スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディで行われた 2018/19 セリエA第1節キエーボ戦はベルナルデスキ選手の決勝ゴールでユベントスが 2-3 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Hellas Verona [4-3-3] |
Juventus [4-2-3-1] |
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GK | 70: ソレンティーノ | 1: シュチェスニー |
DF | 40: トモビッチ 15: ロッセッティーニ 14: バニ 29: カッチャトーレ |
20: カンセロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 4: リゴーニ 8: ラドバノビッチ 56: ヘテマイ |
5: ピアニッチ 6: ケディラ 7: クアドラード 10: ディバラ 11: ドウグラス・コスタ |
FW | 27: デパオリ 9: ステピンスキ 17: ジャッケリーニ |
7: ロナウド |
キエーボのダンナ監督は 4-3-3 を選択。ステピンスキ選手を CF に起用し、デパオリ選手が DF ラインまで下がることで 5-3-2 にもシフトできる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-2-3-1 を選択。注目の右サイドにはクアドラード選手が先発。ディバラ選手とロナウド選手が最前列に位置する布陣で試合に臨みます。
試合は3分に動く。右サイドで獲得した FK からキエッリーニが頭で落としたところを、ケディラが左足で決めてユベントスが先制する。
ユベントスは9分にD・コスタのクロスに飛び込んだカンセロがシュートを放つ瞬間に後ろからタックルを受けるも、PK とはならず。33分には右サイドのクロスのクリアボールを拾ったD・コスタが左足で狙うも、シュートは枠を捉えない。
すると、キエーボがワンチャンスを活かす。38分にキエーボは左サイドでジャッケリーニのキープから中央にクロス。これをエリア中央でボヌッチのマークを外したステピンスキが頭で決め、試合を振り出しに戻す。
同点で迎えた後半は左サイドに主戦場を移したロナウドが48分に遠目の距離からソレンティーノを脅かす枠内シュートを放ち、チームを勢いづけようとする。
しかし、勝ち越しに成功したのはキエーボ。55分に左サイドを突破したジャッケリーニをカンセロが倒してしまい、キエーボに PK が宣告される。これをジャッケリーニ自らがゴール左に決め、キエーボが1点をリードする。
ユベントスはロナウドにボールを集めて反撃に出るも、GK ソレンティーノの牙城を崩すことはできない。マンジュキッチを投入してパワープレーに出たユベントスは75分に右 CK からニアに飛び込んだボヌッチがオウンゴールを誘発し、スコアを 2-2 に戻すことに成功する。
勝点3に執念を見せるユベントスは85分に途中出場のエムレ・ジャンがダイビングヘッドで相手ゴールに迫ると、90分にはA・サンドロの突破から生まれた浮き球をマンジュキッチが頭で押し込み、逆転ゴールを手にする。だが、ロナウドの腕に当たっていたとして、VAR によりゴールは取り消されてしまう。
それでも93分、A・サンドロが左サイドからグラウンダーのクロスを入れると、ベルナルデスキが右足で合わせて土壇場で勝ち越しに成功する。結局、試合はこのまま 2-3 で終了。ユベントスが苦しみながらも、勝点3を手にした。
試合に出場したユベントスの選手・監督などに対する採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
2失点を喫したものの、どちらも GK の責任ではない。次節に向けて切り替えることが重要だ。
DF: カンセロ 5.5
現状がすべて見えた試合だった。サイドで高いテクニックを見せて局面を打開し、ゴール前にも顔を出す。ただ、懸念事項の守備で PK を軽率な形で献上するなど、反省点もあったと言えるだろう。
DF: ボヌッチ 5.5
1失点目でステピンスキを見失うという決定的なミス。同点ゴールに大きく関与するも、肝心の守備で不安定な部分を露呈する結果となった。
DF: キエッリーニ 6.5
先制点のお膳立てを行い、守備でもタフさを披露した。自陣の右サイドを担当した新戦力の2名が軽率なプレーをすることは予想外だっただろう。主将として、改善を促すことが期待される。
DF: アレックス・サンドロ 7.0
モチベーションが高く、攻守において存在感を発揮した。ロナウド加入によって、プレーとメンタルの質が格段に向上した。
MF: ピアニッチ 6.0
中盤でバランスを取り、攻撃の起点として機能した。シーズン序盤ということもあり、徐々に状態を上げることが期待される。
MF: ケディラ 6.0
最初のシュートチャンスを確実に決め切り、チームに先制点をもたらす。ただ、その後はチーム全体の攻めが単調になったこともあり、中盤に落ち着きを与えるなどの存在感を発揮できなかった。
MF: クアドラード 5.5
縦への突破力を示し、チャンスメイクに関わる。ただ、この試合ではシュートとパスの判断が悪く、攻撃にアクセントを加えられなかった。
MF: ディバラ 5.5
ゴール前を固めるキエーボ守備陣を崩し切るだけの違いを見せることはできず。ロナウドとの連携も発展途上の段階で、真価を発揮するには少し時間を要すると予想される。
MF: ドウグラス・コスタ 6.0
サイドで持ち前の突破力を見せつけるも、エリア内で待つのはマークを背負ったロナウドだけの場面がほとんどでアシストを記録するまでには至らなかった。攻撃陣の微調整は不可避と言えるだろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
公式戦初戦であったが、個の能力を見せつけて得点を予感させるシュートを放ち続けた。ゴールが決まらなかったのはソレンティーノの奮闘によるものであり、気にしすぎる必要はないだろう。
【交代選手など】
MF: ベルナルデスキ 7.0
57分にクアドラードとの交代で出場する。右サイドから積極的に仕掛け、後半アディショナルタイムにはチームに勝点3をもたらす決勝ゴールをあげ、評価を高めることに成功した。
FW: マンジュキッチ 6.5
D・コスタに代わり、64分から出場機会を得る。ロナウドが左サイドをスタートポジションにしたため、中央でターゲットマンとして機能。チームの逆転勝ちを牽引する結果となった。
MF: エムレ・ジャン ー
84分にケディラとの交代でユベントス・デビューを果たす。直後にダイビングヘッドを狙うなど、存在感を発揮し、印象を残した。
アッレグリ監督 6.0
試合への入りは素晴らしかったが、“中だるみ” を起こし、苦戦を余儀なくされた。「エリア内でロナウドしかない」という状況は改善点であり、「新加入組の DF が揃って失点に直結するミスをしたこと」は大きな反省点だ。ただ、マンジュキッチを投入し、4-2-4 で攻め続けた采配は評価されるべきである。
パスクア主審 6.5
カンセロが倒されたシーンが VAR の対象にすらならなかったことに対する疑問は残る。それ以外のシーズンはソレンティーノのアクシデントを含め、無難に対処することができていた。