FIFA がレアルとアトレティコのマドリードの2チームに対し、今後2回の移籍市場における補強禁止処分を下したことがニュースとなっています。
この補強禁止処分がユベントスにどのように影響するかを考察することにしましょう。
レアル、アトレティコの両クラブとも処分に対する異議を申し立てていますが、覆る(もしくは延期される)保証はありません。
したがって、2016年夏と2017年冬の移籍市場で選手を新たに登録できない可能性があります。
ただ、この処分が下ることは濃厚とスペインの地元紙では以前から報じられていたため、驚きは少ないでしょう。むしろ、ブラッター会長が職務停止であり、またブラッター会長の右腕であったヴァルケ事務局長が解任されたタイミングで処分が下ったことが驚きと言えるでしょう。
ユベントスにとってはレアル・マドリードが獲得を狙っているモラタ選手とポグバ選手が引き抜きにある可能性が考えられます。
1:アルバロ・モラタの去就
モラタ選手ですが、レアル・マドリードが買い戻しオプション(2016年夏と2017年夏)を保有しています。ですが、今回の補強禁止処分により、オプションを行使することが難しくなりました。
オプションを行使すること自体は可能なのですが、処分の期間中は選手を新たに登録することはできません。つまり、モラタ選手の保有権を手元に置いたとしても、試合で起用できないため無意味なことになってしまいます。
もちろん、(補強禁止処分外である)この冬の移籍市場でモラタ選手を獲得してしまえば、選手登録することへの障害はありません。しかし、ユベントスが冬の移籍市場でモラタ選手の放出に応じる可能性は現状では低いと思われます。
ただし、レアルが3500万ユーロ前後の移籍金を提示するのであれば、モラタ選手のレアル電撃復帰もあり得る話だと言えるでしょう。
2:ポール・ポグバ争奪戦からの脱落
ジダン新監督のための “新生ギャラクティコ” に向けた補強第1号と報じられていたポグバ選手獲得も暗礁に乗り上げたように見えます。
ただ、ポグバ選手のケースは「争奪戦が発生する時期が読めない」ことを考慮する必要があります。選手が希望したタイミングで争奪戦のゴングが鳴るという非常に希有な選手であり、レアル・マドリードが争奪戦に参加できる権利を完全に喪失したとは言い切れないためです。
資金力のあるレアルが移籍市場で活動できないことは良い条件を引き出したいと考える選手や代理人にとってもマイナスです。したがって、ポグバ選手が(レアルが補強禁止処分を受けている)2016年夏の移籍を見合わせる可能性が高まったと見ることもできるでしょう。
ユベントスとしてはモラタ選手が買い戻される可能性が現実に高まったことから、補強戦略を見直す必要があると言えます。特にザザ選手は移籍交渉を中断するだけの価値はあるでしょう。
レアル・マドリードが彼らの補強プランを前倒しにしてくることへの準備はしておく必要はあると思われます。
BBC Sport - Real Madrid and Atletico Madrid handed transfer bans