2018/19 シーズンの前半戦が終了ましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。
第1回目の評価対象はアッレグリ監督です。
アッレグリ監督:A
アッレグリ監督が 2018/19 シーズンの前半戦で残した成果は「少なくともA」との評価を受けるべきでしょう。なぜなら、それだけの成績を残しているからです。
- セリエA:首位(17勝2分)
- チャンピオンズリーグ:首位通過(4勝2敗)
リーグ2位の得点力(38得点)とリーグ1位の守備力(11失点)を兼ね備え、2位ナポリに勝点差9を付けて首位に立っているのです。チーム総得点のトップは第19節で6得点を決めたアタランタの39得点ですから、ユベントスは堂々たる成績を残していると言えるでしょう。
成績としては “横綱相撲” の状態です。したがって、注文が付くのは「試合内容」であったり、「選手起用」という部分になります。特に、序列が出来上がってしまった状況であるだけに、後半戦では選手のモチベーション管理がポイントになるはずです。
GK を除いたポジションでの出場時間をグラフで示すと、一目瞭然です。
■ DF の出場時間(2018/19 シーズン前半戦)
まず、DF のレギュラー陣はカンセロ、ボヌッチ、キエッリーニ、A・サンドロの4選手であることが出場時間から明確と言えるでしょう。
ただ、問題点がない訳ではなりません。最も起用されたボヌッチ選手のパフォーマンス2〜3試合に1度は「低調」な出来です。競争相手をピッチ上での圧倒的な内容で黙らせることができていないのですから、この部分の改善が課題となります。
次に、スピナッツォーラ選手を全く起用しなかったという点です。「前十字靭帯の負傷から復帰したばかりだから」や「強豪との試合で起用のチャンスがなかった」との理由はあるものの、構想外同然の扱いはマイナスに作用します。
1月20日に予定されているリーグ再開戦のキエーボ戦までの3試合でスピナッツォーラ選手の起用を見合わせるようなら、シーズン後半戦の期限付き移籍を選手側から要求されても文句は言えません。その認識をアッレグリ監督が持っているかが問われることになるでしょう。
■ MF の出場時間(2018/19 シーズン前半戦)
MF 登録の選手の出場時間は以下のとおりです。
MF については「ケディラ選手の負傷による離脱が長引いた」ものの、代役としてのチャンスを得た「ベンタンクール選手が大きく飛躍した」と言えるでしょう。
ケディラ選手が復調すれば、マテュイディ選手を休ませることができます。また、エムレ・ジャン選手がチームにフィットすれば、ピアニッチ選手に休養を与えることが可能になります。
垣間見えていたことですので、その精度をどれだけ高められるかが後半戦の注目点になるでしょう。
■ FW の出場時間(2018/19 シーズン前半戦)
FW 登録の選手が記録した出場時間は以下のとおりです。
FW は大方の予想どおり、ロナウド選手が2000分超の出場時間を記録しており、上手く休ませることが不可避となっています。マンジュキッチ選手とディバラ選手を加えた3トップが主力格と見て問題ないでしょう。
大一番に主力選手を投入するのであれば、ターンオーバーを上手く活用することが肝心です。ただ、「どうやってターンオーバーをするのか」という問題が存在しています。
ユベントスは “相手 DF を引き付けられる CF 型の FW” を2人同時起用していますが、ベンチにいる CF 型の選手はケーン選手だけです。ただ、ケーン選手はほとんど起用されておらず、WG 型の FW が2人同時起用された場面では攻撃が機能しているとは言い難い状況となっています。
そのため、ロナウド選手とマンジュキッチ選手を休ませた際に攻撃力が急激に落ちないようにする方法を確立することが課題となるでしょう。
各フィールドポジションにそれぞれの課題はありますが、いずれも “微調整” と言えるレベルのものです。“抜本的なテコ入れ” が必須ではないだけに、アッレグリ監督が後半戦にどのように修正して、チャンピオンズリーグが再開する2月を迎えるのかに注目です。