来シーズンは『カルピ』と『フロジノーネ』の名前を耳にする機会が増えるでしょう。どちらのチームも今期セリエBを戦い、昇格を勝ち取りました。
このチームの名前を少し前に耳にした記憶を持っている人もいるのではないでしょうか?
どちらのチームもコッパ・イタリア決勝で戦うラツィオのクラウディオ・ロティート会長がスモールクラブはセリエAに昇格すべきでないという発言をした時に名指ししたチームです。
「カルピが昇格してくれば…ビタ一文にもならないクラブが昇格してくれば、 2、3年後に我々には1リラもなくなってしまうとね。[中略]それが、3年後にラティーナ、フロジノーネといったクラブ(がセリエAに昇格)となれば…誰が放映権を買う?」
カルピに続き、フロジノーネもセリエAに昇格を勝ち取りました。ラツィオがこの2チームのホームに乗り込んで戦う時はかなり難しい試合になるでしょう。選手たちでなく、クラブやファンが敵意むき出しで、やる気満々である可能性が非常に高いからです。
ロティート会長の発言で賛同できる点があるとすれば、放映権料がクラブの運営には欠かせないということです。安値で放映権が売却されるより高値が好ましいと思うのは当然です。
「スモールクラブだから、放映権が低くなる」というのは言いがかりと見るべきでしょう。スペインのセビージャなどはスモールクラブ的な位置づけになりますが、ここ10年でヨーロッパリーグを3度制しています。ヨーロッパの大会に出場したチームが結果を残している状況でリーグ戦が混戦が続いていれば放映権料は高くなるのではないでしょうか。
ガラガラのスタジアムで、暴力行為が蔓延っている現状ではイタリア国外のメディアが高額の放映権を出す可能性は少ないでしょう。イタリア国内だけを考えるとそれでも良いのですが、マーケットは世界中にあると考えればスタジアムを満員にできるようにするための施策を実行する必要があると思われます。