スタディオ・マルカントニオ・ベンテゴディで行われたセリエA第12節キエーボ戦はピアニッチ選手のFKで勝ち越しに成功したユベントスが 1-2 で勝利し、連戦を締めくくりました。
出場した選手およびフォーメーションは以下のとおりです。
AC Chievo Verona [3-5-2] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 70: ソレンティーノ | 1: ブッフォン |
DF | 2: スポッリ 3: ダイネッリ 18: ゴッビ |
26: リヒトシュタイナー 15: バルザーリ 4: ベナティア |
MF | 13: イスコ 19: カストロ 8: ラドヴァノヴィッチ 56: ヘテマイ 29: カッチャトーレ |
7: クアドラード 5: ピアニッチ 11: エルナネス 27: ストゥラーロ 12: アレックス・サンドロ |
FW | 83: フローロ・フローレス 23: ビルサ |
9: イグアイン 17: マンジュキッチ |
キエーボは大方の予想に反し、3-5-2 を選択。ビルサ選手がセカンドトップとしてフローロ・フローレス選手をサポートし、スポッリ、ダイネッリ、ゴッビの3選手をCBに入れるミラーゲームを狙います。
対するユベントスも 3-5-2 を選択。リヒトシュタイナー選手が右CBに入り、クアドラード選手が高い位置をとることで 4-3-3 にも変化することができる可変的なシステムで試合を迎えます。
ユベントスは試合序盤にいきなりのアクシデント。CKの競り合いで左肩から落下したバルザーリが起き上がれず、そのまま担架で搬送。ボヌッチが緊急出場することとなる。
アッレグリはベナティアを右CB、ボヌッチを左CBに入れる 4-3-3 に変更。ミラーゲームを避ける狙いを見せたが、キエーボが前に出る姿勢は変わらず、激しいバトルが繰り広げられる。
流れの中から最初にチャンスを得たのはユベントス。27分にピアニッチからのロングパスをマンジュキッチが頭で裏のスペースに流し、切り返しからシュート。しかし、これは枠を越えてしまう。
42分にはアレックス・サンドロからのクロスをイグアインがトラップからシュートを狙うも、GKソレンティーノがセーブ。前半は 0-0 で折り返すこととなる。
後半もユベントスが押し気味に試合を進める中、53分に試合が動く。キエーボのパスを中に絞っていたクアドラードがカットすると、前線のマンジュキッチにスルーパス。これを冷静に決め、ユベントスが均衡を破る。
しかし、キエーボも引き下がらない。64分に混戦の中からシュートを放ち、ユベントスゴールを脅かすと、その直後に裏のスペースに抜け出したペリッシェルが倒され、PKを獲得。ペリッシェル自身がゴール右下に蹴り込み試合を振り出しに戻す。
同点に追いつかれたユベントスは勝ち越しを狙い、前に出る。すると、74分にボヌッチからの縦パスを受けたピアニッチがゴール正面でファールを受け、FKを獲得。ピアニッチの右足から放たれたシュートはゴール右上に吸い込まれ、ユベントスが勝ち越しに成功する。
ユベントスはその後、ピアニッチ(FK)、ストゥラーロ、クアドラードに3点目のチャンスがあったが、決めきれず。それでも、キエーボの反撃を封じ込め、勝点3を持ち帰ることに成功した。
ユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
カストロのシュートをストップするなど、役割を十分に果たした。PKでの失点は止むを得ないものと言える。
DF: リヒトシュタイナー 5.5
結果論となるが、ペリッシェルにPKを与えたシーンでは内側を先に閉めるべきだった。それ以外では大きなマイナスとなる要素がなかっただけに残念だ。
DF: バルザーリ ー
競り合いで肩を負傷し、交代を余儀なくされる。左肩の脱臼と発表されているが、回復時期は未定となっている。
DF: ベナティア 6.5
試合の大部分を4バックでプレー。ボヌッチとのコンビネーションも良く、正しいポジショニングでキエーボの攻撃を封じ込めることに成功した。
WB: クアドラード 6.5
タイトなマークに苦しむも、相手の運動量が落ちた後半はスペースを得て躍動した。先制点の起点となったプレーはポジショニングの良さと視野の広さが加わった良い判断だった。
MF: ピアニッチ 7.0
キックの精度で得点機会を演出し、FKで得点も決めた。個人の能力として申し分がないだけに、周囲との確固たる連携面での確立が待たれるところだ。
MF: エルナネス 6.0
高い集中力を保ち、レジスタとしての評価を高めるプレーを行った。敵陣でボールを配給する時は、FWへの鋭い縦パスも選択肢に加えると、さらに評価が高まることだろう。
MF: ストゥラーロ 6.0
中盤でとにかく走り、広大なエリアをカバーし続けた。ポゼッション時に関与するプレーが増えたり、決定機を決め切ることができていれば、序列はさらに上がることが期待できる。
WB: アレックス・サンドロ 6.5
ストゥラーロがスペースを開けたこともあり、リヨン戦で課題となっていた左サイドからの攻め上がりという点がチームとして大きく改善されていた。良質のクロスを何度も提供できており、選手個人のプレー内容も良好だった。
FW: マンジュキッチ 7.0
前線からのプレスを続け、先制点を決め、スタミナがゼロになるまでFWとしての仕事を続けた。手を抜かなかったことは高く評価されるべきものであろう。
FW: イグアイン 6.0
セリエA記録を樹立した得点王に厳しいマークが付く状況で決定機を作り出すなど能力の高さを見せつけた。ダイネッリにユニフォームを引っ張られても、PKを得る目的で安易に倒れなかった真摯な姿勢は評価したい。
【交代選手など】
DF: ボヌッチ 6.0
前半4分での緊急投入は完全に想定外で、序盤のパフォーマンスが低調だったことは責められない。しかし、後半は決勝点になるFKにつながる縦パスを入れるなど、持ち味を発揮し、チームに貢献した。
DF: エヴラ 6.0
79分にイグアインとの交代でCBの位置に入る。3ポイントを持ち帰るために守備陣強化という期待に応え、試合を締めくくった。
DF: ダニ・アウベス ー
リヒトシュタイナーに代わり、84分からプレー。高い位置からプレスをかけ、ストゥラーロの決定機をお膳立てする。
アッレグリ監督 6.5
バルザーリの負傷交代でプラン変更を余儀なくされたが、後半勝負で結果を持ち帰ることに成功した。理想的なピアニッチの起用ポジションを見つけ出すことにまだ苦労している印象があり、この点を解決することが年末に向けての課題となるだろう。
バレリ主審 6.0
いつも通りに大量のイエローカードを提示した ただ、混戦になった際にジャッジを下さないというシーンが複数回あり、キエーボ側から不満は出たとしても不思議ではない。しかし、エリア外であったのにPKを与えたという不満の声が一部で上がっていることも事実である。