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コラム:ユベントスの抱える懸念事項は「ロナウドが “アルゼンチン代表でのメッシ” と化すこと」

 代表戦に入ったことで、各国リーグは休養期間を迎えています。セリエAでは序盤3試合を消化していますので、「ロナウド選手の抱える問題点」についての状況を整理することにしましょう。

画像:ユベントスの攻撃を牽引することが期待されているロナウドとディバラ
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ロナウドが “アルゼンチン代表でのメッシ” と化すことが最悪のシナリオ

 ユベントスにとっての最悪のシナリオは「ロナウド選手が “アルゼンチン代表でのメッシ選手” と化すこと」です。

画像:中央では時間とスペースが極端に制限されている

 多くのチームが 4-4-2 などのブロック網を構築することが当たり前になっています。ゴール正面の “レッドゾーン” を DF と MF で封鎖し、サイドに追い出すことで失点の確率を下げることに注力しているからです。

 開幕節キエーボ戦の前半では図中の赤やピンクで色付けされたエリアでボールを受けようとしたのはロナウド選手だけでした。この状態では相手の守備陣に脅威を与えることは難しいと言えるでしょう。

 また、攻撃が一辺倒になるとパターンが読まれ、カウンターを受けやすくなります。パルマ戦では「ロナウド選手にゴールを取らせたい思惑が強いため、ボール奪取を狙いやすい」という状況に陥っていました。

 この状況は歓迎できないだけに、9月の代表戦が明けてからの試合でどのように改善していくかが課題となります。

 

「中央で陣取るロナウドを誰がサポートするか」という課題

 ロナウド選手がクオリティー(= 質)で突出した選手であることは誰もが認めることでしょう。1対1のデュエルで上回ることができる DF は限定されるため、対戦相手は必然的に量でカバーすることを選択します。

 複数の選手がロナウド選手を見るようになれば、ロナウド選手が輝くことは難しくなります。

 その反面、フリーになっている選手がピッチ上に出るのですが、「ロナウド選手にゴールを取らせたい」というコンセンサスが逆効果をもたらしています。「相手のマークが厳しいロナウド選手にボールを渡そうとして、ボール奪取を受け、カウンターを発動される」という問題は早急に解決する必要があるでしょう。

 

主要 FW が持つ特性

■ パウロ・ディバラ

 まずはロナウド選手に次ぐ高給を得ているディバラ選手を活かす術を確立させることがアッレグリ監督には期待されています。

画像:ディバラのプレーエリア

 ディバラ選手のバロメーターとなるのは「プレーエリア」でしょう。中央に近いエリアでボールを触れている時はゴールに直結する仕事が期待できます。

 ですが、“レッドゾーン” から追い出せば、脅威となるタイプではありません。サイドでの突破力や上下動を行うための走力がないため、ユベントスが機能不全に陥ってしまう『諸刃の剣』と言うべき選手なのです。

 つまり、「ディバラ選手が右サイドに流れた際、“レッドゾーン” でどの選手が代役として仕事をするのか」を確立することがアッレグリ監督には求められているのです。ただ、これは昨シーズンから判明していたことであり、解答案を示す必要がある状況と言えるでしょう。

 

■ ドウグラス・コスタ

 次に、サイドで強烈な存在感を発揮するD・コスタ選手ですが、少し厄介な問題を抱えています。それは「左サイドの方がより効果的」という点です。

画像:D・コスタのプレーエリア

 D・コスタ選手は「爆発的な加速力で相手 DF を置き去りにし、利き足である左足でクロスを供給する」ことで圧倒的な個の能力を示しています。これが右サイドに回ると、「能力を最大限発揮することが難しくなってしまう」という問題に直面しているのです。

 現状でマンジュキッチ選手を外すことは難しいため、アッレグリ監督にとっては頭痛の種になっているものと考えられます。

 

■ ファン・クアドラード

 クアドラード選手は「右サイドのスペシャリスト」として、アッレグリ監督から重宝されている存在です。

画像:クアドラードのプレーエリア

 持ち味は「サイドでスピードを活かした突破」と「クロスの種類」でしょう。GK と DF の間に速いタイミングでクロスを供給したり、相手を振り切ってからプルバックのクロスを入れるなどチャンスメイクという点での実績は申し分のない状況です。

 また、意外性を持ち合わせており、『ジョーカー』としての仕事ができる選手でもあります。

 ただ、ゴール正面の “レッドゾーン” で細かいタッチが要求されるテクニカルな仕事をするタイプではありません。そのため、ディバラ選手とのポジションチェンジが難しい選手という評価になるでしょう。

 

■ フェデリコ・ベルナルデスキ

 最後はイタリア人選手としても期待されるベルナルデスキ選手です。

画像:ベルナルデスキのプレーエリア

 縦への速さを持つクアドラード選手とは異なり、中にカットインできるテクニックを持っている点が特筆事項です。

 ベルナルデスキ選手には「トップ下(= 中央)でもプレーできる」という特長もあるため、右サイドに流れるディバラ選手とポジションチェンジをすることが可能になります。この点がベルナルデスキ選手が1番手として起用されている要因の1つと言えるでしょう。

 主にウィングとしてプレーするベルナルデスキ選手ですが、フィジカル的な強みも兼ね備えています。したがって、中央の密集エリアでテクニックを示す仕事で結果を残すほど、ポジションを確固たるものにすることになると予想されます。

 

 マンジュキッチ選手やケーン選手は CF 型であり、“レッドゾーン” でのプレーを本職とする選手です。この2選手については「ロナウド選手をサポートし、サポートされる関係を構築すること」が課題となります。

 現時点ではマンジュキッチ選手が良い仕事をしていることは結果に現れており、序列が高いことは妥当と言えるでしょう。大事なシーズン終盤に疲労が蓄積している状態は避けなければなりません。

 アッレグリ監督が「本当のシーズンが始まる」と位置づける9月以降にチームをどのように成熟させていくのかに注目です。