2位フィオレンティーナをホームに迎えたユベントスは、PK で先制を許すも、クアドラード、マンジュキッチ、ディバラの3ゴールで逆転勝ちを納め、連勝を6に伸ばしました。
この試合に先発した両チームの選手は以下のとおりです。
Juventus [3-5-2] |
ACF Fiorentina [3-4-2-1] |
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GK | 1: ブッフォン | 12: タタルシャヌ |
DF | 15: バルザーリ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ |
4: トモビッチ 2: ロドリゲス 13: アストーリ |
MF | 16: クアドラード 6: ケディラ 8: マルキージオ 10: ポグバ 33: エヴラ |
10: ベルナルデスキ 5: バデリ 8: ベシーノ 28: マルコス・アロンソ 72: イリチッチ 20: ボルハ・バレロ |
FW | 17: マンジュキッチ 21: ディバラ |
9: カリニッチ |
3バックを使う両チームともミッドウィークにヨーロッパのカップ戦を戦った関係で、メンバーを入れ替えて試合に臨みます。
ユベントスは中盤にケディラ選手が怪我から復帰。また、運動量が求められる WB はセビージャ戦では控えに回っていたクアドラード選手とエヴラ選手が先発しました。
対するフィオレンティーナはヨーロッパリーグでは温存していたカリニッチ選手やイリチッチ選手を先発に戻し、ベストメンバーで試合を迎えました。
試合は前半2分にいきなり動く。エリア内に侵入したベルナルデスキがキエッリーニの左足スパイクに引っかかり、豪快に飛ぶ。少しの空白の後、主審のオルサートが PK を宣告し、獲得した PK をイリチッチが右に蹴り込んで先制に成功した。
ビハインドを負ったユベントスだったが、3分後に追いつくことに成功する。エヴラが左サイドから上げたクロスをファーにいたクアドラードが中央のケディラを狙って頭で折り返すも、ボールはタタルシャヌをあざ笑うかのようなループ軌道を描きファーサイドのネットに吸い込まれた。
打ち合いになるかと思われたが、両チームとも守備をすばやく立て直し、相手 FW を自由にさせないことを最優先としたため、試合はこう着状態に陥る。フィジカルコンタクトがファールと判定されなかったため、肉弾戦の様相を見せ、前半は 1-1 で終了した。
後半に入っても、両チームとも均衡を打ち破ることができない。すると、ユベントスは62分に負傷明けのケディラに代えストゥラーロを、77分にエヴラに代えてアレックス・サンドロを投入するなど機動力に優れる選手をピッチに送り込み、追加点を狙う姿勢を見せる。
試合が再び動いたのは80分。ポグバのスルーパスに抜け出したディバラが右足でトラップするも、ボールは少し流れたため、シュートは GK タタルシャヌに弾かれる。だが、そのこぼれ球をマンジュキッチが押し込みことに成功し、ユベントスが逆転した。
82分には CK で待ち構えていたマンジュキッチをボルハ・バレロが明らかなファールで倒すも、オルサートは PK を宣告せず、試合を決めることはできない。しかし、アディショナルタイムにロングフィードを追いかけたクアドラードとアストーリが競り合ったボールをディバラが反応。冷静に左足で押し込み、試合を終わらせた。
この試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
イリチッチの PK を除き、活躍のチャンスは訪れなかった。堅実に勝利へ貢献していたと言えるだろう。
CB: バルザーリ 6.5
前線からのプレスがかけられる中、冷静に対処し続けた。トラブルに陥ることもなく安定したプレー内容だった。
CB: ボヌッチ 6.0
インターセプトなど攻撃の芽を摘み取り続け、カチニッチをボックスからに遠ざけることに成功。
CB: キエッリーニ 5.5
昨シーズンのホアキン、今シーズンのベルナルデスキと2年連続でダイバーに PK を与えたことは大いに反省すべき点である。ただ、カリニッチに全くチャンスを与えなかったことは評価できる。
WB: クアドラード 6.5
棚ぼたゴールに加え、追加点となるディバラの得点機に対するお膳立てを行った。最後の1秒まで集中力が切れることはなかった。
MF: ケディラ 5.5
守備やバランスを取る上では合格点の内容だったが、連携面ではズレが生じ、特に攻撃においては脅威となるシーンはほとんど見られなかった。
MF: マルキージオ 6.0
ボールを展開するとともに、DF の前で有効なフィルター役として機能し、アンカーの役割を存分に果していた。
MF: ポグバ 6.5
ファールではないシーンでオルサートにカードを出されてから、怒りの感情が現れすぎていた。しかし、時間とともに冷静さを取り戻し、勝ち越し点につながるラストパスをディバラに通した。厳しいマークをどう逆手に取るかが鍵である。
WB: エヴラ 6.5
ポグバとのコンビで、存在感を発揮した。効果的なクロスを供給するとともに、相手の脅威を防ぎ切ったのだから満足な結果と言えるだろう。
FW: マンジュキッチ 7.0
前半から腐らずにボールを追いかけ続けた見返りを80分に獲得した。セリエAの水に馴染んだようでボクシッチが語った20ゴールも現実味を帯びて来た。
FW: ディバラ 7.0
細かいタッチでディフェンスをかいくぐり、シュートにまで持って行く姿はメッシを彷彿とさせる。あえて注文をつけるなら、「右足でのフィニッシュ精度を高めること」という点もそっくりだ。
【交代選手など】
MF: ストゥラーロ 6.5
ケディラと代わり62分から、ピッチ上で存在感を放つ。CK からのこぼれ球を頭で狙ったが、タタルシャヌに阻まれ、引導を渡すまでには至らなかった。
WB: アレックス・サンドロ 6.0
77分にエヴラに代わって出場。前に出たいベルナルデスキの背後を攻め、攻撃の起点となるとともに厄介な選手を自陣ゴールから遠ざける役目も果たした。
FW: モラタ ー
86分からマンジュキッチと交代で出場。シュート機会は訪れなかったが、前線からさぼらずにボールを追いかけるなど役割は果した。
アッレグリ監督 6.5
セビージャ戦でフル稼働を強いた両 WB を休ませ、先発起用したクアドラードおよびエヴラが結果を出した。また、疲れの見えた選手を下げるとともに運動量で勝る交代選手を軸に逆転勝ちを納めた采配は高く評価されることだろう。
オルサート主審 5.5
(判定の是非は大きく割れるだろうが)自らのジャッジ基準がまったくブレなかったことはビッグマッチを担当するだけの “度量” は備わっていたということだ。しかし、マンジュキッチへのファールで「お返しの PK」を与えていないのだから、能力については疑わざるを得ないものである。