サンシーロで行われたミラン対ユベントスの一戦はマンジュキッチ選手とポグバ選手のゴールで、ユベントスが 1-2 での逆転勝ちに成功しました。
試合に先発した両チームの選手は以下のとおりです。
AC Milan [4-4-2] |
Juventus [3-5-2] |
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GK | 99: ドンナルンマ | 1: ブッフォン |
DF | 20: アバーテ 33: アレックス 13: ロマニョーリ 31: アントネッリ |
15: バルザーリ 19: ボヌッチ 24: ルガーニ |
MF | 10: 本田 圭佑 18: モントリーボ 27: クツカ 28: ボナベントゥーラ |
26: リヒトシュタイナー 10: ポグバ 8: マルキージオ 22: アサモア 12: アレックス・サンドロ |
FW | 45: バロテッリ 70: バッカ |
17: マンジュキッチ 9: モラタ |
ホームのミランは 4-4-2 を選択。モントリーボ選手が間に合ったことと、バロテッリ選手が先発したことが特筆事項と言えるでしょう。
対するユベントスは 3-5-2 を選択。出場停止処分明けのボヌッチ選手とアレックス・サンドロ選手が先発に戻り、ケディラ選手の穴はアサモア選手が埋め、試合に入ります。
試合はユベントスがボールを持ち、ミランはタイトな守備から隙を狙う形でスタート。ユベントスのペースに慣れたミランが先制に成功する。
14分、ゴール左で得た FK をバロテッリが直接狙うも、ブッフォンが右手一本で何とかセーブ。その3分後に得た CK からアレックスが頭で合わせ、ミランがリード奪う。
リードを許したユベントスも反撃を開始。リヒトシュタイナーとマルキージオが左足で狙うも、ゴールを決めることができない。それでも、ユベントスは27分に追いつくことに成功する。
ブッフォンからのゴールキックをマンジュキッチが頭で落とし、モラタがそのボールをダイレクトでディフェンスの裏へと折り返す。そこに走り込んだマンジュキッチがドンナルンマの動きを冷静に見て、右足で流し込み、同点に追いついた。
後半に入っても一進一退の展開は変わらない。ミランは51分にバッカのシュートのこぼれ球に反応したバロテッリが押し込むも、手を使ったため、ゴールは認められない。ユベントスは60分にポグバの FK がポストを直撃するなどシュートの応酬が激しくなる。
この状況で勝ち越しに成功したのはユベントス。65分、左からの CK をポグバがファーで胸トラップし、右足でシュートを叩きつける。ボールはドンナルンマの頭を越える軌道を描き、ゴールネットを揺らした。
ユベントスはモラタとアサモアを負傷による交代を強いられたが、リードを許したミランの強度が急に低下したため、ピンチらしいピンチには陥らず。1-2 での逆転勝ちに成功し、リーグ6連勝を飾った。
試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 7.5
“スーペル・ジジ” がチームに逆転勝ちを呼び込んだと言える。バッカやバロテッリの決定的なシュートをセーブし、失点にはなったが、アレックスのシュートも腕に当てていた。
DF: バルザーリ 6.0
普段と変わらず、安定感のある守備力を発揮していたが、バロテッリとのマッチアップでは少し手を焼くシーンも見られた。
DF: ボヌッチ 6.0
中央でバッカをほぼ完全に試合から消し去っており、守備でトラブルに巻き込まれていた様子は見られなかった。
DF: ルガーニ 6.0
集中力と冷静さを保ち続けていた。ミランの強みでもある右サイドに自由を与えず、封じ込めに成功したことは自信になるはずだ。失点シーンでアレックスをやや見失っていたことは反省材料である。
WB: リヒトシュタイナー 6.5
攻守に渡り、良いタイミングで顔を出すことができていた。特に攻撃では受け手として良い位置でボールを引き出せており、幅を持たせる役割を果たせていた。
MF: ポグバ 7.0
クツカのタイトなマークに遭い、前半はプレーの自由が与えられなかった。ただ、アンカーの位置まで降りてマルキージオと役割を入れ替えたり、右サイドに張り出したりと冷静さを保っていた。追加点はアバーテとの駆け引きを上手く制し、スペースを作り出せたことが勝因だ。
MF: マルキージオ 6.0
中盤のフィルター役だけでなく、前線に効果的なピンポイントパスを供給するなど役割を果たしていた。ミスは前半に縦パスが1回引っかかった程度だろう。
MF: アサモア 6.0
ボールを運ぶタイプの選手ではないが、黒子役に徹することでチームの潤滑油として作用し続けた。負傷交代をする際に(過去に大怪我を負った)左ひざを気にしていたことが気がかりだ。
WB: アレックス・サンドロ 6.0
アバーテと本田のコンビに数的不利な状況で手を焼くシーンが見られた。だが、攻撃面では突破力で押し戻したことは大きい。中盤でもプレー可能な繊細なボールタッチは評価されるだろう。
FW: マンジュキッチ 6.5
モラタとのコンビで上手くミラン守備陣を突破し、同点弾を決めた。マークが厳しくチャンスがあまりなかったことを考えると貴重な働きをしたと言える。
FW: モラタ 6.0
前線でのロングドリブルなど効果的な働きをし続けていた。同点ゴールはモラタの絶妙なアシストに基づくもので、得点のチャンスもあっただけに負傷交代となったことが悔やまれる。
【交代選手など】
FW: ザザ 5.5
67分に負傷したモラタと交代でピッチに。前線からの追回しという持ち味は見せたが、連携面での疎通が取れていなかったこともあり、得点にまでは至らなかった。
WB: クアドラード ー
リヒトシュタイナーと交代で81分から出場する。持ち前の機動力でミランの左サイドからの攻撃を牽制し、危なげない試合展開に持ち込むための役割を果たす。
WB: エヴラ ー
85分にアサモアとの交代でアレックス・サンドロのポジションを担当する。最後の締めを行い、ミランに付け入る隙を与えなかった。
アッレグリ監督 7.0
ミランの守備を左右に広げ、できたスペースに速い縦パスを通すというプランを用意し、結果を出すことに成功した。前線2人の距離感も良く、ロングフィードも効果的に使えたことが大きい。交代采配も負傷した選手の穴を的確に埋めるなど隙を見せなかった。
オルサート主審 6
基本的にフィジカルコンタクトは容認だったが、ホームのミラン側に寄り添うセリエAらしい主審だった。もちろん、ホームアドバンテージの範囲内であり、判定そのものが批判される内容ではないことも事実である。
MF: 本田 圭佑(ミラン) ガゼッタ紙 5.5 スカイ 5.0
〔ガゼッタの寸評〕 この日本人は満足できるほどオフェンシブではなく、試合で自らの足跡を残すことにも失敗した。ファイナルサードでは十分な存在感を示していないし、攻撃センスもごく乏しいものだった
ガゼッタ紙のインタビューでユベントスを “古典的なイタリアのチーム(la classica squadra italiana)” とコメントした以上、攻撃で驚異となれなかったことで評価が伸びなかったのでしょう。
沈黙していたバッカ選手(4.5)やボナベントゥーラ選手(5.0)よりマシですが、得点の予感させたバロテッリ選手(6.0)より低い採点なのは妥当だと思われます。