ユベントスの新監督に就任したサッリ監督に対し、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が「イグアインを復調させる必要がある」と注文を付けています。ただ、起用できるポジションが見当たらないだけに無茶な要求と言えるでしょう。

ガゼッタ紙が注文を付ける根拠となっているのは「イグアイン選手の引き取り手が見つかりそうにない」というもの。
「3600万ユーロの移籍金に加え、(最低でも)750万ユーロの年俸を払えるチーム」が条件になりますから、獲得に名乗りを上げるチームが限られるのは当然です。そのため、「ユベントスで活かすべき」との注文を付けているのでしょう。
ただ、この要求には無理があります。なぜなら、“しわ寄せ” が大きすぎるからです。
- イグアインを起用するなら、『9番』しかない
- サイドで『7番』や『11番』の仕事ができる選手ではないため
- ロナウドも外せないが、左サイドで『7番』の役目を強いられる
- サッリ監督は2トップを使わない指揮官
- 『7番』は『9番』よりも守備の負担が重いため、チームが空中分解するリスクが高まる
- 右サイドは『11番』タイプを置くことになる
- 適任はベルナルデスキとクアドラード
- ディバラ、D・コスタ、マンジュキッチらを放出せざるを得なくなる
イグアイン選手を積極的に起用することは可能ですが、代償として「ディバラ(年俸700万ユーロ)、D・コスタ(年俸650万ユーロ)、マンジュキッチ(年俸400万ユーロ)などの放出が不可避」となります。
しかし、不摂生によるコンディション不良が目立つイグアイン選手を「高給取り」との理由でレギュラー待遇とすれば、チーム内の序列が崩れることは目に見えています。この現実を首脳陣がどれだけシビアに判断できるか次第と言えるでしょう。
イグアイン選手の保有権を持っている状況でロナウド選手の獲得を決めたのは現フロント陣であり、「それによって生じた弊害を解消することは現フロント陣の責務」です。
ターンオーバーが少ない上、1トップを起用するシステムで戦うサッリ監督のチームに「30歳以上の CF を本職とする選手」は3人も必要ありません。フロント陣が FW の合理的な人員削減を行うことができるのかに注目です。