2017/18 シーズンのユベントスはボヌッチ選手が退団したこともあり、守備陣が問題を抱えていると報じられています。ここでは守備陣が抱えている問題点をリストアップすることにしましょう。
問題点1:右 SB の背後に存在するスペース
ユベントス守備陣が抱える問題の1つは「右 SB の背後にあるスペース」です。
昨シーズンはダニ・アウベス選手がいたため、問題にはなっていませんでした。しかし、ダニ・アウベス選手が退団したことで問題が再発する形となったのです。
スプリントのトップスピードが落ちたリヒトシュタイナー選手の背後にあるスペースを走力のあるウィンガーや SB に狙われ、ピンチを招くケースが増えました。
この点をアッレグリ監督は「(技術的に)難あり」と判断し、リヒトシュタイナー選手を CL の登録メンバーから外したのでしょう。デ・シリオ選手が「背後のスペースのケア」と「攻撃時のクオリティー」という2点で実力を発揮できるかが注目点になっています。
問題点2:CB と MF の間にあるスペース
もう1つの問題点は「センターバックとボランチの間にあるスペース」です。陣形が縦に間延びした状態となり、ここを相手 FW に活用され、ピンチに陥ることが昨シーズンの途中から目立っているからです。
「1人目(またはポストプレー)はキエッリーニ選手が潰しに行くも、ボール奪取までには至らず。2人目の選手がスピードでもう一方の CB を振り切って DF ラインを突破して決定機を迎える」というパターンが典型的な形でしょう。
ユベントスの CB は「人には強いが、スピードはない」というタイプがほとんどです。そのため、“2人目” にマークし切れない位置から走り込まれ、ボールがつながると対応が完全に後手に回ってしまうのです。
キエッリーニ選手は “走り込もうとする2人目の選手” の走路を巧みに妨害しているため、ピンチの芽はある程度は摘むことことができています。しかし、ギリギリの対応を余儀なくされており、危なっかしいことに変わりありません。
高い DF ラインを設定するためにスピードのあるルガーニ選手を配置するか、MF の位置を下げるための上下動を求めるなどの対策を講じる必要があると言えるでしょう。
問題点3:自陣からのビルドアップの精度を高めることを怠ってきたツケが回ってきた
また、「自陣からのビルドアップ」がナポリやローマといったイタリア国内のライバルと比較すると精度が低いままであったことのツケも回ってきています。
ライバル勢はグラウンドのパスを主体にしているため、パスコースを作るための動きがチームとして確立されています。しかし、ユベントスはピルロ選手やボヌッチ選手という自陣深くから “浮き球のロングパス” で状況を打開できるという必殺技があったため、「自陣内でのビルドアップ精度」で遅れを取っているのです。
『速攻』と『遅攻』を使い分け、『遅攻』の際にポゼッションをどのようにするかが問われていると言えるでしょう。
「精度の高い浮き球のパス」がユベントスの攻撃オプションから消えたのです。パスコース上に選手を配置すれば、ボールを奪取できる可能性は高くなっているため、上手く網を張ってくるチームとの対戦が続くことになると予想されます。
そのようなチームに対し、ビルドアップにテクニックを加え、チャンスを作り出すことがチームとして求められているのです。問題点をチームとして解決できるのか、アッレグリ監督が処方箋を作り出せるのかに注目です。