“トーニ・デイ(Toni Day)” と銘打たれたセリエA第37節エラス・ベローナ対ユベントスの一戦はトーニ選手のPKなどでベローナが 2-1 の勝利で終えました。
試合に先発した両チームの選手は以下のとおりです。
Hellas Verona FC [4-2-3-1] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 95: ゴッリーニ | 25: ネト |
DF | 3: ピサーノ 22: ビアンケッティ 5: ヘランデル 28: エマヌエルソン |
15: バルザーリ 19: ボヌッチ 24: ルガーニ |
MF | 24: ヴィヴィアーニ 8: マッローネ 13: ヴショウェク 23: ヨニツァ 16: シリガルディ |
16: クアドラード 27: ストゥラーロ 18: レミナ 22: アサモア 12: アレックス・サンドロ |
FW | 9: トーニ | 7: ザザ 21: ディバラ |
ルカ・トーニ選手の花道を飾りたいホームのベローナは 4-2-3-1 を選択。1トップにトーニ選手を入れ、残り10人でお膳立てをする形を採ります。
対するアウェイのユベントスは 3-5-2 を継続。右WBにはクアドラード選手、MFにはストゥラーロ選手が入り、縦に素早いダイナミックさを持ち味にする選手が先発に名を連ねました。
来季セリエBを戦う際もティフォージからの支援を受けたいホームのベローナが強いインテンシティーを保ち、試合を進める。対するユベントスは縦の突破力はあるものの、連携さを欠き、単発の攻撃を繰り出すだけとなる。
ベローナは38分にシリガルディの折り返しをトーニが左足で狙うも、ネトがビッグセーブ。ユベントスは41分にザザのフリックに抜け出したディバラに絶好機が訪れたが、シュートはポスト右に外れ、こちらもゴールを決めることができない。
すると、42分にFKからの流れでピザーノがアレックス・サンドロに倒され、ベローナがPKを獲得。ボヌッチが競り合いの中で倒されていたが、主審は見ていなかったようだ。
このPKをトーニが “クッキャイオ” で決め、前半はホームのベローナが1点リードで折り返す。
同点に追いつくため、重心を前に移したユベントスに対し、ベローナは効果的に追加点をあげる。55分、カウンターで左サイドを駆け上がったヨニツァが右足アウトで中央にクロス。これをヴィヴィアーニが豪快に蹴り込み、2点差とする。
ユベントスはさらに攻勢を強めるが、いつもの連動性が見られない。それでも70分にFKからザザがネットを揺らすも、これはオフサイド。
効果的な攻撃を行うことができず、アディショナルタイムにはアレックス・サンドロがこの日2枚目のイエローカードで退場。ラストプレーでザザがエリア内で倒され獲得したPKをディバラが左隅に決め、一矢報いることがやっとの試合内容だった。
試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: ネト 6.0
2失点の結果は残ったが、どちらもGKに非はない。シュートストップなど役割は果たせており、十分に才能を発揮していたと言える。
DF: バルザーリ 5.5
右サイドのカバーなど守備では存在感を発揮することができていた。ただ、攻撃時の押し上げやボールの中継点とはなれず、今一つの出来だった。
DF: ボヌッチ 5.5
最後尾からのロングパスなど球出しの精度はすばらしい。だが、2失点目での対応は少し軽率だったことがマイナスの印象を強くしている。
DF: ルガーニ 6.0
左右のCBとしてプレーし、攻め上がりにも参加するなど成長の跡を見ることができた。良い質の縦パスを効果的に供給することが次のテーマとなるだろう。
WB: クアドラード 5.5
突破力があることは存分に示していたが、エリア内を固められ、ラストパスやシュートといった決定的な仕事をする余裕がほとんど存在しなかった。ジャッジにも不満を募らせる内容となり、消化不良の一戦であった。
MF: ストゥラーロ 6.0
裏への抜け出しなど走力を活かし、広いプレーエリアで攻守に活躍していた姿勢は高く評価できる。だが、連携さが不足しており、効果的な仕事とはならなかった。
MF: レミナ 5.5
ボール奪取力があることは披露できていたが、ミドルレンジやロングレンジのパスの精度を大きく欠いた。パスのバリエーションを増やし、視野の広さをアピールすることは良いが、正確性がなければ攻撃の手詰まりを起こすだけであることを学ぶ必要がある。
MF: アサモア 5.0
ボールは持てたのは後ろ向きのケースがほとんどで、前に運ぶことができなかった。ポグバやケディラといった “ボールを持てて、運べるタイプ” と組むことが不可欠と思われる。
WB: アレックス・サンドロ 5.0
アンラッキーな1日だった。PKを献上したシーンではその前のプレーでファールが取られているべきだったし、2枚目のカードも不幸としか言いようがなかった。
FW: ザザ 5.5
PKを獲得したのだから、合格点に値するという声もあるだろう。だが、フル出場をしたCFとして2点のリードを許した後半の追加タイムまで何も仕事ができていなかった現実を見落としてはならない。
FW: ディバラ 6.0
シーズン序盤のチーム状態が上がらない中、ディバラ1人が気を吐いていた状況と非常に似通った内容の試合だった。
【交代選手など】
MF: ペレイラ 5.5
63分にストゥラーロと交代でピッチに入り、ビルドアップに加わり、攻撃の潤滑油としての役割を果たす。ただ、長いブランクが影響してか、以前のような切れがある状態にはなかった。
WB: パドイン ー
アサモアと交代で71分から出場。アレックス・サンドロのポジションに入り、守備に比重を置く役目をこなした。
CB: キエッリーニ ー
バルザーリと代わり、72分からの調整出場。負傷を再発させることなく、試合を終えることができたことが朗報と言えるだろう。
アッレグリ監督 5.5
よく目にする大声での指示はなく、個々の選手に与えたミッションが遂行できているかをピッチサイドで見極めているような采配だった。このメンバーで試合に臨むのであれば、ブロックを敷き、相手を誘い込んでからのロングカウンターを主体にするか、前線からのハイプレスを軸にした波状攻撃であるべきだったが、チームとしての一体感がなく、ちぐはぐさだけが目立つ内容だった。
マレスカ主審 5.0
実力不足。ジャッジする位置は悪く、判断スピードも遅かった。また、ジャッジによってラフプレーが頻発したことも軽視できるものではない。来季はベローナとともにセリエBで研鑽し直すべき内容であったと言わざるを得ない。