『トゥット・スポルト』によりますと、ユベントスが昨夏に続き今年の夏もディバラ選手を『売却可能リスト』に掲載する考えであるとのことです。クラブの財政は “火の車” ですから、獲得オファーに応じる可能性があると言えるでしょう。
まず、ユベントスは 2019/20 シーズン前期で約5000万ユーロの赤字を出しています。これは『コロナ禍』が起きる前の数字ですから、経営状況はさらに厳しくなっていることでしょう。
そこに「現行契約が2022年夏に満了するディバラ選手との契約延長問題」が加わりました。
ディバラ選手に現時点で退団の以降はなく、「2025年までの延長」で両者は合意している状態にあります。ただ、「年俸額」に開きがあり、これが合意に達していない大きな要因です。
選手側の要求額は「年俸1500万ユーロ」と報じられており、ユベントスのフロント陣は二の足を踏んでいます。デ・リフト選手に1200万ユーロを出しているのですから、それを下回る額で “攻撃陣のエース” が納得する可能性は低いでしょう。
そのため、「交渉が不調に終わるなら売却も辞さない」との姿勢を採ると考えるメディアが記事を作る要因になっているのです。
では、「2020年夏にディバラ選手がチームを離れる可能性はあるか」と言いますと、現状は「ユベントスとの契約延長がまとまるよりも低い」と言わざるを得ません。
今夏はほとんどのクラブが新型コロナウイルスによる影響を受けたため、財布の紐が近年で最も固くなっています。そのため、1億ユーロ超の移籍金を捻出に踏み切る余裕はないと考えられます。
また、26歳のディバラ選手も「今夏に退団しなければならない理由」はありません。28歳で迎える2022年夏に現行契約が満了するため、今夏よりも来夏の方が「選手優位の交渉」ができるからです。
したがって、今夏は「ディバラ選手の獲得に1億ユーロの移籍金を出す」または「同等の価値を持つ選手との交換トレードが実現する」という状況にならない限り、ディバラ選手の去就に関する動きはないと思われます。
札束攻勢で外部から新戦力を積極的に獲得する一方で余剰人員の整理が進まなければ、人件費の急上昇に見舞われるのは当たり前です。その穴埋めのために主力選手の売却に動かざるを得ないようでは本末転倒と言わざるを得ないでしょう。
ユベントスのフロント陣が「昨夏よりマシな仕事ができるのか」に注目です。