雨のトリノで行われたセリエA第27節ユベントス対インテルのイタリア・ダービーはボヌッチ選手とモラタ選手のゴールでユベントスが 2-0 の勝利で終えました。
試合に出場した両チームの選手とシステムは以下のとおりです。
Juventus [3-5-2] |
FC Internazionale [3-5-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: ハンダノビッチ |
DF | 15: バルザーリ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
24: ムリージョ 25: ミランダ 5: フアン・ジェズス |
MF | 26: リヒトシュタイナー 6: ケディラ 11: エルナネス 10: ポグバ 12: アレックス・サンドロ |
33: ダンブロージオ 83: フェリペ・メロ 17: メデル 7: コンドグビア 12: アレックス・テレス |
FW | 17: マンジュキッチ 21: ディバラ |
8: パラシオ 9: イカルディ |
ユベントスは負傷の癒えたキエッリーニ選手が先発に復帰したことで3バックを採用。マルキージオ選手の代わりにエルナネス選手が起用された以外は実質ベストメンバーが名を連ねました。
インテルもユベントスと同じ 3-5-2 を選択。堅守をベースに 1-0 で結果を出してきたシーズン序盤の勢いを取り戻す目的を持って試合を迎えます。
試合はバイエルン戦の反省を踏まえたユベントスが良い形で入ることに成功する。5分にエルナネスがロングレンジから左足で強烈なシュートを見舞うも、ハンダノビッチがわずかに触れ、クロスバーに救われる。
スリッピーなピッチにインテル守備陣が手こずる中、マンジュキッチやディバラに得点機が訪れるもゴールは生まれない。対するインテルはクロスからチャンスを作ろうとする。しかし、30分にイカルディへとつながったクロスはトラップが流れ、シュートは打てない。
両チームとも得点の匂いは感じさせるシーンは生み出し続けたものの、枠内に飛んだシュートはエルナネスの1本のみ。インテルに至ってはシュート0本で前半を 0-0 で終えた。
試合が動いたのは後半の立ち上がり47分。
右サイドで獲得した FK をディバラがファーサイドに入れると、ダンブロージオが頭でクリアするも、そのボールがニアに走り込んだボヌッチへの浮き球のパスとなる。ボヌッチの右足から放たれたダイレクトボレーがネットを揺らし、ユベントスが先制に成功した。
これにより、ウノゼロ狙いのインテルは戦略修正を余儀なくされる。ユベントスは前に出るインテルを上手くいなし、時間だけが経過する中、インテルはアレックス・テレスを下げ、4-3-3 にスイッチするもユベントスの守備を崩し切れない。
すると、84分に試合を決定づけるゴールが生まれる。センターライン付近からドリブルを開始したモラタが相手ボックス内にまで持ち上がり、切り返したところでミランダに倒される。獲得した PK をモラタ自らがゴール右に蹴り込み、リードを2点差とした。
インテルは最後の交代カードとして投入したエデルがブッフォンを脅かすシュートを放つも、得点には至らず。試合はそのまま 2-0 で終了した。
試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 7.0
自身のセリエA無失点記録(746分)を達成するなど、衰え知らず。ファインセーブを強いられるシーンもあったが、流石の反応を見せ、記録達成に花を添えた。
DF: バルザーリ 6.0
パラシオへの対応に少し手を焼くシーンもあったが、左右のストッパーとして存在感を発揮。壁として君臨し続けている。
DF: ボヌッチ 7.0
イカルディを完全に試合から消し去り、先制ゴールを記録するなど主役として試合を終えた。グアルディオラが称賛する理由をピッチで証明したと言えるだろう。
DF: キエッリーニ 6.0
安定した守備陣を構成していただけに負傷交代は残念だ。
WB: リヒトシュタイナー 6.0
対面するアレックス・テレスに効果的な仕事をさせず、クロスの供給源となったり、ファールをもらうなど起点として申し分のない働きを90分間継続した。
MF: ケディラ 5.5
怪我明けであり、コンディションをこれから上げて行くことが不可欠だ。ただ、この状態でコンドグビアと遜色ない内容だったのだから、あまり悲観的になる必要もないだろう。
MF: エルナネス 6.0
前半にフェリペ・メロに横パスを読まれていた以外は問題視すべきプレーはなかった。持ち味の攻撃力も示せていたし、裏を狙った浮き球のパスを上手く織り交ぜられるようになれば、さらに凄みを増す成長の余地が残されている。
MF: ポグバ 6.0
反則覚悟のマンツーマンという持ち味を消す守備スタイルで挑まれたが、相手に付き合うことなく、周囲の味方を活かすプレーができていた。
WB: アレックス・サンドロ 6.0
左サイドでの攻撃時にサポートを怠らず、ダンブロージオを自陣に押し戻す役割を果たしていた。その反面、縦への突破を許すシーンも複数回あり、タックルのさらなる精度向上が期待されるだろう。
FW: マンジュキッチ 6.0
前線からのチェーシングを90分続け、ゴールに迫るなど CF として求められる “華やかではない方の仕事” を堅実にやり遂げた。
FW: ディバラ 5.5
さすがに疲労が蓄積して来ているのだろう。走り込んでからの左足でのシュートにズレが生じ、シュートの脅威が減少しているが、先制点につながる FK の精度は流石である。
【交代選手など】
DF: ルガーニ 6.5
36分にキエッリーニと交代で出場。ナポリ戦と同様に問題なくプレーし、大一番での経験を順調に積み重ねている。
MF: ストゥラーロ 6.0
ケディラに代わり、78分から出場。持ち前の走力を活かし、インテルの攻撃を遅らせ、守備のブロックを構築する時間を稼ぐという求められた仕事を着実に遂行した。
FW: モラタ 6.5
82分にディバラとの交代で出場し、その2分後に決定的な仕事をやってのけた。先発の座を取り戻す足がかりになるだろう。
アッレグリ監督 6.5
フィジカル面で優位性を持ったインテルにミラーシステムで1対1の肉弾戦を求められるも、先手を取ることで終始試合を優位に進めることに成功した。用意した戦術や交代策も的確であり、采配でカバーした試合と言えるだろう。
ロッキ主審 5.5
インテリスタは PK の判定に文句を言うだろうが、ボールではなく足を刈ってしまっている。あのプレーをノーファールとするなら、エルナネスやケディラにカードが出されたタックルへの判定を問題視する必要があるはずだ。