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【コラム】 ユベントスの 4-2-3-1 が抱える課題と将来像

 "5 Stelle"、(チンクエ・ステッレ、5つ星)と地元イタリアメディアから称されるユベントスの 4-2-3-1 は試合を重ねたことで課題となり得る部分と将来像の輪郭が見えてきました。この部分を整理しておくことにしましょう。

画像:新システムで鍵を握るディバラとクアドラード
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ベラルディ(サッスオーロ)の買い戻し権を行使する絶好の理由ができた

 ユベントスはサッスオーロでプレーするドメニコ・ベラルディ選手の買い戻し権を持っているはずですが、出場機会確保への懸念から選手側が昨夏の移籍市場での加入に難色を示したという経緯があります。

 3-5-2 や 4-3-1-2 ではディバラ選手とポジション争いを強いられることが濃厚で、ベラルディ選手の判断は正しいものだったと言えるでしょう。しかし、4-2-3-1 がシステムとして確立されたのであれば、話は別です。

画像:ユベントスの4-2-3-1

 なぜなら、右MFの先発ポジションを得られる可能性が現実に存在するからです。クアドラード選手がポジションを掴んでいますが、他に右MFで結果を残している選手はいません。

 また、左足を利き足とし、カットインからの得点力を併せ持つベラルディ選手がポジションを得ることも十分現実的なシナリオだと言うことができるからです。

 

選手が中央に密集しすぎて “渋滞” が生じ始めている

 セリエA第24節カリアリ戦後のコメントで選手間が窮屈になりすぎていて、ピッチサイズを活かし切ることができてないことを改善項目として指摘しています。

 これは相手の守備体系が 4-4-2 などのブロックを作り、中央を封鎖していることに起因するものでしょう。

 狭い密集エリアを突破できれば良いのですが、選手が重なるなど “渋滞” が生じているのであれば、「幅を取る」といった対策を講じる必要があります。そのため、相手の守備陣を上手く食いつかせるなど、攻め方を工夫し、相手を後手に回すことが求められます。

 

課題に対する模範解答の1つはペップ時代のバイエルン

 “引いて守備を固めるチーム” を崩すというミッションに秀でたチームは 2015/16 シーズンのバイエルン・ミュンヘンでしょう。ペップ・グアルディオラに率いられたチームは “引いて守備を固めるチーム” に対して、力を発揮する能力が高かったからです。

 ただ、すべての試合で相手陣内でボールを回すハーフコードゲームを要求するのはユベントスのチームカラーとは合致しないスタイルです。

 しかし、“引いて守備を固めるチーム” を相手にした際、『ペップのバイエルン』が攻撃パターンとして確立させていたプロセスをユベントスの 4-2-3-1 に応用することのメリットは大いにあると考えられることでしょう。

 ウィングで起用された選手がサイドライン際の高いポジションでボールを受け、SBの選手が外ではなく内を使って追い越し、ボールを呼び込む動きを見せることでウィンガーに「パス」と「ドリブル」の2つの選択肢を与える。

 追い越したSBにボールを預けてリターンパスを受けやすいポジションに動いても良いし、対面の相手をドルブルで突破してゴールに迫っても良いのです。こうした攻撃パターンが『ペップのバイエルン』では利用されていましたので、アッレグリ監督がユベントスの攻撃陣にどのような認識を持たせるのかが注目点です。

 

 ユベントスの 4-2-3-1 は完成形ではなく、現時点ではまだまだ “伸びシロ” が残されている状況です。これからどのような形で細部を詰め、完成させるのか。アッレグリ監督の方針に注目する必要があると言えるでしょう。