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イタリア代表で結果を残したモイゼ・ケーン、「偽ライオラの発言」や「実父の放言」による騒動が起きる

 2019年3月の代表戦で2試合2ゴールと結果を残したケーン選手ですが、早くも “有名税” を課せられる状況となっています。「偽の代理人」や「実父」の発言が騒動となっていますので、状況を否定しておく必要があるでしょう。

画像:イタリア代表で2試合2得点と結果を残したケーン
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1:「2019年1月にミラン行きが決まっていた」という “代理人ライオラ” の発言はフェイクニュース

 騒動の1つ目は『選手の代理人を務めるミーノ・ライオラの発言』です。

 内容は「(ケーン選手の代理人である)ライオラ氏がフェイスブック上で1月にケーンをミランに移籍させることでレオナルドと合意していた」と『コリエレ・デッロ・スポルト』が書いたものです。これは日本のサッカーメディアも報じました。

 ところが、これが完全なフェイクなのです。

 と言うのもミーノ・ライオラ氏自身が「フェイスブックのアカウントは作っただけで投稿はしていない」と完全否定したからです。また、ミランがケーン選手を引き抜くことは現実的には難しかったという現実を無視していることも怪しむべきだったでしょう。

 

2:ミランは2019年1月の移籍市場でケーンを引き抜くことは不可能

 ミランが置かれていた状況を考慮すると、「ミランがケーン選手の引き抜きで合意していた」との主張には無理があることが浮き彫りになります。

  • イグアインの不振でチャンピオンズリーグ出場権から遠ざかった状況
  • クトローネという21歳で “生え抜き” の CF を有する
  • ケーンは「出場機会」を求めるも、リーグ戦での実績はクトローネ以下
  • ケーンの獲得には「イグアインの移籍金」に相当する額は不可避

 当時のミランが求めていた CF は “個の力で得点することが計算できる選手” であり、若手有望株ではありません。これは「チャンピオンズリーグ出場権の獲得」がクラブの至上命題となっており、若手の成長に賭ける余裕など存在しなかったからです。

 “生え抜き” で結果を残しているクトローネ選手にチャンスを与えず、ケーン選手の獲得に高額な移籍金を積むフロント陣がいたとは考えにくいでしょう。この点からも、情報そのものを怪しむべきなのです。

 

3:ケーンの実父によるトラクター話は「2017年6月」に既報

 次にケーン選手の実父が「ユベントスが約束したトラクターをくれない」と文句を言っている件ですが、これは2017年6月に『トゥット・スポルト』が報じた件の “焼き直し” です。

 その当時で「過去に息子をイングランドに移籍させようとした際」との話が出ていますので、最近の話ではありません。おそらく、これはケーン選手の国際移籍が可能になる16歳頃の話ですから、インタビュー時よりも1年ほど前のことと考えられます。

 ユベントスがケーン選手の父にトラクターを渡さなかったのかと言いますと、「FIFA の規約に抵触する恐れがある」と判断したからでしょう。

 未成年選手を獲得する際に “資金” を渡してしまうと、FIFA からペナルティーを受けるリスクがあります。現に、マンチェスター・シティはジェイドン・サンチョ選手(ドルトムント)の獲得時に不正があったとの疑いを持たれているのです。

 ユベントスの下した判断は正しいものですし、今後も “ユベントスが” トラクターを手渡す必要はないと言えるでしょう。

 

4:ケーン選手を育てたのは母親であり、ケーン選手がドッピエッタを決めた試合ではスタジアム観戦している

 ケーン選手の実父は「スタジアムのチケットもくれない」との不満も述べていますが、それは家族内の問題です。

 ケーン選手自身がインスタグラムのストーリー機能を使い、「何言ってるの?」と反論しています。また、「成長した自分があるなら、それは母親のおかげ。誰が養ってくれたかは決して忘れない」と言い切っています。

 「父は家にいなかった」とのゴシップも過去には出ていましたので、父との関係は良好とは言えないのでしょう。その一方で、ケーン選手の母親はスタジアムで観戦しています。

 ケーン選手がドッピエッタを決めたウディネーゼ戦でケーン選手の母親はピアニッチ選手とともに試合観戦を行っているのです。“家族” として選手に見なされていれば、チケットは用意されます。したがって、ユベントスに文句を言うのは筋違いと言えるでしょう。

 

 18歳を迎えたケーン選手は親の同意を必要とせず、自らの意志でクラブと選手契約を締結することが可能となっています。現行契約は2020年に満了しますので、「契約延長となるか」が最大の焦点でしょう。

 去就騒動が起きると考えられますが、どのような形で収束するのかに注目です。