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【コラム】ガゼッタから見たユベントスが抱える5つの課題

 イタリアの『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はユベントスが抱える問題を5つ提起しています。

 その5つとは次のとおりです。

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1:ディフェンス?ブッフォンは素晴らしいけど…


画像:主将ブッフォン(LaPresse)

 2014/15 シーズン、ユベントスは開幕3試合を無失点で終えた。しかし、今シーズンは4失点だ。ユベントスの強みが泣き所へと変貌してしまっている。今のユベントスは2011年4月2日から134試合も得点のなかったヘテマイのような選手にも得点を許すほどだ。ブッフォンがいなければ、事態はさらに悪化していただろう。

 これは失点の内容を見ると原因が見えてきます。CB 陣はマーク対象を抑えているのですが、2列目やサイドといった CB がマークできない選手に決められている傾向があります。

 CB が付いていた中で決められたのはローマのジェコ選手だけです。他の失点は、 SB がマークで途中で止めた(ウディネーゼ戦)、ゴール前で安易にファールをして FK を与えた(ローマ戦)、クロスが DF に当たって中央に流れたのをフリーの選手に決められた(キエーボ戦)となっています。

 この失点内容で「チームはすべてを出し尽くしている」と主張されても、ファンが擁護することは難しいでしょう。「最後まで走れてないけど、 "Fino Alla Fine" って何?」と言われて言い返せなくなるのが見えているからです。

 

2:真のリーダーの不在


画像:モラタやポグバには荷が重いようだ

 すっかりお馴染みになっているが、ピルロテベスビダルなどが今夏に退団した。その穴を埋めることは容易でないことは分かり切ってきたが、誰がバトンを受け取るのだろうか?ポグバ、モラタ、マルキージオ、ディバラは手を上げることができておらず、アッレグリの肩に重くのしかかっている。本物のリーダーを懐かしく思ってしまう。

 これは指摘通りです。特に攻撃面でヒエラルキーそのものが崩壊してしまったので、まさにゼロからスタートになりました。

 中盤より前で、リーダーとしての影響力が強かった主力選手がごっそり抜けたため、相手陣内でのボール回しなどで落ち着きがなくなったことも大きいでしょう。それにプレーの基準となる選手が確立されていないことも修正方針が定まらない原因となっています。

 

3:あのストゥラーロはどこに?


画像:ストゥラーロも期待に応えられていない

 レアル・マドリード戦で見せた内容は輝かしい未来への扉を開いたも同然であった。しかし、U-21 欧州予選でのプレーやキエーボ戦での出来はブーイングが浴びせられる内容となった。当然ながら、クアドラードにポジションを譲り渡した。いつ本来の姿を取り戻すのだろうか?

 これはストゥラーロが “過大評価されている” という現状を把握する必要があります。レアル戦では中盤に入ったセルヒオ・ラモスや右 SB のアルベロアに猛烈なプレスをかけ続けた走力が大きく評価されました。

 ただし、これは「相手陣内でボール回しをしようとした選手にプレスでミスを誘発させたこと」であり、『自陣内での守備能力』が評価されたのではありません。

 つまり、自陣内の守備機会においてもボール奪取の精度を上げることがストゥラーロ選手の喫緊の課題であり、それができなれば “あのストゥラーロ” が戻って来ることはないと言えるでしょう。

 

4:攻撃、できていない


画像:中盤でボールを争うモラタ

 ディバラは今日も得点を決めはしたが、物足りなかった。モラタはテストされたが、最初のシーズンのようなゴールに飢えたスナイパーではなかったし、ディバラとは理解し合えていなかった。マンジュキッチ?ベンチスタートにしたアッレグリの采配とアレックス・サンドロのクロスを誰も触れなかったことを苦々しく見ていただろう。最も彼がピッチに入ると、その機会すらなくなってしまった。いずれにせよ、ここにいる選手達は早くゴールを決める必要がある。

 攻撃面に関しては、項目2と重複する所が多々存在します。昨シーズンはテベスの動きを全員が見て、ピルロなどからボールの供給が行われ、攻撃が組み立てられていました。

 攻撃時にまず位置を確認するテベスピルロビダルの3名が抜けたのですから、現時点では “約束事” が定まっていないことが問題だと言えるでしょう。昨シーズンのようにモラタがサイドに流れることを容認するなら、ビダルが担っていた “ペナルティエリア内に走り込む” 役割を誰かが引き継がなければなりません。

 サイドでどれだけ数的優位を作っても、肝心の中央で勝負できる選手がいなくては得点はできません。昨シーズン、自分たちが強固なディフェンスを築くことができた理由を分析し、攻撃時には相手守備陣にその形を作らせないことが肝心だと言えるでしょう。

 

5:クアドラードと新戦力は良い知らせ


画像:実力を遺憾なく発揮しているクアドラード

 クアドラード、アレックス・サンドロ、エルナネスと移籍市場の最後で獲得した選手たちは朗報だった。クアドラードキエーボ戦の残り20分から出場し、相手守備陣をパニックに陥れた。サンドロもアッレグリの要求を見たし、サイドからの突破やクロスを供給し続けた。エルナネスも力強いシュートを枠内に放ち、アッレグリを救ったと言えるだろう。

 問題となるのは出場した試合で毎回良いパフォーマンスを見せているクアドラード選手を活かすポジションが見当たらないことでしょう。

 どちらかと言えば、サイドでスピードを武器にしているだけに 4-3-1-2 では活かし切れないリスクがあります。4-2-3-1 や 4-3-3 を導入する余裕があれば良いのですが、チーム事情が思わしくないため、歯がゆい思いをすることになる可能性が大です。

 同じく選手が大幅に入れ替わったインテルとの差がどこにあるのかを正しく分析して、適切な対策を講じることができなければ、昨シーズンのドルトムントのような事態になることは現実に起こりうることだと言えるでしょう。