先日、ユベントスが公式サイト上で 2018/19 シーズンの決算書を発表していましたので、バランスシートとキャッシュフローに掲載されている内容を確認しておくことにしましょう。
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項目 | 流動資産 | 固定資産 | 全体 | |
---|---|---|---|---|
金融資産 | ー | 4.1 | 4.1 | |
現金および現金同等物 | 36.1 | ー | 36.1 | |
金融資産の部:合計 | 36.1 | 4.1 | 40.2 | |
金融債務 | スポーツ信用銀行 (スタジアムローン) |
(6.3) | (27.6) | (33.9) |
銀行 | (107.7) | (78.1) | (185.8) | |
金融サービス会社 | (0.3) | (204.5) | (204.8) | |
金融負債の部:合計 | (114.3) | (310.2) | (424.5) | |
純金融負債 | (78.2) | (306.1) | (384.3) |
半年前と比較すると、金融資産および金融負債の両方が大きくなっています。『現金および現金同等物』が増えていることは評価できる点でしょう。
ただ、それよりも金融負債が増加していますので今後の変動に注意する必要があると考えられます。
項目 | 流動資産 | 固定資産 | 全体 | |
---|---|---|---|---|
金融資産 | ー | 4.1 | 4.1 | |
現金および現金同等物 | 15.3 | ー | 15.3 | |
金融資産の部:合計 | 15.3 | 4.1 | 19.4 | |
金融債務 | スポーツ信用銀行 | (6.2) | (30.8) | (37.0) |
銀行 | (46.1) | (136.0) | (182.1) | |
金融サービス会社 | (0.1) | (110.0) | (110.1) | |
金融負債の部:合計 | (52.4) | (276.8) | (329.2) | |
純金融負債 | (37.1) | (272.7) | (309.8) |
金融サービス会社への債務(固定資産)が半年ごとに倍々ゲームのように増加していることが注目点でしょう。2017年12月末が5000万ユーロ、2018年6月末が1億1100万ユーロ、2018年12月末が2億450万ユーロになっているのです。
負債は少ない方が「経営での自由度」は高まりますので、どのタイミングで減少に転じることがなるのかが注目点と言えるでしょう。
項目 | 2018/19 (前期) |
2017/18 (前期) |
|
---|---|---|---|
税引き前損益 | 11,759,659 | 46,288,703 | |
非 現 金 項 目 |
償却・減価償却・評価損 | 84,448,258 | 59,583,296 |
退職給付引当金等 | 1,468,196 | 1,932,772 | |
選手登録権の取得 | (43,775,814) | (74,141,922) | |
選手登録権の一時取得 | (13,408,885) | (1,843,086) | |
選手登録権の喪失 | 74,919 | 69,182 | |
選手登録権の一時取得費用 | 570,388 | 4,557,989 | |
選手登録権獲得の補助費 | 6,095,553 | 5,782,062 | |
関連会社等に対する持分 | 420,279 | 542,737 | |
金融収益 | (1,715,500) | (2,182,730) | |
金融費用 | 6,574,118 | 6,401,050 | |
売掛金と非金融活動の変動 | (11,547,244) | (11,489,508) | |
支払債務と非金融負債の変動 | 12,128,224 | (41,131,754) | |
法人税等の支払額 | 18,980 | (7,659,373) | |
退職給付引当金の活用 | (1,215,420) | (1,361,181) | |
営業活動によるCF | 51,895,711 | (14,651,763) | |
選手登録権への投資 | (248,193,736) | (101,930,884) | |
選手登録権関係の支払い増減額 | 18,204,317 | (48,090,282) | |
選手登録権の売却 | 63,260,314 | 86,292,621 | |
選手登録権関係の債権増減額 | 13,814,129 | (2,152,559) | |
選手登録権の一時(獲得)喪失 | 12,838,497 | (2,714,904) | |
選手登録権獲得の補助費 | (6,095,553) | (5,782,062) | |
選手登録権関係の支払増減額 | 27,216,835 | (15,748,312) | |
他の固定資産への投資 | (3,322,395) | (8,444,138) | |
投資の購入 | (500,000) | (833,300) | |
他の固定資産の処分 | - | 31,605 | |
利息収入 | 4,674 | 50,140 | |
投資活動によるCF | (122,772,918) | (90,825,109) | |
新規ローン | 32,000,000 | 40,000,000 | |
中長期ローンの返済 | (22,544,389) | (7,396,353) | |
中長期信用供与枠の使用 | - | 50,000,000 | |
ファクタリング会社の使用 | 44,662,823 | (26,901,466) | |
ローンの利息 | (3,073,788) | (1,319,764) | |
その他の金利負担 | (2,218,343) | (1,758,082) | |
金融活動に関するその他の活動 | (172,408) | (103,687) | |
財務活動によるCF | 47,390,995 | 50,520,648 | |
当期キャッシュフロー | (23,486,212) | (61,453,190) |
キャッシュフローは営業活動が『+』ですので、本業で成果を残しているという根拠になります。しかし、投資活動での『ー』が大きすぎて、全体分まで『ー』となっています。
全体分で『+』が続けば、「良好な経営状態」と言えます。そのため、投資分の回収に転じる “時期” が重要になります。ロナウド選手を獲得しましたので、さらなる投資は必要とは言えない状況と言えるでしょう。
「拡大路線」が一線を超えて「膨張・暴走路線」になる前に踏みとどまることができるのかに注目です。