ユベントスは公式サイト上で、2017/18 シーズンから参戦する女子チームについての情報を新たに発表しました。女子セリエAへの参加ライセンスを購入する形で新規参入することとなります。
1:参加ライセンス
新規にチームを立ち上げて、トップカテゴリに参加することはできません。そこで、ユベントスはクーネオ(Cuneo)が持つライセンスを買収する形で取得し、2017/18 シーズンの女子セリエAに参戦すると発表しました。
この動きはトゥット・スポルトなどが報じており、想定の範囲内と言えるでしょう。ちなみに、クーネオが残した 2016/17 シーズンの成績は以下のとおりです。
チーム名 | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 勝点 | 得失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | フィオレンティーナ | 22 | 21 | 0 | 1 | 63 | +81 |
2 | ブレッシア | 22 | 18 | 1 | 3 | 55 | +42 |
3 | AGSM ベローナ | 22 | 14 | 3 | 5 | 45 | +30 |
7 | クーネオ | 22 | 7 | 5 | 10 | 26 | -17 |
これを上回る成績を残すことが1年目(2017/18 シーズン)の目標となります。ただ、本格的な評価を下すことになるのは3年目以降になるはずです。
2:監督・選手・本拠地
ユベントス・女子チームを率いる監督はリタ・グアリーノ(Rita Guarino)氏であると発表済です。
女子イタリア代表のアンダー世代(U-17)を率いていましたので、「ユベントスの下部組織で育成中の女子選手を伸ばすことに重きを置いている」と思われます。ほぼ完全な新チームですから、数年後に最初の評価を下す必要があると言えるでしょう。
なお、「ユベントス・女子チームにどの選手が所属するのか」と「本拠地となるスタジアムはどうするのか」という情報は現時点では発表されていません。
2016/17 シーズンにクーネオでプレーした選手をベースにしたチームにするのか、それとも他のチームから引き抜きを敢行するのか。チームの方向性に大きく影響するだけに注目点と言えるはずです。
3:現状の課題点
現時点での最大の課題は「3年後に女子チームが単独で採算を取れる状態になっているか」という点です。最低でも、以下の支出分は女子チームでまかなえる状態になっていることがノルマとなるでしょう。
- 用具/サプリ等購買費
- 選手年俸/スタッフ費用
- 選手登録権への費用
選手や監督・コーチ、スタッフに支払う年俸分は自分たちで稼げなければ、話になりません。また、女子チームが使う用具やサプリメント代も同様です。
ただし、この条件でも他のクラブチームより優位な立場にあります。なぜなら、ユベントスは『Jヴィレッジ・プロジェクト』を進めており、女子チームも最新鋭の設備を(トップチームやプリマベーラと)共用することができると思われるからです。
施設利用料は(減価償却という形で)男子チームが持ってくれる訳ですから、女子チームの年俸分やサプリなど消耗品分を数年後に自分たちが稼げているかが評価されることになるでしょう。
創業した会社の赤字が容認されるのは3年ほどです。それまでに経営で軌道に乗らなければ、女子チームは触れてはいけない黒歴史になってしまいます。
この課題にユベントスの担当部門がどのように取り組むのかに注目です。