2018/19 セリエA第36節ローマ戦は試合終盤に2得点を決めたローマが 2-0 でユベントスを下し、勝点3を獲得しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AS Roma [4-3-3] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 83: ミランテ | 1: シュチェスニー |
DF | 24: フロレンツィ 44: マノラス 20: ファシオ 11: コラロフ |
2: デ・シリオ 4: カセレス 3: キエッリーニ 37: スピナッツォーラ |
MF | 7: ペッレグリーニ 42: エンゾンジ 22: ザニオーロ |
23: エムレ・ジャン 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
FW | 34: クライファート 9: ジェコ 92: エル・シャーラウィ |
16: クアドラード 10: ディバラ 7: ロナウド |
ローマのラニエリ監督は 4-3-3 を選択。両翼にクライファート選手とエル・シャーラウィ選手が入り、中盤はエンゾンジ選手の両脇をザニオーロ選手とペッレグリーニ選手が担当する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督も 4-3-3 を選択。ボヌッチ選手の代役はカセレス選手が担当し、前線はクアドラード、ディバラ、ロナウドの3選手が入る布陣で試合に臨みます。
試合はロングボールを封印したユベントスが立ち上がりからリズムを掴む。6分にマテュイディのパスに反応したエムレ・ジャンが並走するクアドラードに横パス。これをクアドラードが右足で合わせたが、シュートはミランテが好セーブで防ぐ。
16分にはロナウドがロングドリブルで持ち上がってエリア内に侵入してから最後はディバラのシュートが枠を捉えたが、これもミランテの好セーブでゴールとはならない。
対するローマは18分にロナウドからボール奪取に成功してカウンターを発動させると、最後は右サイドからペッレグリーニがシュート。しかし、これはクロスバーに阻まれてしまう。
後半に入っても、両チームがゴールを狙い続ける時間が続く。この状況で先に決定機を得たのはユベントス。
64分にボール奪取したマテュイディからパスを受けたディバラが DF の裏にボールを送ると、抜け出したロナウドがミランテとの1対1を制してネットを揺らす。しかし、ロナウドがオフサイドとの判定でゴールは認められない。
66分にはディバラのパスを受けたエムレ・ジャンが狙うも、これもミランテがストップ。押される展開が続いたローマはジェンキズ・ユンデルを投入すると、この采配が的中する。
79分にキエッリーニのパスをカットしてユンデルからフロレンツィがジェコとのワンツーでエリア内に侵入。シュチェスニーとの1対1をフロレンツィがチップキックで制し、ローマが先制ゴールを決める。
同点に追いつくために前がかりになったユベントスだったが、93分にセットプレーのクリアボールからローマのカウンターを許し、最後はジェコに決められて2失点目。結局、試合は終盤に2得点を決めたローマに軍配が上がった。
試合に出場時間したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
2失点はどちらも GK の責任とは言えないものだった。ストップできる範囲のシュートに対しては良い反応を見せており、良い内容だったと言えるだろう。
DF: デ・シリオ 5.5
エル・シャーラウィに苦しめられた90分だった。ミスを突かれて突破されたのではなく、実力差を見せつけられて突破され続けたのだから厳しい状況だ。
DF: カセレス 6.0
空中戦でジェコに狙い撃ちされたが、決定的な仕事までは許さず。最終ラインで戦い続けた内容は合格点に十分値する。
DF: キエッリーニ 5.5
守備陣を統率していたが、試合終盤の自らのパスミスが起点となって勝点を落とす結果となった。守備の内容は良かっただけに悔やまれる判断となった。
DF: スピナッツォーラ 6.0
左サイドで上下動を繰り返し、自らの持ち味を大きくアピールする。ただ、スタミナ切れとなったことで試合終盤に細かいミスが出たことは反省点。ファイナルサードでの連携面の向上も改善点である。
MF: エムレ・ジャン 6.5
持ち前の運動量とフィジカルで中盤でアクセントを付ける仕事をする。中盤 MF でのポジションチェンジも問題なく行うなど戦術的理解度の高さも示した。
MF: ピアニッチ 6.0
中盤で時間を作り、ボールを散らす仕事を行うことでチームに推進力を与える。それだけに前線の攻撃陣は決定機を活かし切りたいところだった。
MF: マテュイディ 6.0
クライファートからボール奪取に成功し、素早く前線に展開するなど中盤のフィルター役として機能する。ポゼッション時にも上手く絡むことで柔軟性を示した。
FW: クアドラード 5.5
最初の決定機を手にするも、決め切ることはできず。その後はスペースのケアに充てる時間が増えたことでボックス周辺での決定的な仕事に関わることはほとんどできなかった。
FW: ディバラ 6.5
ペナルティーエリア周辺でのプレーが可能になったことで昨シーズンまでに見せていた決定的な場面に多数関与する。ミランテの好セーブがなければ、勝利を呼び寄せる大きな仕事が結果として残っていたことだろう。
FW: ロナウド 6.0
シュートやドリブルで能力の高さを見せた一方、エンゾンジに同じ形でボールを奪われるなど軽率なプレーも目立った。ボックス内の人数不足に不満を覗かせていたが、ピッチ上の選手によって動きを微調整する冷静さを示さなければならない。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.0
71分にピアニッチとの交代で出場。インサイドハーフの位置に入り、中盤でボールを引き出すリンクマンの仕事を行う。安定したパフォーマンスに終始した。
DF: カンセロ ー
デ・シリオに代わり80分から出場する。攻勢を強める目的で投入されたが、持ち味のテクニックを活かす試合展開とはならず。見せ場のないまま試合は終了した。
DF: アレックス・サンドロ ー
80分からマテュイディに代わり出場機会を得る。中盤のインサイドハーフとしてボックス・トゥ・ボックスの働きをしたが、効果的にボールを引き出すまでには至らず。持ち味を見せるまでには至らなかった。
アッレグリ監督 6.0
ロングボールに依存せず、ショートパスを主体にした攻めでも相手を押し込める能力があることを示した。前半の決定機を FW 陣の誰かが決め切っていれば、試合の内容と結果が評価されていただろう。ディテールを詰める必要はあるが、ポジティブな要素が多い試合だった。
マッサ主審 6.5
一定したジャッジを披露し、試合を荒れさせずに進行させた。審判が悪目立ちしていなかった。