ユベントスは公式サイト上で 2017/18 シーズンの前期決算を発表いたしました。売上高は2億9060万ユーロ、当期損益は4330万ユーロだったのですが、当期損益は前年同期比で -40% となっています。
決算の数字は以下のとおりです。
前期 | 変化量 | |||
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項目 | 2017/18 | 2016/17 | 数値 | % |
売上高 | 290.6 | 315.1 | (24.5) | -7.8% |
事業費 | 178.7 | 182.2 | (3.5) | -1.92% |
償却費 | 60.9 | 48.2 | 12.7 | +26.3% |
事業収支 | 51.0 | 85.0 | (34.0) | -40.0% |
税引き前損益 | 46.3 | 79.3 | (33.0) | -41.6% |
当期損益 | 43.3 | 72.0 | (28.7) | -39.9% |
『売上高』は昨年とほぼ同じなのですが、『償却費』が増加したことで利益幅が前年度より小さくなりました。
昨シーズンはポグバ選手の移籍金で収益が押し上げられていましたし、選手を獲得するために支払った移籍金を償却するための支出が増えた結果が決算に現れたと言えるでしょう。
決算書の細かい数字は後日改めて触れる予定ですが、いくつかの項目については以下に言及します。
1:サッカークラブとしては成長している
『選手登録権からの収入』でのマイナスが響き、売上高は 8% 弱のマイナスとなりました。
しかし、『チケット収入』、『放映権収入』、『スポンサー収入』、『ライセンス収入』は4項目で1500万ユーロのプラスを記録しています。スポンサー収入が700万ユーロのプラスですから、極端に悲観的になる必要はないと言えるでしょう。
ただ、散財できる余裕がないことは事実です。そのため、支出(≒ 移籍金を支払う形での選手獲得)はシビアに評価を下す必要がある状況です。
2:“Jヴィレッジ” の本格稼働は2018年夏
アリアンツ・スタジアムに隣接するコンティナッサ地区にクラブ機能を移転・集約する “Jヴィレッジ・プロジェクト” は遅れが生じていました。
2017年夏(= 2017/18 シーズンの最初)から本格稼働する予定だったのですが、移転が完了していたのはクラブの新オフィスのみ。他は既存施設を利用するという状況が現在も続いています。
トップチームのトレーニングは来シーズンから始まる予定で、機能テストは完了しているとのこと。メディアセンターも合わせて移転され、ホテルおよびコンセプトストアについても2018年夏の終わりまでに稼働する見通しと言及されています。
プロジェクトの全容がようやく本格稼働する状況になったことはクラブの経営におって大きいことです。W杯終了後頃にお披露目のセレモニーなどが行われることでしょう。
3:今期(2017/18 シーズン)は最終的に赤字となる可能性あり
今期の業績見通しですが、ユベントスは決算報告書内で「現時点では最終的に赤字になる」との見通しを示しています。
ただ、スポーツ面での成績(特に UEFA チャンピオンズリーグの成績)に影響されると言及されています。そのため、「チャンピオンズリーグでどこまで勝ち進めるか」は経営面で非常に重要なことは言うまでもないことです。
今期(2017/18 シーズン)、ユベントスが決算でどのような数字を残せるのかに注目です。