来季(2016/17 シーズン)から本格導入される予定のイタリア版ホームグロウンルールはユベントスの補強戦略にも少なからず影響が生じる可能性があります。
現在のチーム戦力を基に、どういった選手を補強する必要に迫られるのかを想定してみることにしましょう。
まず、セリエAに出場するために登録できるトップチームの人数は25名と定められています。21歳以下の選手であれば対象外となりますが、シーズンを通した戦力として計算することは難しいと思われます。
ユベントスにとって問題となるのはユース出身でトップチーム登録されているのはマルキージオ選手だけということです。
ユース出身枠で4選手を登録しなければならないのですが、現状ではマルキージオ選手の1枠しか埋めることができていないのです。残り3枠を捨て、22選手で戦うことも選択肢として存在するのですが、50試合以上を戦う長いシーズンを考えると、現実的とは言えません。
したがって、現状ではユース出身枠に該当する3選手を補強する必要性が高いという結論に結びつくことになるでしょう。
現時点でユベントスから退団する可能性が高いと報道されているのは以下の選手です。
- マルティン・カセレス:契約満了
- アルバロ・モラタ:レアルが買い戻し権を行使
- フアン・クアドラード:チェルシーに復帰
これら3選手はいずれも実力者であり、可能であれば、チームに引き止めておきたい選手と言えるでしょう。他にも、ネト、ザザ、エルナネス、アサモア、リヒトシュタイナー、ロベルト・ペレイラといった選手に退団の噂が流れており、実際に移籍へと進展することもあり得ると思われます。
来季(2016/17 シーズン)、ユース出身枠としてユベントスに登録される可能性があると言われている選手には次のとおりです。
- クラウディオ・マルキージオ
- アントニオ・ミランテ(32):ボローニャの正GK、ネトが移籍した場合は第2GKとして登録する1番手
- カルロ・ピンソーリョ(26):リボルノ(セリエB)の正GKとしてプレー。第3GK候補
- ルカ・マッローネ(26):今季、カルピとベローナにローン移籍していたMF
21歳を超えた選手でユース出身枠を埋めるのであれば、上記の4選手になる可能性が高いでしょう。
もし、プリマベーラに所属する選手たちを登録枠に含めるのであれば、エミル・アウデーロ選手(GK)、フィリッポ・ロマーニャ選手(DF)やリロラ・コソク選手(DF)が候補となります。ただし、いずれの選手も成長のために出場機会をどうするのかということが課題として横たわることになると言えるでしょう。
もう1つの『4』である「イタリア国内で育成された選手」というハードルはユベントスにとって問題とはならないでしょう。イタリア出身の選手が多数在籍しているからです。
- ジャンルイジ・ブッフォン(38)
- ジョルジョ・キエッリーニ(31)
- シモーネ・ザザ(24)
- アンドレア・バルザーリ(35)
- レオナルド・ボヌッチ(29)
- シモーネ・パドイン(32)
- ダニエレ・ルガーニ(21)
- ステファノ・ストゥラーロ(23)
30歳オーバーの選手が半分を占めていますので、将来的には若返りの必要が出てくると思われます。しかし、こちらは若手選手の保有権を確保し、ローン移籍の形態で経験を積ませている現在の育成プランで十分に対応できるでしょう。
ユース出身選手がトップチームに定着することができてない現状をどう打破するかがユベントスに突きつけられた課題と言えるのではないでしょうか。