2016/17 プリマベーラのファイナル・エイト準決勝が行われ、ユベントスは PK 戦の末にフィオレンティーナに敗れ、シーズンが終了することとなりました。

試合に出場したユベントスの選手は以下のとおりです。
選手名 | |
---|---|
GK | 1: デル・ファベロ |
DF | 2: センペリーニ 5: ヴォリャッコ 23: アンデルセン 6: ロジェリオ |
MF | 8: カヌーテ(→ 1' st. 14: トゥレ) 11: レリス 10: クレメンツァ (C) 7: マテウス・ペレイラ(→ 19' et. 19: ゼチリ) 22: ベルウアット(→ 16' st. 18: ボヴェ) |
FW | 9: ケーン |
メンバー表からはベルウアット選手とロジェリオ選手が WB に入る 3-5-2 と予想されたものの、グロッソ監督は選手たちを 4-1-4-1 の布陣に配置する形で試合を迎えます。
試合は CF に入ったケーン選手も含めた前線の5選手がビルドアップの際に右 WB のポジションを代わる代わる担当する形が功を奏し、ユベントスがリズムを掴むことに成功します。
20分にはベルウアット選手のクロスからレリス選手が、24分には FK からクレメンツァ選手が、28分にはケーン選手が突破からシュートを放ち、フィオレンティーナゴールを脅かします。30分にクレメンツァ選手が放ったシュートは DF に当たって枠を捉えなかったものの、攻勢が身を結ぶこととなります。
37分、ユベントスは右サイドにボールを展開し、マテウス・ペレイラ選手が左足でクロスを供給。これを左足でトラップしたクレメンツァ選手のシュートが決まり、ユベントスが先制します。
1点リードで前半を折り返したユベントスは後半もポゼッションで時計の針を進め、機を見て攻撃のギアを上げるなど良い試合運びを見せます。
すると、70分に裏のスペースへ抜け出そうとしたケーン選手をバローニ選手が倒し、この日2枚目のイエローカードで退場。残り時間を10人で戦うことを余儀なくされてしまいます。
1人多くなったユベントスには余裕が生まれ、85分にはケーン選手が、87分にはケーン選手からのラストパスを受けたレリス選手がシュートを狙うも、GK チェロフォリーニ選手のセーブに遭い、フィオレンティーナに止めを刺すことができない。
すると、91分にクレメンツァ選手のバックパスをエリア内で受け、トラップしたセンペリーニ選手が背後からチャージを行ったゴーリ選手に身体を入れられる形となって倒してしまいます。
主審のダニエレ・ドベリが迷わずペナルティースポットを指差して得た PK をソッティル選手が右下に決めて、土壇場でフィオレンティーナが同点に追いつき、試合は延長戦へと入ります。
しかし、延長戦に入るとユベントスの足も止まり始め、ゴール前を固めたフィオレンティーナの守備陣を崩せず、時間が経過します。グロッソ監督は109分にゼチリ選手を投入するものの、114分に放ったシュートはポストをかすめるなど得点を奪うことはできず。
対するフィオレンティーナもロングカウンターに賭けたものの、こちらは後半開始から投入された U-20 W杯帰りのトゥレ選手にチャンスの芽を摘み取られ続け、試合は結局 PK 戦へと突入します。
ユベントスは2人目のレリス選手が失敗し、フィオレンティーナは3選手全員が成功した中で迎えた4人目でケーン選手が登場。
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— Goal Italia (@GoalItalia) 2017年6月7日
“クッキアイオ” を敢行したケーン選手でしたが、GK のチェロフォリーニ選手は体勢を一瞬崩されたものの、すぐに持ち直して難なくキャッチ。そして、フィオレンティーナは4人目のゴーリ選手が落ち着いて決め、激戦に終止符を打つことに成功しました。
なお、グロッソ監督の試合後コメントは次のとおりです。
ファビオ・グロッソ監督:
「難しい試合を戦ったと私は思います。フィオレンティーナを称賛すべきですが、私は選手たちが行ったことすべてに満足しています。
試合を分析し、私は試合を再びオープンにする力を持っていると述べていました。付け加えるなら、私達は試合を終わらせる強さを持っていなかったということです。
ドローで90分を終えたことで心理的な影響があり、延長戦で開いた試合に持ち込むことだけの強さがなかったのです」
後半アディショナルタイムで1人多い状況を活かすためにボールをつなごうとした意識が裏目に出て、歯車が狂い始め、それを最後まで戻すことができなかったと言えるでしょう。
“欲” が出ることはトップチームでの起きることであり、絶望する必要はありません。2015/16 シーズンのチャンピオンズリーグのバイエルン戦でエヴラ選手が「大きく蹴り出す」ではなく、「ドリブル突破」を選択し、ビダル選手にボール奪取を許して同点弾の要因になったことがあるからです。
試合に勝つという目標のため、試合終盤で冷徹なまでにリスクを計算し、マスコミなどに何と言われようが結果を得ることを優先することの重要性を理解し、ミスを反省点として活かすことができるかが鍵です。
タイトルのチャンスを逸したことは残念なことですが、これを糧にトップチームで活躍する選手が1人でも多く出てきて欲しいと思います。