ユベントスは公式サイト上で中国の LingLong Tire 社(玲瓏輪胎、れいろうタイヤ)とグローバル・オフィシャル・タイヤ契約を締結したことを発表いたしました。
2016/17 シーズンまでユベントスとオフィシャル・タイヤ契約を締結していたのはアメリカのグッドイヤー社でした。今季はその座が空白となっていたため、新しいスポンサーが確保できるかが経営面での注目点だったと言えるでしょう。
ユベントスのホームでの2018年初戦となったジェノア戦では LingLong 社(玲瓏タイヤ)の広告が掲載されていたこともあり、正式発表は時間の問題だったと思われます。
LingLong 社(玲瓏タイヤ)は中国・山東省に本拠地を持つタイヤメーカーで、ミシュランなどと比較すると低価格帯の商品を主力にしています。ただ、「韓国のクムホタイヤを買収?」という報道が出るほどであり、資金力は持っているものと考えられます。
ユベントスとしては「 LingLong 社(玲瓏タイヤ)から良い条件を引き出せたか」が経営上のポイントです。
なぜなら、LingLong 社(玲瓏タイヤ)はドイツ・ヴォルフスブルクの最上位スポンサーを勤めているからです。ヴォルフスブルクの親会社はフォルクスワーゲン(VW)ですし、ユベントスの親会社は実質的にフィアット&クライスラー(FCA)です。
両クラブの親会社は中国市場で自社の車両を数多く販売したいですし、LingLong 社(玲瓏タイヤ)も VW や FCA がデフォルト設定で自社のタイヤを装着することでシェアを伸ばすという恩恵を得ることができます。
LingLong 社(玲瓏タイヤ)はユベントスを通して FCA との関係を強化したいという意図を持っていたと推測することもできるでしょう。
契約期間は明かされていませんが、複数年契約であることは確かだと思われます。ミランと東洋ゴムの契約が年間300万ユーロ(ガゼッタ紙の推定)ですから、ユベントスはそれを上回る額でオフィシャル・タイヤ契約を締結していて欲しいと思います。