ユベントスが公式サイト上で 2016/17 シーズン前期の決算書(PDF)を公表したことで、収支状況も明らかとなりました。
今期上半期にユベントスが記録した収支は下表のとおりです。
項目 | 16/17 前期 | 15/16 前期 |
---|---|---|
チケット販売 | 27,743,898 | 20,055,875 |
テレビ・ラジオ放映権 およびメディア収益 |
107,239,991 | 96,432,283 |
スポンサー/広告収益 | 36,446,421 | 34,218,610 |
製品・ライセンス販売 | 9,208,343 | 6,786,944 |
選手登録権益 | 121,764,381 | 37,152,807 |
他の収益 | 12,522,179 | 9,878,744 |
総収益 | 314,925,213 | 204,525,263 |
用具/サプリ等購買費 | (2,413,484) | (1,550,189) |
販売用製品購買費 | (3,953,484) | (2,075,204) |
外部サービス | (28,243,884) | (23,700,085) |
選手年俸/スタッフ費用 | (97,183,708) | (94,872,596) |
他の人件費 | (9,250,271) | (9,091,830) |
選手登録権への費用 | (37,202,332) | (5,280,912) |
他の支出費用 | (3,968,179) | (3,834,862) |
総事業費用 | (182,215,342) | (140,405,678) |
選手登録権の償却/評価損 | (40,069,479) | (32,044,751) |
有形/無形資産の償却 | (4,993,441) | (4,507,429) |
引当金 | (3,131,662) | (59,627) |
経常外収支 | 332,350 | 10,638,769 |
営業利益 | 84,847,839 | 38,146,547 |
金融利益 | 2,136,333 | 1,346,321 |
金融費用 | (6,063,605) | (5,243,632) |
JV費用 | (356,883) | (105,405) |
税引き前利益(損失) | 80,563,484 | 34,143,831 |
当期税金 | (4,750,840) | (3,375,961) |
繰越税金 | (2,580,452) | (511,086) |
当期損益:継続事業 | 73,232,192 | 30,256,784 |
廃止事業 | (1,225,768) | ー |
当期利益(損失) | 72,006,424 | 30,256,784 |
前年と比較すると次の点が特筆事項と言えるでしょう。
- チケット販売:+38.3%
- 製品・ライセンス販売:+35.7%
- 選手登録権益:+227.7%
収益は全項目でアップしていますが、中でも上記3項目が数値を大きく伸ばしています。最大の伸びを示したのは『選手登録権益』であり、これはポグバ選手やモラタ選手を売却したことで得られた収益が計上されたと見るべきだと思われます。
また、チケット販売も好調で、これはリーグ戦でチケット完売が続いたこととCLで高額な価格設定になったことが要因と言えるでしょう。ライセンス販売も良好であることが決算から読み取れますし、新ロゴマークを上手くマーケティングすることによる伸びシロが期待できるはずです。
『支出』の増加分は +29.8% に留まっており、『収益』の増加分 +54% と比較すると、「伸びを上手く抑制することができている」と言うことができます。
『選手登録権への費用』が 604.5% と激増していますが、絶対値で見ると『償却費』を下回っており、問題視される項目にはならないでしょう。クラブ経営の重荷となる『選手年俸等』の伸びが +2.4% であり、経営のバランスは保たれている状況です。
ディバラ選手との契約延長交渉が進行中と報じられていますが、好調な決算を継続できる土台が整っているのであれば、選手側が求める年俸額を提示することは十分に可能だと思われます。ディバラ選手はそれだけの価値をピッチ上で証明していますし、昇給でそれに報いるべきと言えるでしょう。
好調な形で前期決算を迎えた 2016/17 シーズンをどのような形で締めくくることになるのか。ピッチ上での成績だけでなく、決算内容にも注目です。