ユベントスは公式サイト上で取締役会が非転換社債の発行を承認したと発表いたしました。1回または複数回の発行で、総額は 1〜2 億ユーロの規模になる予定とのことです。
発表されたプレスリリースは以下のとおりです。
トリノ、2019年2月12日 ー ユベントス・フットボールクラブは取締役会が適格投資家向けの予約権を通して、2019年6月30日までに1回または複数回で総額 1〜2 億ユーロの非転換社債を発行する可能性を承認したことを報告いたします。
決議は一般的な企業目的のための財源を会社に提供し、債務の構造および満期を合理化することを目的としています。
債券における金額・満期日・特性は市場が提供する機会に基づき、具体的に決定されます。これらの債券は EU の規制市場または多角的取引システムに上場されます。
社債発行に関して取締役会で承認された決議の議事録は当社のクラブオフィスでは公認の保管システム www.1info.it で、ウェブ上では www.juventus.com で適応法に準拠する形で閲覧可能となります。
ユベントスは「金融機関などからの借り入れ」がクラブの運営資金となっており、債務を抱えている状況です。ただ、複数の機関からの借り入れがあると、返済時期や利率などで複雑化・非合理化することを招くことがありため、その状態を解消するために非転換社債の発行を視野に入れているのでしょう。
なぜ、『非転換社債』かと言いますと、転換社債だと “満期時の株価に応じた株式” で出資分が返還されてしまうからです。
そうなると、ユベントスの発行済株式数が増えます。つまり、「オーナーであるアニェッリ家の持分比率が下がってしまう(= 最悪の場合は支配権を失ってしまう)」という問題があるのです。そのため、『非転換社債』で発行済株式の持分比率に変化が出ないようにしたのだと考えられます。
とは言え、取締役会が承認したのは「債券(= 社債)発行の可能性」であり、まだ債券・社債は発行されていません。ただ、クラブが拡大路線に舵を切っているため、今後の財務状況を注目する必要があると思われます。