ドーハで行われたスーペルコッパは 1-1 でPK戦に突入した結果、4人が成功したミランが 4-3 で勝利し、タイトルを手にすることに成功しました。
試合に先発した選手およびフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-1-2] |
AC Milan [4-3-3] |
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GK | 1: ブッフォン | 99: ドンナルンマ |
DF | 26: リヒトシュタイナー 24: ルガーニ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
20: アバーテ 29: パレッタ 13: ロマニョーリ 2: デ・シリオ |
MF | 6: ケディラ 8: マルキージオ 27: ストゥラーロ 5: ピアニッチ |
33: クツカ 73: ロカテッリ 91: ベルトラッチ |
FW | 9: イグアイン 17: マンジュキッチ |
8: スソ 70: バッカ 5: ボナベントゥーラ |
ユベントスはローマ戦と同じ 4-3-1-2 を選択。負傷によって出場が不安視されたリヒトシュタイナー選手とピアニッチ選手も先発に名を連ねました。
対するミランは 4-3-3。CFにバッカ選手が入り、両ウィングにはスソ選手とボナベントゥーラ選手が担う形でファイナルに臨みます。
試合は序盤からユベントスが積極的にミランゴールに迫ります。17分にはイグアインのパスに反応したストゥラーロが左足でシュートするも、ドンナルンマがCKに逃れるスーパーセーブを披露。難を逃れたかに見えます。
しかし、このCKからキエッリーニが右足で合わせ、ユベントスが先手を取ることに成功します。
ところが、ユベントスがここから試合のペースを緩めると徐々にミランがペースを盛り返します。右サイドでスソから良いクロスが何本も供給され、得点の雰囲気が出ていた38分にスソのクロスをファーから走り込んだボナベントゥーラがニアで合わせ、ミランが同点に追いつきます。
後半開始とともに気合を入れ直したユベントスでしたが、追加点を奪うことはできず。逆にミランの右サイドからの攻撃を許し、防戦一方となります。
55分のスソのシュートはキエッリーニがブロック、57分のロマニョーリのヘディングはクロスバーに救われるなど内容でもミランが上回る展開が続きます。ユベントスはケディラが枠内にシュートを2本飛ばしたものの、ドンナルンマがセーブ。
83分にはバッカのヘディングをブッフォンがライン上で弾き出すなどミラン優勢のまま90分が終了。延長戦に突入します。
延長前半の開始直後にシュートのこぼれ球がバッカの足元に飛んで来たものの、トラップを選択したことで時間が生まれたため、キエッリーニのスライディングが間に合い、ユベントスは失点を免れます。互いに疲労の色が濃くなり、試合は残り5分。
ユベントスは116分にエヴラからのグラウンダーのクロスをフリーのディバラが中央で合わせるも、シュートは枠を大きく外してしまう。120分にはエヴラがエリア内に侵入するために入れた浮き球をデ・シリオがハンドをするも、ダマト主審はPKを宣告せず。
ユベントスの選手が猛抗議をするなか、終了のホイッスルを即座に吹き、試合はPK戦へと突入。
互いに1本ずつ外した5人目。ユベントスはディバラが右に蹴ったものの、ドンナルンマがセーブに成功。対するミランはパシャリッチが左上に決め、PK戦にまでもつれ込んだ激戦に終止符を打った。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
ストップできるシュートはすべて止め、最後尾で奮闘し続けた。83分のバッカのシュートをセーブしたことは大きかった。
DF: リヒトシュタイナー 5.5
ボナベントゥーラとのマッチアップを120分間続けた。失点シーンでも逆サイドまでマークを続けていたことは評価できるものだ。ただ、攻撃面での貢献が限定的で少し物足りなかったことは確かだ。
DF: ルガーニ 6.0
先に落下点に入ってクリアできるポジションだっただけに失点の責任は1番重い。1対1のマッチアップでは非常に良いパフォーマンスだったが、精度の高いキッカーから入れられるクロスの守備については改善できる点がある。
DF: キエッリーニ 6.5
守備では壁となって立ち塞がり、CKでは先制点を決めた。内容が素晴らしかっただけに結果と結びつかなかったことが非常に悔やまれる。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
前への突破力でスソの攻撃力を限定し、ミランの攻撃を牽制していた。それだけに前半途中での交代はチームにとって大きな痛手だった。
MF: ケディラ 6.5
前半はボールに関係するシーンは少なかったが、後半はシュートなどで積極的に顔を出し、存在感を発揮した。ストゥラーロやレミナが手を焼いたスソに難なく対処し、能力の高さと違いをピッチ上で表現した。
MF: マルキージオ 6.0
DFの前で盾として機能はしたが、攻撃の組み立てという点では印象を残すことはできなかった。中央突破に偏重しすぎていたため、攻め方の整理が求められることになるだろう。
MF: ストゥラーロ 5.5
持ち前の機動力で様々なエリアに顔を出していたが、負傷で交代することとなった。スソに振り回され自由を与え過ぎたことと決定機を決めきれなかったことが試合の反省点だろう。
MF: ピアニッチ 5.0
キック精度の高さは見せつけたが、流れの中で印象に残るプレーを披露することはできなかった。ローマ戦で負傷交代したこともあり、ディバラとの交代は止むを得ないものである。
FW: イグアイン 5.5
イグアインに期待されるパフォーマンスからすれば、物足りない内容だった。PKキッカーとしての役割は果たしたものの、全体としては沈黙していた印象は否めない。
FW: マンジュキッチ 6.0
意表を突く形でシュートを放ち、サイドに開き、クロスからチャンスを演出するなど2トップ起用されたCFとして十分な役割を果たした。マンジュキッチと同じ貢献度をする選手が攻撃陣にいれば、PK戦に入ることもなかったはずだ。
【交代選手など】
DF: エヴラ 5.5
33分に負傷したアレックス・サンドロと交代。スソの対応に手を焼き続けたが、延長戦に入ってからは攻め上がりからチャンスを何度も演出した。ただ、スソが作り出したチャンス数の方が多く、明らかに劣勢だった。
FW: ディバラ 5.0
67分にピアニッチとの交代で出場する。右サイドからのカットインで惜しいシュートを放つも、トップ下という意識から中央でパスを待ち続けたため、試合からほとんど消えていた。その後は116分のシュートミスとPK失敗と信じられないほど散々な内容だった。
MF: レミナ 5.5
ストゥラーロとの交代で79分からプレーする。左MFとしてプレーしたが、ぎこちなさが残り、スソが自由にプレーする結果に。右サイドに回ってからは落ち着いた内容を見せることができた。
アッレグリ監督 5.5
負傷で2選手を交代させるのは想定外だっただろう。また、交代投入した選手のパフォーマンスが芳しくなく、攻撃が中央に偏り過ぎたことも問題だ。同点だった79分に最後の交代枠で右MFにクアドラードを入れる、ディバラに右サイドから攻撃の起点となることを意識させるなどのバランスの修正が見られなかったことが気になる点である。
ダマト主審 5.0
試合を盗んではないが、絶体絶命になりかけたミランに “温情” をかけたことは事実だ。リヒトシュタイナーのエルボー?デ・シリオのエリア内でのハンドを見逃したこととどちらが大きな恩恵を受けたかを考えるべきだ。