会計監査法人の『デロイト』による毎年恒例のサッカークラブの収入における長者番付2016年版が発表され、ユベントスは前年と同じ10位にランクインしました。
2014/15 シーズンのランキングトップ10は下表のとおりです。
チーム名 | 売上高(単位:百万ユーロ) | ||
---|---|---|---|
14/15 | 13/14 | ||
1 | レアル・マドリード | 577 | 549.5 |
2 | バルセロナ | 560.8 | 484.8 |
3 | マンチェスター・U | 519.5 | 518 |
4 | パリ・サンジェルマン | 480.8 | 471.3 |
5 | バイエルン・ミュンヘン | 474 | 487.5 |
6 | マンチェスター・C | 463.5 | 416.5 |
7 | アーセナル | 435.5 | 359.3 |
8 | チェルシー | 420 | 387.9 |
9 | リバプール | 391.8 | 305.9 |
10 | ユベントス | 323.9 | 279 |
ユベントスは売上高を2億7900万ユーロから3億2390万ユーロにまで伸ばしたのですが、リバプールやアーセナルといったクラブも同様に収益を伸ばしたため、順位は変わりませんでした。
ただ、収益が9位だったリバプールとの差が約2700万ユーロ(2015年)から約6700万ユーロと 2.5 倍に開いたことは覚えておく必要があるでしょう。
ユベントスについての収益分析は次のように記載されています。
昨年度から比較して 16% 増の売上を記録し、順調に業績を伸ばしていると言えるでしょう。これは先日ユベントスがクラブとして発表した決算資料からも読み取れることでもあります。
これに大きく寄与したことは “放映権収入” です。ユベントスを上回る放映権料を手にしたのはレアル(€199.9m)とバルセロナ(€199.8m)の2チームだけであり、額もほぼ同額となています。
その要因はチャンピオンズリーグでの躍進に支えられたものであり、その証拠に UEFA からの放映権が €89.1m と他の強豪クラブから頭一つ抜け出ています。この収入を継続するという意味でも、チャンピオンズリーグで安定した強さを発揮する必要があるでしょう。
また、試合収入も前年比 25% 増を記録しており、こちらも(高いチケット代の設定が可能な)チャンピオンズリーグの試合が増加した恩恵を受けています。
ユベントススタジアムの収容可能観客数は41000人であることから、1人あたりの売上高を高める形を維持できるかが今後の課題となるでしょう。ちなみにリーグ戦の平均観客動員数は36292人と報じられており、ビッグマッチ以外でどれだけ観客を呼び込めるかが鍵です。
逆にネガティブな点と指摘されているのは(スポンサー収入等が反映される)商業面での収入が減ったことです。
ダウンすると見られていなかっただけに少し驚きがあったと言えます。ただ、来年度(2017年)の調査にはアディダス社とのスポンサー契約が反映されますし、胸スポンサーを務める Jeep との契約更改が間近と見られています。来季のスポンサー収入は増加が見込めると思われます。
2017年にはコンセプトストア、J-ホテル、インターナショナルスクールを含めた “J-ビレッジ” が完成する見込みであり、スポンサーを含めた商業面でのギャップを埋めることが期待されています。
継続した収益アップを目指し、堅調に成長する経営戦略を立案・実行するとともに、将来を見越した投資を続けることが重要だと言えるでしょう。