10月の国際Aマッチデー明け初戦となった 2020/21 セリエA第4節クロトーネ戦はモラタ選手のゴールで追い付いたユベントスが 1-1 の引き分けに持ち込みました。

試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

FC Crotone [3-5-2] |
Juventus [4-2-3-1] |
|
---|---|---|
GK | 1: コルダーツ ![]() |
77: ブッフォン |
DF | 6: マガジャン 34: マッローネ 13: ルペルト |
13: ダニーロ 19: ボヌッチ ![]() 28: デミラル 38: フラボッタ |
MF | 32: ペレイラ 17: モリーナ 8: チガリーニ 77: ヴリッチ 69: レツァ |
30: ベンタンクール 5: アルトゥール 22: キエーザ 44: クルゼフスキ 39: ポルタノーバ |
FW | 30: メシアス 25: シミー |
9: モラタ |
クロトーネのストロッパ監督は 3-5-2 を選択。シミー選手の相棒にはメシアス選手が入り、最後尾はユベントス・プリマベーラ出身のマッローネ選手が統率する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-2-3-1 を選択。GK はブッフォン選手が入り、2列目は右からキエーザ、クルゼフスキ、ポルタノーバの3人が並ぶことが基本となる可変システムで試合に臨みます。
試合はホームのクロトーネが良い入りを見せる。開始2分にレツァの折り返しを上kたシミーがターンからシュートを放つも、ボールは枠の左に外れる。
11分にはヴリッチのパスに反応してペナルティーエリア内に侵入したレツァをボヌッチが倒してしまい、クロトーネが PK を獲得。これをシミーがゴール右下に決めてクロトーネが先制に成功する。
21分にもチガリーニにシュートを許したユベントスだったが、その直後に反撃。クルゼフスキのパスに反応したキエーザがスピードを活かして右サイドからグラウンダーのクロスを入れると、これをモラタが中央で押し込んで同点に追い付く。
その後は両チームが中盤での攻防を繰り広げる時間帯が続いたが、前半終了間際の40分過ぎからユベントスはポルタノーバが2度の決定機を手にする。しかし、42分の1対1の場面ではフルパワーのシュートをコルダーツに当ててしまい逆転とはならず。
それでも前半の内に 1-1 の同点に追い付いてハーフタイムを迎える。
後半は46分にベンタンクールがクリアボールをダイレクトボレーを放つ展開で始まると、ホームのクロトーネはサイドチェンジからユベントスゴールを脅かす展開で時間が経過する。
すると、60分にアクシデント。ユベントスはルーズボールの回収を狙ったキエーザがリガリーニを踏み付けたことで一発退場。ローマ戦に引き続き10人での戦いを強いられることになる。
それでもユベントスは63分にクルゼフスキが自ら獲得した左サイドからの FK をモラタがニアでヘディングシュート。これは右ポストに嫌われてノーゴール。76分には途中出場のクアドラードが入れたクロスをモラタが合わせたが、長い VAR の結果、オフサイドでゴールは取り消されてしまう。
一方のクロトーネは86分に右サイドの突破から走り込んだシリガルディが頭で合わせるも、シュートはブッフォンの正面。結局、7分間のアディショナルタイムでも試合は動かず。1-1 で両チームが勝点1を分け合う結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
PK で駆け引きをしたが通用せず。ビルドアップに関与する回数は少なかったがプレスに臆せず対処。シュートストップには安定感があった。
DF: ダニーロ 5.5
昨シーズンまでの脆さが示された試合だった。レツァに振り回され、クロスの配給地点を作られ過ぎたことが問題。
DF: ボヌッチ 5.0
軽率なプレーで PK を献上。シミーにポストプレーを許し、攻撃を制限することができず DF ラインが下がる原因を作ってしまった。実力どおりと言えばそれまでだが、セリエAでのイタリア人最高年俸に値する内容のプレーではなかった。
DF: デミラル 6.0
メシアスに対して辛抱強く対応し、時にはスライディングでシュートブロックをするなど1人戦い続けた。
DF: フラボッタ 5.5
攻守両面で軽さが目立った試合だった。プレースタイルが相手に知られていない間はプレッシャーを受けるまでの時間があるが、今後はそうはいかない。昇格組の WB による仕掛けを簡単に許すようでは起用する理由が失われることになるだろう。
MF: ベンタンクール 6.0
ポゼッション時はアルトゥールと縦の関係を作り、基本的にはガード役としてプレー。必要な時はレジスタとしても振る舞い、守備面においても卒なく自らの役割を遂行した。
MF: アルトゥール 5.5
ボールを持ち、バルサスタイルの身のこなしを活用してドリブルでチームを押し上げた。ただ、DF との距離感があったことで相手にスペースを与えたことと決定的な仕事ができなかったことが反省点。
MF: キエーザ 5.5
スピードを活かした突破で同点ゴールをお膳立て。持ち味が出るのはサイドライン際をスタートポジションにした時であることを示した。ただ、気持ちが入り過ぎたことで一発退場となったプレーは判断が悔やまれる。それが大きなマイナスになった。
MF: クルゼフスキ 6.5
中央や(キエーザとポジションを入れ替えての)右サイドで攻撃に変化を加える役割を高い水準で実施。左右関係なく計算ができる存在であることは大きな強みとなるだろう。
MF: ポルタノーバ 5.5
先発抜擢に応えて前半終了間際の40分過ぎに自らのランニングで決定機を掴むなど持ち味は発揮した。ただ、その後は消えてしまうなど改善点があったことは事実。継続的なプレー機会を得るには精度を高める必要がある。
FW: モラタ 7.0
同点ゴールに加え、ポルタノーバのラストパス、10人になってから2度の決定機で惜しいシュートと結果を残した。実力を不安視する論評もあったが、フィニッシャーとして十分すぎることは今日のパフォーマンスで存分に示された。
【交代選手など】
MF: クアドラード 6.0
56分にポルタノーバとの交代で出場。右サイドのアタッキングハーフに入り、レツァの動きを制限するとともに持ち前の突破力で1人少ない劣勢時にも奮闘。らしさを存分に発揮していた。
MF: ベルナルデスキ 5.5
70分にクルゼフスキに代わり出場。4-4-1 の左アタッキングハーフをスタートポジションにプレーをしたが、ファイナルサードでのボールタッチに雑さを残し、守備でも軽い対応が出るなど内容は芳しくなかった。荷物をまとめる準備が必要になるかもしれない。
MF: ラビオ 6.0
アルトゥールとの交代で70分から出場機会を得る。チームを押し上げる意志を示し、中盤のつなぎ役として奮闘。ただ、チームが勝点3を持ち帰れなかったことが悔やまれる。
ピルロ監督 5.5
攻撃時に 4-2-3-1 でミスマッチを起こし、守備時は 3-4-2-1 で張り付くことが狙いだったのだろう。だが、攻から守への切り替えが遅く、マークが曖昧になったレツァや MF の飛び出しを制限できずに決定機を何度となく作り出された。地力で勝る相手との対戦で勝点1は厳しい。立て直しは必須と言わざるを得ない。
フルノー主審 6.0
ボヌッチの PK 献上やキエーザの一発退場はユベントスから見れば厳しく映るが、妥当な判定だった。レツァはクロスを入れた後にこぼれ球を狙えたはずだし、キエーザも1歩遅れたからジャンプで踏み付けを回避できたと判断されたのだろう。いずれもミスジャッジではない。VAR の確認に時間がかかり過ぎたのが唯一の反省点だ。