スタディオ・レナート・ダッラーラに到着したユベントスのチームバスがボローニャのウルトラスから襲撃されるという幕開けで始まったセリエA第26節ボローニャ対ユベントスの一戦は両チームともゴールを欠き、0-0 のドローに終わりました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Bologna FC [4-3-3] |
Juventus [4-3-1-2] |
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GK | 83: ミランテ | 1: ブッフォン |
DF | 15: ムバイ 28: ガスタルデッロ 20: マイエッタ 25: マジーナ |
26: リヒトシュタイナー 19: ボヌッチ 15: バルザーリ 33: エヴラ |
MF | 30: ドンサー 21: ディアワラ 8: タイデル |
27: ストゥラーロ 8: マルキージオ 10: ポグバ 37: ペレイラ |
FW | 22: リッツォ 10: デストロ 17: ジャッケリーニ |
7: ザザ 9: モラタ |
ドナドーニ監督が率いるボローニャは 4-3-3 を選択。ユベントスが注目する3選手はスタメンに名を連ね、デストロ選手を CF に置く3トップで試合を迎えます。
対するユベントスはペレイラ選手をトップ下に置く 4-3-1-2 をチョイス。DF 陣は現状でのベストメンバーが並び、ディバラ選手に休養が与えられたことによりザザ選手とモラタ選手が先発しました。
試合は両チームとも中盤から厳しくチェックを行い続け、激しい内容が続く。最初に得点を予感させたのはユベントス。9分に CK からエヴラが頭で狙うもボールは右に外れた。
対するボローニャは 21 分にデストロがロングシュート。大きく変化したボールをブッフォンが弾き、こぼれ球をドンサーが狙うも、シュートは枠を捉え切れない。
両チームを通じて枠を捉えたのはデストロのシュート1本で前半を終える。
後半、勝点3が欲しいユベントスはクアドラードを投入し、サイド攻撃を色濃くする采配をする。徐々に押し込み始めたユベントスだったが、それでもミランテを脅かすまでには至らない。
70分過ぎにディバラを投入し、さらに攻勢を強めるが、それでも必死で絶えるボローニャの守備陣を崩せない。
マルキージオのパスに反応したポグバのシュートは枠を捉え切れず、モラタの反転からのシュートはミランテが左手1本でコーナーに逃れる。
追加タイム直前に左サイドを突破したポグバからのグラウンダーのクロスはミランテが何とか手に当ててコースを変えたため、飛び込んだクアドラードにはわずかに合わず、両チームとも勝点1を分け合うこととなった。
試合に出場したユベントスの選手/監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
肝を冷やしたのは前半のデストロのシュート1本だけ。それ以外は安定した守備陣により、出番自体がない試合だった。
DF: リヒトシュタイナー 5.5
ジャッケリーニの対応に手を焼き続け、攻撃面ではサイドからの押し上げや連携した切り崩しをほとんでできなかった。
DF: ボヌッチ 6.0
バルザーリとともにボローニャの攻撃を食い止め、縦パスの出しどころを探す試合だった。CB として求められる最低限のことはやり遂げていた。
DF: バルザーリ 7.0
デストロを完全に押さえ込んだ上に、機を見ては攻め上がりを見せるなど申し分のない働きを行った。コンディション的にも絶好調と言えるだろう。
DF: エヴラ 6.0
ポグバをサポートするためにもう少しオーバーラップを積極的にすべきとの意見もあるだろう。だが、そのスペースにモラタが頻繁に張り出しており、渋滞が起きていたことを見落としてはならない。守備は問題なかったことは誰もが認めるはずだ。
MF: ストゥラーロ 5.5
ぎこちない内容だった。スペースを消されると持ち味が極端に失ってしまうという課題が明らかになった試合だったと言えるだろう。ケディラからこういった試合でのプレー方法を学ばなければならない。
MF: マルキージオ 6.0
有効なパスを何本か通し、ボローニャのカウンターも早い段階で潰せていた。だが、ディバラ不在で縦パスのコースがなく、四苦八苦なプレーだったことは否めない。
MF: ポグバ 6.5
「何でも自分でやり切らなければ」というシーズン序盤のプレーを彷彿させる内容だった。だが、今日の試合については同情できる。ピッチ中央付近で DF と MF の間でボールを受ける勇気を持った味方が皆無だったからだ。いとも簡単にポグバが単独で何度も突破できるなら、トップ下の獲得に大金を費やすことなどバカげたことである。
OMF: ペレイラ 5.0
トップ下での起用だったはずだが、サイドで起点になるよう指示があったのだろうか。アンカーの両脇など相手守備陣の嫌がる位置でボールを受け、そこからのドリブルやパスを期待されていたはずだが、プレー内容や狙いに疑問が残る。
FW: ザザ 5.0
ボールへの追い回しにはハードワークしていたが、それだけだった。ナポリ戦のように自らボールを引き出してからシュートを狙うという姿勢があっただろうか。裏への一本槍ではなく、イグアインを参考にし、上手い動き方を身につけなければならない。
FW: モラタ 6.0
ザザが中央に陣取っていたため、ウィンガーとして役割の比重が高い部分があった。それでも単独でも持ち上がりなどで違いを見せ、CF としてエリア内のいるべき場所に顔を出していた。
【交代選手など】
MF: クアドラード 6.0
後半開始時からペレイラと交代で出場。右サイドをスタートポジションとし、攻撃を幅を持たせ、活性化することには成功した。だが、ゴールを奪い切れなかったことが悔やまれる。
FW: ディバラ 5.5
68分にザザと代わり出場するも、集中するボローニャ守備陣を混乱させるまでには至らず狂った攻撃の歯車を元通りにすることはできなかった。
アッレグリ監督 5.5
最大の疑問は「先発で起用したペレイラにどういった役割を持たせていたか」だ。FW のザザやモラタに裏のスペースを意識させる指示は DF と MF の間にスペースを生む効果があるが、(仮にそうだったとしても)できたスペースをトップ下のペレイラが活用できていなかったことに疑問が残る。走力か対人守備に難がある CB が対応せざるを得ない状況を作り出すために FW に “縦の関係” を意識づけておく必要があっただろう。
イッラーティ主審 5.5
ゴール正面ボックス付近での判定が守備陣有利に偏っており、その点には疑問が残る。主審の全体的なジャッジは公平なものであったが、メインスタンド側の副審はオフサイドの判定を複数回ミスジャッジするなど審判団としては不合格の水準だった。