イタリア保健省が発表しているイタリア国内での新型コロナ陽性反応者数などをグラフ化しました。2020年10月11日から25日までの2週間は「感染拡大」が明白であり、政府がロックダウンに向けた動きを本格化させる状況となっています。
10月18日〜24日 (7日間平均) |
10月11日〜17日 (7日間平均) |
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新規感染者 | 14568 【+5291, +69.8%】 |
7577 【+3757, +98.4%】 |
死亡者 | 105 【+57, +118.8%】 |
48 【+23, +92%】 |
集中治療室 | 930 【+379, +68.8%】 |
551 【+206, +37.4%】 |
新規の陽性反応者数が「2020年3月のピーク期を超える数値を記録した」ことは事実です。ただ、留意する必要があるのは「当時よりも検査数が増加していることです。
例えば、イタリアでは「(1週間での死者数がピークだった)3月29日から4月4日までの1週間での1日あたりの PCR 検査数は約3万2000件」でしたが、10月23日や24日では「1日あたり約18万件」と6倍近い検査が行われています。
これは日本を含むどの国でも「検査数(や検査のキャパシティー)が増えてる」という状況ですから、陽性反応者数だけで論じてしまうと足をすくわれる結果になるでしょう。
そのため、見るべきは「死者数」と「(死亡するリクスが高い)重症者数」の推移です。
イタリアでは死者・重症者数が「2020年3月第2週の水準」にまで達しました。この事実から、「感染が再拡大している」と言うことができるでしょう。
当時との違いは「感染拡大のペースが緩やか」という点です。3月の時は1週間で増えた感染者数は10月現在では「約2週間」を要しています。
“ピークの山” を低くすることは対処・対策で可能ですから、この状況をイタリア政府がどうハンドリングするかが注目点になります。
サッカー関係で言いますと、スタジアムが無観客試合に戻ることはおそらく不可避です。また、アマチュア関係の試合は禁止となるため、プリマベーラやユース世代の活動にも影響が生じることと予想されます。
ローマやナポリでは「ロックダウンに反対するデモ活動」が起きていますから、ゴタゴタ劇が発生する可能性は十分に存在します。イタリアの国内情勢がどうなるのかに注目です。