ユベントスとミランの間でイグアイン、ボヌッチ、カルダーラの3選手が絡む移籍成立が目前になっていると『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などの各メディアが報じています。この移籍は「不良債権の処理」が主目的であると映るだけに称賛は難しいと言えるでしょう。
ユベントス | ミラン | |
---|---|---|
イグアイン |
|
|
ボヌッチ |
|
|
ユベントスはイグアイン選手が、ミランはボヌッチ選手が “不良債権” と化している状況です。そのため、両クラブが「当該選手をトレードすることで問題が解決できる」という利害が一致したことで交渉が妥結寸前までに至ったのでしょう。
ちなみに、報じられている条件で移籍が成立した場合、ユベントスとミランは以下の成果を手にすることになります。
ユ ベ ン ト ス |
+ |
|
---|---|---|
ー |
|
|
ミ ラ ン |
+ |
|
ー |
|
「イグアイン選手を売りたいユベントス」と「獲得しても良いミラン」が事の発端です。しかし、FFP の制約に抵触しているミランにイグアイン選手の減価償却費(年間約2000万ユーロ)を出す資金力はありません。そのため、交渉は頓挫していたのでしょう。
このタイミングでボヌッチ選手が「ユーヴェに戻りたい」とゴネ始めます。「両クラブが納得する選手を互いに同額で売却すれば、FFP の制約を回避できる」という事情があり、将来性を見込めるカルダーラ選手をトレード候補としてミランが熱望したものと考えられます。
ミランはボヌッチ選手を3500万ユーロで売却し、同額でカルダーラ選手を5年契約で獲得すると、帳簿上は2800万ユーロのプラスを計上できます。(カルダーラ選手の減価償却費が年700万ユーロになるため)
これにより、ミランはイグアイン選手のレンタル費を賄うことが可能になった上、カルダーラ選手まで手に入れることになりました。ミランは良い取引をしたと称賛されるはずです。
おそらく、大型移籍はこのまま決定するでしょうが、ユベントスのフロント陣は評判を大きく下げることになることが濃厚です。
なぜなら、「選手からの移籍要望がない限り、売りには出さない」とコメントしていた内容と大きく矛盾する行為に手を染めたからです。カルダーラ選手からの移籍希望はなかったにもかかわらず、トレードに含める手法は今後の移籍交渉で不利になる要因となるでしょう。
この移籍が成立した後にルガーニ選手から「出場機会が見込めないから、(恩師のサッリ監督が率いるチェルシーに)移籍させて欲しい」と言い出されると、冗談では済まない事態となります。
“売却下手” のフロント陣がまとめ上げようとしている今回の大型移籍交渉によってどのような結果となるのか。2018/19 シーズンの選手起用や成績に注目です。