リーグ戦12位のユベントスが10位トリノをホームに迎えたダービーマッチは、ホームチームが後半アディショナルタイムにクアドラード選手の劇的な一発で 2-1 の勝利で終えました。
トリノダービーに先発した両チームの選手は以下のとおりです。
Juventus [4-3-1-2] |
Torino F.C. [3-5-2] |
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GK | 1: ブッフォン | 1: パデッリ |
DF | 20: パドイン 15: バルザーリ 19: ボヌッチ 33: エヴラ |
5: ボヴォ 25: グリク 24: モレッティ |
MF | 6: ケディラ 8: マルキージオ 10: ポグバ 11: エルナネス |
33: ブルーノ・ペレス 6: アクアー 20: ヴィヴェス 16: バセッリ 3: モリナーロ |
FW | 21: ディバラ 9: モラタ |
11: マキシ・ロペス 27: クアリャレッラ |
前節サッスオーロ戦で大失敗をしたユベントスは9節のアタランタ戦で起用した 4-3-1-2 を選択。中盤で組み立てのできる選手に加え、トップ下にエルナネス選手を入れ、細かいパス交換から中央突破を軸とした攻撃を組み立てるメンバーを送り出します。
対するトリノはヴェントゥーラ監督の下で磨き上げられたお馴染みの 3-5-2。トリノは屈強な3バックでユベントスの攻撃を弾き返し、ブルーノ・ペレスおよびモリナーロの両翼がユベントスの両サイドの裏を突く狙いを持った起用です。
試合は前回のトリノダービーと同じ形で入ります。ユベントスは FW 2人とトップ下の3人でトリノの3バックに圧力をかけ、パスコースを消し、攻撃の組み立てを防ぐ作戦を採ります。
ところが、前半10分にケディラが接触のない所で負傷し、クアドラードを投入したことで 4-3-3 へのスイッチを余儀なくされ、攻撃の連動性が失われます。それでも19分にクアドラードのパスをディバラがスルーしたスペースをポグバ使い、ドライブのかかった豪快なシュートで先制に成功。前半はトリノの攻撃を防ぎ、1-0 で終えます。
後半、トリノが上位にいる実力を見せます。51分にエリア付近で得た FK は壁に当たるも、その跳ね返りをキッカーのボヴォが左足を豪快に振り抜き、同点に追いつきます。その後、両チームにあわやというシーンが訪れるも、得点までは至らず。
このままドローで終了かと思われた93分、ディバラに代わって出場したアレックス・サンドロが左サイドからグラウンダーで送ったクロスをファーに飛び込んだクアドラードがスライディングで押し込み、勝ち越しに成功。土壇場で勝ち点3をもぎ取ると共に、アッレグリ解任騒動も一息つくことになりました。
この試合に出場したユベントスの選手・監督への評価は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
後半にビッグセーブを何本も見せ、トリノに勝ち越しを許さず、勝利を呼び込むことに貢献した。
DF: パドイン 6.0
攻撃面では大きな寄与はできなかったが、守備面ではモリナーロやブルーノ・ペレスを抑えていた。
DF: バルザーリ 5.5
ミスはなかったが、トリノの2トップに仕事を許し、セットプレーでグリクに競り負けた内容はマイナス。
DF: ボヌッチ 6.0
タックルによって速攻を止めるなど、最後の防波堤として存分に働きを見せていた。だが、グリクのようなターゲットがいるチームを相手に軽率なファールはリスキーだ。
DF: エヴラ 6.0
昨年のダービーでやられたブルーノ・ペレスに仕事をさせなかった。巧さで守り切ったと言えるだろう。
MF: ケディラ ー
10分足らずで負傷交代することとなった。評価よりも怪我の診察結果が気がかりである。
MF: マルキージオ 6.0
病み上がりだったとはいえ、インターセプトに奔走するなど貢献度は高かった。今季は攻撃面で存在感を発揮していなかっただけに起用方法を決める必要があるだろう。
MF: ポグバ 6.5
シュートに正確さが戻りつつある中で、豪快なボレーを決めたのは大きい。荒れる試合でも冷静さを保ち、これまでケディラが見せていた安定感をポグバが見せたことは高評価だ。
OMF: エルナネス 6.0
トップ下や相手ボックス近辺では脅威となっていた。ただ、アンカーの位置でボールをさばくタイプではないだけに輝けるかは役割次第だろう。
FW: ディバラ 6.5
チャンスメイクをし、放ったシュートは惜しくもブロックされた。80分過ぎから存在感に陰りが見え始めたので、頭脳のスタミナ強化が課題の1つだろう。
FW: モラタ 5.5
大部分を3トップの左でプレーしただけにエリア内で脅威になることはできなかった。だが、ブルーノ・ペレスを猛然と追いかけるなど評価されるべき内容は残していた。
【交代選手など】
FW: クアドラード 7.0
この劇的ゴールが完全移籍の決め手となるはずだ。右サイドのタッチライン沿いだけなく、中央付近でもドリブル突破を狙う姿勢を見せたことは大きい。SB がいる場合の守備位置は改善の必要がある。
FW: マンジュキッチ 6.0
78分にモラタと交代で出場。グリクからのマークを物ともせず、ポストプレーで攻撃のオプションとなった。
DF: アレックス・サンドロ ー
87分にディバラに代わって投入され、その8分後には決勝点となるグラウンダーのクロスを左サイドから供給した。
アッレグリ監督 6.5
負けず嫌いな一面が顔を見せた。前回のダービーで上手く機能しなかったやり方を改善して、ねじ伏せようとしたが、ケディラの怪我で破綻した。3トップに切り替えることを余儀なくされたが、交代采配によって結果を出すことができた。ただ、自陣エリア付近でファールを与えるなど合宿の成果は疑わしいものだ。
ロッキ主審 6.0
普段通り、気前良くカードを出し続けていた。ジャッジ基準はぶれることもなく、疑惑を呼ぶ判定もなかったと言えるだろう。