅らせるなど献身性を示した。結果で報われなかったことが悔やまれる。
【交代選手など】
MF: マッケニー 5.5
75分にクルゼフスキとの交代で出場。左アタッキングハーフを務め、カットインからのシュートを放つなどプレーの適性があることを示す。ただ、試合のバランスを変えるほどの存在感を発揮することはできなかった。
MF: アルトゥール ー
83分にベンタンクールとの交代で出場機会を得る。出場していたことを忘れるほど存在感はなかったことがすべて。
MF: ベルナルデスキ ー
アルトゥールと同じ83分にラビオに代わり出場機会を得る。デミラルが退場したことで1列下がった左 SB となったが、ファティを背後から倒して PK を献上。悪目立ちする結果となってしまった。
ピルロ監督 5.0
無様な采配だった。ガットゥーゾが言っていた「すぐに眠れなくなるさ」というジョークが現実のものになりつつある。ミラーゲームの前半はハイプレスを敢行できず、後半は 3-4-3 でポゼッションを高める相手になす術なく見守るだけだった。バルサの1.5軍には良い練習台になったと言えるだろう。
マッケリー主審 6.0
カードが出されたプレーはいずれも警告に該当するレベルのものであったし、PK も当然の判定。審判団として的確にジャッジを下していた。ただ、モラタが3度もオフサイドになったことで疑念が持たれていたことは事実である。