『コリエレ・デッロ・スポルト』によりますと、ユベントスのティフォージと思われる人物によってアリアンツ・スタジアムにチケット代上昇に対する抗議のバナーが貼り付けてられていたとのことです。
掲げられていたのは「クルヴァ・バイエルン:年間140ユーロ、メガホン、ドラム、数千本のフラッグ」というものと「トップになるなら、ティフォージをリスペクトしろ」というものの2つだと伝えられています。
“クルヴァ・バイエルン” となっているのは命名権を取得したアリアンツ社をもじったものでしょう。アリアンツ社はバイエルンの本拠地の命名権を保有していますし、ユベントス・スタジアムは来季から「アリアンツ・スタジアム」との名称になるからです。
以前にも「チャンピオンズリーグのチケット代が高すぎる」との抗議活動が(一部の)ティフォージから行われていましたが、クラブはあまり気にしていないと考えられます。
その1番の要因は「チケット完売(ソールドアウト)が続いていること」です。完売が続くチケットの価格を据え置きすることはダフ屋行為が蔓延する温床となります。これはマフィアの資金源と化す可能性があり、そのことが容認されるということはないはずです。
チケット価格が上昇するのは東京ディズニーランドや USJ といった日本国内の施設でも見られることです。
キャパシティーが限界に達している状況であれば、より上質な顧客が満足する方にシフトすることは経営判断として当然でしょう。クラブが罰金を科されるなど差別的なチャントをするのは “チケット代の最も安い” ゴール裏(=クルヴァ)がほとんどなのです。
わざわざ高いチケット代を払ってまでバカな行為をする人物はいないのですから、不届き者を締め出すという意味も含まれているものと思われます。
収容可能人員が現行は 41000 人であるスタジアムが 50000 人超へと増築されれば、増築された分の席のチケット代は価格が据え置きされる可能性はあります。
ユベントスの 2016/17 シーズンの平均観客動員数(リーグ戦)は 39936 人。収容率は 96.2% と空席がほとんどなく、完全にプラチナチケットとなっている状況です。
年間シートの販売数が 29300 席でクラブレコードでしたから、値段が下がる(または据え置きとなる)要因はありません。
「スタジアムに来ないファンが持つ年間チケットの権利をその試合を観戦したいファンに権利を一時的に譲渡できるシステムを構築すること」がクラブが取り組むべき現実的な課題でしょう。
人気のチケットの値上げは受け入れなければならないことの1つだと言えるはずです。