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リヒトシュタイナーの状態に対する執刀医グイタ教授の見立て

 不整脈の症状によって心臓手術を行ったリヒトシュタイナー選手ですが、復帰時期を巡ってゴシップ化しつつあります。その中で、執刀医を務めたグイタ教授が Juventus.com に選手の症状に対する説明を行っていましたので紹介します。

画像:早期復帰が待たれるリヒトシュタイナー

 デッラ・モリエンテ大学で心臓学部長を務めるフィオレンツォ・グイタ教授は「手術は1時間未満で終了し、選手は良好です」と述べています。

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 Q. 教授、リヒトシュタイナーは何に苦しんでいたのですか?

 A. 心房粗動とは心房の不整脈のことを言います。分かりやすく例えますと、心臓は『ガソリンタンク』なのです。

 正常な心臓は一種の電気回路のようなもので、普段は一方通行で心臓の端々に伝わって行き消えます。動揺が生じた場合、通常毎分60回の心拍が300回まで上昇することがあります。

 ですが、母なる自然が『フィルタ』として房室弁を与えたため、心房から心室へすべての鼓動が伝わる訳ではありません。つまり、『エンジン』にすべてが伝わらないのです。どういうことかと言うと、150 の拍動が『フィルタ』を通すと 75 の脈拍になります。

 このような場合、動悸として自覚されることがあります。選手はまさにこのケースでした。

 

 Q. このようなケースで手術をしなければならないのですか?

 A. もちろん、投薬療法という別のオプションはあります。ですが、防ぐことはできますが、問題の根本的な解決方法とはなりません。加えて、効果は 60% に留まっています。

 その代替案として手術があります。1992年から用いられている手術で、カテーテルアブレーションと呼ばれる手法です。足の静脈から心臓へカテーテルを挿入し、電極カテーテルで焼灼するのです。現在最も勧められる治療法であり、スポーツマンのために選択された方法です。

 

 Q. 1ヶ月というのは回復に十分な時間なのですか?

 A. もちろんです。30日後に彼は回復していることでしょう。それから私達は追加検査を行います。そこで全てが OK であれば、彼がフットボールすることがクリアになります。

 このタイムラインはスポーツガイドラインの医療分野から来ており、不整脈のタイプに依存します。症例から、回復まで1ヶ月と見ることが一般的です」

 

 1時間程度から数時間以上かかるも場合まで様々と言われているカテーテルアブレーション手術で執刀したグイト教授が「1時間未満で完了した」と述べているのですから、順調に行われたと言えるでしょう。

 通常型心房粗動で90~98%の成功率と日本不整脈学会の記述があることからも、復帰が長引く見込みは低いと思われます。なお、長引くリスクが高いのは合併症が発生した場合に限定されます。

 脳梗塞や心穿孔が合併症の代表例にあげられますが、どちらも心室細動の治療時によるものであり、その確率は前者が 0.3~0.5%、後者が 1% 前後と言われています。しかし、それ以外(リヒトシュタイナー選手が発症した心房粗動など)で起きることは極めてまれと見られています。

 11月初旬前後に行われるであろうグイト教授たちによる検査結果待ちと結論づけできるでしょう。