2016/17 シーズンのチャンピオンズリーグ初戦となったセビージャ戦は互いに得点を奪うことができず、0-0 のドローに終わりました。
試合に先発した両チームの選手は以下のとおりです。
Juventus [3-5-2] |
Sevilla FC [4-3-2-1] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: リコ |
DF | 15: バルザーリ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
24: メルカド 23: ラミ 21: パレハ 18: エスクデロ |
MF | 23: ダニ・アウベス 6: ケディラ 18: レミナ 22: アサモア 33: エヴラ |
15: エンゾンジ 4: クラネビッテル 8: イボーラ 20: ビトロ 17: サラビア |
FW | 21: ディバラ 9: イグアイン |
22: バスケス |
ユベントスは 3-5-2 を選択。中盤はケディラ、レミナ、アサモアの3選手で構成され、ピアニッチ選手はベンチスタートとなりました。ハードワークが見込めるメンバーがピッチに送り出されたと言えるでしょう。
対するセビージャは4バックを選択。クラネビッテル選手が加入後初先発し、実質的な0トップで流動的な前線で試合を迎えました。
試合は両チームともに「相手をプレスの網にかけ、速攻で仕留める」という意識でスタートします。最初に効果を発揮したのはユベントス。
7分に2列目からケディラが抜け出すことに成功し、シュートを放つ。しかし、これは雨で緩くなったピッチの影響もあり、枠を捉えることはできません。ケディラは15分にも持ち前の馬力でセビージャ守備陣を突破し、シュート機会を迎えるも、ここはDFに寄せられ、シュートはGKにキャッチされてしまいます。
30分にはイグアイン・ディバラのコンビネーションで決定機が訪れるも、ここはGKリコが果敢な飛び出しを行い、ピンチの芽を事前に摘むことに成功。前半は 0-0 のまま終えることとなります。
後半に入っても、基本的な構図は変わらず。ユベントスは攻める姿勢を見せるものの、FWとDFの距離が遠くなり、間延びが目立つようになります。対するセビージャは最後で踏ん張りは見せるものの、ゴールよりスペースを目指してボールを動かし、時間を進めることを優先する姿勢で試合を続けます。
59分にはカウンターを右サイドに展開し、ダニ・アウベスがクロスを供給。中央でイグアインがヘッドで合わせ、GKリコが一歩も動けなかったものの、シュートはクロスバーに嫌われる。
リズムが悪くなっていたユベントスは68分にピアニッチとアレックス・サンドロの2選手を投入。パスワークでリズムを取り戻し、攻勢を強めます。
しかし、終了間際にピアツァがエリア内で倒されるも、主審の笛は鳴らず。アディショナルタイムのアレックス・サンドロのヘディングシュートはGKリコのスーパーセーブで防がれ、試合は 0-0 のまま終了することとなりました。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
枠内シュートは正確にセーブし、ピンチらしいピンチはなかった。懸念されたCKの守備もトラブルに見舞われず、クリーンシートを達成。
DF: バルザーリ 6.5
昨シーズン、手を焼いたバスケスに仕事をさせず、沈黙させることに成功。セビージャに攻撃らしい攻撃をするチャンスを与えなかった。
DF: ボヌッチ 6.0
守備では安定感を発揮するも、持ち味の1つであるビルドアップでは能力を発揮できず不完全燃焼だった。ステーションパスを避ける意図は理解できるが、相手FWに縦パスをカットされては元も子もない。
DF: キエッリーニ 6.0
手堅い守備を披露し、空中戦では存在感を発揮するラミを抑え切った。スピード系の選手に振り回されている印象があるため、この部分の改善が今後のテーマとなるだろう。
WB: ダニエウ・アウベス 6.0
効果的なクロスを供給するなど右サイドで上手くプレーしていた。しかし、連携面が完成の域に達していないこともあり、輝いたのが単独プレーが中心だったことが不満に感じた点だった。
MF: ケディラ 6.0
試合序盤はエリア内への侵入など攻め上がりも良く見ることができたが、徐々にバランスを取ることが多くなった。フル出場を続けるフィジカルは保てており、この点が昨シーズンとの違いだろう。
MF: レミナ 5.5
実質的なチャンピオンズリーグのデビュー戦ということもあり、少し緊張の様子が見られた。ただ、アンカーとして守備の役割は十分にできており、攻撃面でも絡むことができていれば、十分に合格点だった。
MF: アサモア 5.0
機動力とフィジカルの強さで対面するエンゾンジをバイタルに侵入させなかった点は高く評価される。しかし、柔らかいピッチに手こずり、ボールタッチが雑になってしまったことが攻撃を停滞を招いてしまった点は大きなマイナスでもある。
WB: エヴラ 5.5
左サイドでソリッドに戦う姿勢は十分に見てとることができたが、攻撃面での関与はほとんどない状態だった。多くの時間帯で沈黙していたことは反省材料だろう。
FW: ディバラ 5.0
能力の高さは至る場面で示されていたが、間延びしていたこともあり、孤立に近い状況だった。シュートチャンスでラストパスを選択するなどアシスト意識が強すぎる点を完全する必要がある。
FW: イグアイン 6.0
ポストプレーやボールタッチの巧さなどCFとして求められるプレーを難なく行い、攻撃の重要な一端を担っていた。ゴールが決まっていれば報われたが、運が悪かったとしか言いようがない。
【交代選手など】
WB: アレックス・サンドロ 6.0
68分にエヴラとの交代で出場。縦への突破力でチャンスを演出するとともに、裏のスペースもケアを怠らず交代による狙いを忠実に実行していた。
MF: ピアニッチ 6.0
アサモアと交代し、68分から出場機会を得る。ボールを持ち運ぶことへの恐怖がなく、ビルドアップの停滞を簡単に解決。投入のタイミングがもう少し早くても良かったはずだ。
FW: ピアツァ ー
86分にディバラと交代によりユベントスでのチャンピオンズリーグデビュー。エリア内でボールを受け、潰されるもPKは宣告されず。確かなスキルは持っているだけに、周囲との理解が進むことで飛躍することができるだろう。
アッレグリ監督 5.5
先発メンバーの人選や戦術はチャンピオンズリーグ初戦として妥当なものだったが、試合中の修正が効果的でなく、後手に回っていたことはマイナス。アレックス・サンドロとピアニッチの投入は10分前倒しすべきだったし、ピアツァについても5分前倒しにするか、マンジュキッチを選択してクロス勝負に持ち込むべきだった。
アイテクン主審 5.5
チャンピオンズリーグでの担当試合数が伸びない理由を垣間見ることができた内容だった。試合をぶつ切りにするファールを取る一方、エリア近辺は流す傾向が強く、一定の基準が保たれているとは言いにくいジャッジだった。ただ、セビージャからすれば、用意した戦術に最も適した審判だったと言えるだろう。